Adobeは1月9日、2023年11月1日から12月31日までのホリデーシーズンのオンラインショッピングデータを発表した。

 

本調査は、分析ソリューションAdobe Analyticsを通じて得られたオンラインでの商取引データから、Eコマースの状況を最も表す分析で、米国の小売サイトへの1兆回以上の訪問、1億個のSKU、18の製品カテゴリーから得られたデータに基づいていている。

 

 

オンライン売上高の結果

 

今シーズン11月1日から12月31日までのオンライン売上高は、前年同期比4.9%増の2,221億ドルで、Eコマースの新記録を達成した。月別に見ていくと、11月のオンライン売上高は1,235億ドルと前年比6%増で、サイバーウィーク(11月23日〜27日)の売上高が380億ドル前年比7.8%増と好調だったことが今回の結果に繋がったと考えられる。また、12月は、サイバーマンデーを過ぎても値引きが続いたこともあり、オンライン売上高は986億ドルと前年比3.7%増加だった。

 

 

カテゴリー別の割引状況

 

このホリデーシーズンでは、主要なEコマースカテゴリー全体で、値引き額が過去最高を記録した。値引きのピークでは、エレクトロニクスは表示価格から31%オフ、玩具は28%オフ、アパレルは24%オフとなっており、エレクトロニクスと玩具は昨年よりも割引率が高かった。その他のカテゴリーでは、コンピューターが24%オフ、テレビが23%オフ、家電製品が18%オフ、スポーツ用品が18%オフ、家具が21%オフと、それぞれ2割程度の高い値引き率だった。

 

 

後払い決済による購入が増加

 

今年のホリデーシーズンでは、後払い決済によるオンライン売上高が過去最高を記録し、昨年の21億ドルを大きく上回る166億ドルを達成した。さらに、11月はこの決済方法が今までに最も多く利用された月で92億ドル、前年同月比17.5%増だった。最も多く利用された日はサイバーマンデーでの9億4,000万ドル、前年同日比42.5%増という結果だった。一方で、後払い決済は、ホリデーシーズン以外の時期でも多く利用されており、年間(1月1日~12月31日)を通じた後払い決済によるオンライン売上高は今年、前年同期比14.3%増の750億ドルに達し、2022年を94億ドル上回っていた。

 

 

カテゴリー別売れ筋商品

 

今年のホリデーシーズンにオンラインで消費された2,221億ドルのうち、65%は、エレクトロニクスの508億ドル、アパレルの415億ドル、家具の273億ドル、食料品の191億ドル、玩具の77億ドルの5つのカテゴリーが牽引していた。

エレクトロニクスでは、テレビ、スマートスピーカー、タブレット、Bluetoothヘッドフォン、スマートウォッチなどがこのホリデーシーズンの売れ筋商品だった。アパレルでは、パジャマ、スニーカー、冬物の衣料(フリース、スウェット、肌着)が人気で、家具・家庭用品は、バー・スツール、小型クッション、クリスマスデコレーションがよく売れていた。玩具においては、バービー、Disney Little People、Uno Show ‘Em No Mercy、KidKraftプレイセット、Squishmallowsなどが人気で、ビデオゲームでは『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』、『Marvel’s Spider-Man 2』、『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェアIII』が売れ筋だった。一方、ゲーム機ではNintendo Switch、PlayStation 5、Xbox Series Xが上位を占めていた。その他、スキンケア美容液や保湿剤、コードレス掃除機やロボット掃除機、小型キッチン家電(コーヒーメーカー、エアフライヤー、インスタントポット)なども購入者が多かった。

 

 

まとめ

 

今シーズンの堅調な消費者支出の背景は、上昇した商品価格に加え、新規の需要増加によってもたらされたと考えられる。しかし、18の製品カテゴリーのオンライン価格を追跡するAdobe Digital Price Indexによると、Eコマース価格はここ1年以上下落しており、2023年12月では前年同月比5.3%減だった。Adobeの数字はインフレ調整されていないものの、もしオンラインインフレが考慮されていれば、消費者支出総額はさらに高い伸びを示すのではないだろうか。

 

 

「アドビ」について

 

Adobeは、「世界を動かすデジタル体験を」をミッションとして、3つのクラウドソリューションで、顧客体験を提供できるよう企業・個人の顧客を支援している。

また、アドビ株式会社は米Adobe Inc.の日本法人で、日本市場においては、人々の創造性を解放するデジタルトランスフォーメーションを推進するため、「心、おどる、デジタル」というビジョンのもと、心にひびく、社会がつながる、幸せなデジタル社会の実現を目指している。