複雑化するポストCookieの未来でビジネスが生き残れるかどうかを判断する4つの重要なポイント。
サードパーティクッキー禁止を取り巻くニュースの意味することを理解しようとビジネス界が必死になる中、デジタル広告のターゲティングはこれまで以上に複雑さを増している。Googleは先日、サードパーティクッキー禁止措置の延長を発表したが、その複雑さと不確実性は依然として残っている。
ソーシャルメディアは、公平な競争の場を作るための最大のツールであったかもしれない。しかし、差し迫ったクッキーの消滅、iOS 14のアップデート、広告ターゲティング全体の複雑化が、マーケティングコスト上昇とデータ不足を招き、多くの企業にさらに追い討ちをかけることになるかもしれない。
この新しいデータの世界に企業が適応できるかどうかは、以下4つの重要な要素にかかっていると考えている。
1. データのインセンティブ化
ファーストパーティデータ収集のために、オンラインとオフラインの両方の戦略を実行できる企業が勝利を収める。例えば、店頭のQRコードや会話型チャットボットを活用し、ターゲットマーケティングやオーディエンスビルディングに利用可能な重要なファーストパーティデータを提供するよう顧客を説得することが可能だ。
一般的に、最も成功するインセンティブプログラムは、消費者に具体的な価値を提供するものだ。例えば、報酬・ロイヤルティプログラム、送料無料、限定割引、購入時の無料プレゼントなどが挙げられる。また、データ収集のプロセスを簡単で楽しいものにするゲーミフィケーション手法も、顧客がデータを共有する価値を生み出す上で有効である。データ収集は、B2C企業だけでなく、B2B企業にとっても重要であり、セグメントを超えた新たなデジタルマーケティングの機会が拡大している。
2. ブランド構築
企業のブランド構築への投資は、見込み客と直接コミュニケーションをとることなく、関係構築のプロセスを開始することである。ターゲティングがより複雑になる中、ブランディングとPRによって、コールドリードに無理に売り込むことなく、企業が求められるようになる。ポッドキャスティングや新しいビデオ戦略およびメディアを活用し関連ニュース記事を掲載することで、ブランディングを行うことができる。
ソーシャルメディアは、ブランドの価値を正確に反映させることで、企業の認知度とインテントを高めることが可能な重要な分野だ。ブランド構築の手法を開発する際、すべては顧客から始まる。以下の重要な質問に答えてほしい。あなたの顧客は誰なのか?顧客にとって重要なことは何か?顧客のニーズにどのように応えるのか?
3. 顧客関係マネジメントとコミュニティ
クッキーが消滅すると、顧客獲得コストが大幅に上昇する。つまり、顧客維持、ソーシャルプルーフ、レビュー、紹介が、継続的なリードの流れを確保しながらコストを抑えるための鍵となる。最大のファンを育て、新しいファンを獲得するためには、コミュニティの構築が最も重要になる。ブランドが、顧客を維持し、紹介ネットワークを構築する方法を模索する中、ライフタイムバリューがさらに焦点となるだろう。
顧客調査は、顧客がどのように感じているか、何が将来の購買につながるかを把握するための素晴らしい方法である。また、メール・マーケティングは、多くの企業にとって、まだ十分に活用されていないコミュニケーション・チャネルである。Eコマース向けのKlaviyoやその他のあらゆる分野を対象とするMailchimpなどのEメール・オートメーション・プラットフォームは飛躍的に進歩しており、企業は、テンプレートやトリガーとなるレスポンスを設定することで、顧客エンゲージメントの向上、製品のアップセル、新しいプログラムの導入などが可能となる。
4. 自社データの所有: アイデンティティ・レゾリューションと行動ベースのエンゲージメント
クッキーのない将来における障害の一つは、マーケターがデータを収集することが困難になることである。GoogleやFacebookなどのマーケティングプラットフォームは、ターゲットを絞り、見込み客を顧客に変えるために必要な情報をすべて保有している。そして、企業は、これらのプラットフォームが提供してくれる情報に依存することになる。しかし、差し迫ったクッキーの消滅は、企業が成長するための新しい、より良い革新的なソリューションを生み出した。現在では、アイデンティティ・レゾリューションや行動トラッキングによって、データやターゲティング能力を自社で所有しコントロールすることが可能になった。
企業向けアイデンティティレゾリューション・プラットフォームに関するマーケティング担当者向けガイドのダウンロード
新たなテクノロジーによって、失われたクッキーからのインサイトを置き換えるだけでなく、劇的に拡張することができる。誰が自社のウェブサイトに来たのか、どこから来たのか、そして彼らの継続的なデジタル行動を知ることで、大半のブランドがインパーソナルなツールや戦術を用いるにとどまる世界において、あらゆる種類のパーソナライゼーションの機会を得ることが可能となる。
広告マーケティング会社iiintent.ioなどのスタートアップ企業は、ブランドがファーストパーティデータを「ビッグ4(Google、Apple、Facebook、Amazon)」の広告プラットフォームに取り込み、独自のターゲティングとオーディエンスを決定することを可能にする。その結果、顧客獲得のためのコストが大幅に削減され、顧客体験全体をパーソナライズすることでコンバージョン率が向上し、複数のチャネルでオーディエンスとコミュニケーションをとる機会が拡大する。クッキーが消滅しても、アイデンティティと行動があれば問題はない。
企業は、複雑化するデータと広告ターゲティングへの対応に苦慮しているが、トンネルの先には光がある。強力なブランド構築、データのインセンティブ化、顧客関係管理、アイデンティティレゾリューションを組み合わせて活用することで、企業は嵐を乗り越えるだけでなく、成長するデジタルランドスケープで成功するためのロードマップを構築することができるのだ。