株式会社コンビーズは、メール配信システムやレコメンドエンジンを提供しており、ECサイトの運営者様を中心に多くの企業に導入されている。自身のECサイトのユーザーとどのようなコミュニケーションを取っているだろうか。今回は日々のコミュニケーションの中でも「メールマガジン」による販促の効果を大きく伸ばすために必要な要素に絞って解説していく。

 

※本記事はレコメンドエンジン「コンビーズレコ」を運営している株式会社コンビーズから情報提供を受けメールマガジンによる販促効果を最大化するために必要な要素を解説した記事である。

 

下図は、一般的なメールマガジンの配信の際に用いられているPDCAサイクルである。本記事では、このPDCAサイクルに沿ってポイントを押さえていく。

 

 

Plan〜計画を立てる〜

 

まず配信の前に、計画を立てることが重要だ。計画が綿密に立てられていると、後の行動が非常に明確になる。このとき特に面倒なのが数字の目標設定。どんなことを目標に置いたら良いのかわからないという場合は、下の図を参考にするとよい。

KPI(Key Performance Indicator)の列を見ると、検討度合いに応じて様々な指標が設定されて居ることが分かる。多くの事業者が、このKPIを最終目標と設定しがちだが、もっと先に「売上高アップ」などのKGI(Key Goal Indicator)があり、その通過点としての指標がKPIであることを認識した上で、組み立て行く必要がある。

 

 

Do〜メールマガジンの配信を行う〜

 

メールマガジンを配信するという作業を、ここでは3つのフェーズに分けてピックアップしていく。

 

メールを開いてもらうために

メールを開くかどうかは何で決まるのか。それは、一般的に件名と配信時刻と言われている。

まず件名については、細心の注意を払う必要がある。件名が悪ければ即刻ごみ箱行きになり、内容が全く伝わらないままにユーザーとの接点が切れてしまう。そのため読者を惹きつける件名を付けなければならない。

A:コンビーズ・スタッフのファッション通信Vol.27

B:30%OFFセール!この夏まだ着れるTシャツがおトク!

AとBの2つの件名を記載したが、「B」のほうが気になると思ったのではないだろうか。読者を惹きつけるワードやお得感、具体的な数字を盛り込むことで、「この情報は有益な情報だな」と思わせることが大切である。

次に配信時刻に関してだが、メールマガジンを配信するタイミングは、多くの事業者が一斉配信としているのではないだろうか。しかし、ユーザーがメールを開封した時刻やリンクをクリックした時刻を元に、次回以降の配信時刻を最適化することで、より開封率がアップするのだ。

現在この機能が搭載されているメールマガジン配信システムの数は少ないのが現状だが効果は歴然だ。メールマガジン配信システムを選ぶ際の一つの基準にしてみてほしい。

 

読んで行動してもらうために

事業者はメールマガジンを読んでもらうだけでなく、サイトへの誘導も指標に組み込むことでコンバージョンにつなげる必要がある。ここでは「ファーストビュー」と「クリックのしやすさ」について解説していく。

まずファーストビューだが、メーラーの中にはメールを開かずとも本文の一部を閲覧できるタイプのものがある。それらのメーラーで惹きつけるためには、開かせるためのキーワードや具体的な数字を、思い切って文頭に持ってくるようすることをおすすめする。

せっかくメールを開いてもらっても、最後まで読んでもらえなければ意味がなく、何より行動を起こしてもらわなければ、メールマガジンを配信した成果にはつながらない。メールの世界でも、第一印象は非常に大切なのである。

次にクリックのしやすさである。長過ぎるURLや、パラメータが付与されすぎているURLはクリックされにくい傾向がある。より多くの読者にメールマガジン内のリンクにクリックしてもらうには、下記のことに気をつけてみてほしい。

  • URLを長くしすぎない
  • パラメータをつけすぎない
  • 長くなる場合はリンク用のバナー画像を用意し、リンクを貼り付ける

 

迷惑メールに振り分けられないために

メールの性質上、すべてのメールを1通たりとも漏れなく迷惑メールにならずに送り届けることは、不可能に近いと言われている。では、少しでも迷惑メールに振り分けられないためにはどうすればよいのだろうか。本文作成段階、配信環境の2軸に分けて解説する。

本文作成段階でできる対策

  • URLが長くならないようにする
  • URLを多用しすぎないようにする
  • HTMLメールの場合、1行あたりのソースコードが長くなりすぎないようにする
  • 講読解除用のURLを明記する
  • 連絡先と配信元を明らかにする
  • 容量の大きすぎる画像は使用しない

一見当たり前のように見えるが、メールを受け取った方が迷惑メール通報を実施する可能性もあるため、常に読者の立場に立った読みやすいメールを作成することが重要なのである。

専用サーバーで配信する

メールマガジン配信システムの多くは、配信するためのサーバーを利用者全体で共用している場合がほとんど。中には、「専用サーバー配信」というオプションを設けているところもある。このオプションを利用すると、共同利用しているサーバー群を使わず、自社の配信のためだけに使えるサーバーを専用に用意してもらえるので、他の利用者の影響を受けることなく快適な配信が可能になる。

上記2軸のポイントを是非メールマガジン配信システムを選定する際のポイントとしてほしい。

 

 

Check〜配信結果を検証する〜

 

メールマガジン配信後に必ず見ておきたい指標と、余力があれば見ておきたい指標に分けて紹介する。このフェーズは、次のフェーズである「Action(改善)」を正しく行うために、正しい検証方法で継続することが大切である。

 

必ず見ておきたい指標

  •  開封率:読者がメールを受信した後、メールを開いたか、またその割合を測定。
  • クリック率:読者がどのURLにクリックしたか、またその割合を測定。
  • コンバージョン率:読者がクリックしてサイトに訪れたあと、コンバージョンに至ったか、またその割合を測定。
  • エラーアドレス:配信した結果、相手に届けることができなかったメールアドレスを要因別に確認。

 

余力があれば見ておきたい指標

  • アンケートと属性の関係:読者の方にアンケートを取り、読者の属性と交えながら分析することで、読者の傾向を分析することができる。
  • 読者の登録と解除の推移:年間を通して読者の登録と解除の傾向をつかむことで、次のフェーズに大変役立つ。

 

 

Action〜改善する〜

 

検証結果を分析したら、いよいよ次の計画に向けた改善点の洗い出しを行う。ここでは、あらかじめ用意していたサンプルの検証結果を見ながら、どのように改善していったのかを見ていく。

改善前は配信者側の意見を強く反映しているメールであるが、改善後は読者の行動に寄り添ったメールになる。

 

メールマガジン業務は短期間で劇的に改善することは出来ず、上記のようなPDCAサイクルを回してコツコツと積み上げていくことが必要である。そして、今回紹介した配信時刻の最適化や専用サーバーによるメール配信などの機能は全てコンビーズメールプラスで実施することができる。各種プラグインも用意しているので、メールマガジン業務で悩んでいる際には是非確認してみてほしい。