2017年まで使っていた従来のEメールマーケティング方法はもう通用しない。コラムニストRyan Phelan氏が示す、2018年に試すべき9つの新しい戦略とは?
クリスマスから始まるホリデーシーズンをみんなと同じように楽しみにしている私。10月下旬頃から始まる大量の宣伝メールでさえもだ。私は決してマゾなのではない。私はただ、本日のEメールマーケティング担当者が、Eメール広告について学んだことをどのように実践し、私が今にも開けずにはいられないほど創造的な Eメールを送ってくるのかを楽しみにしているのだ。
そして毎年、私は失望する。
冴えないEメール広告
私は毎年変わらずお決まりで、私には興味のないメールを受信している 。見た目は多少ましにはなっているが、私の価値観や、私が誰なのか、私は何が欲しいのかを知っているマーケティング担当者はほぼいない。
私は関係のないたくさんのメールをもらう。プロのEメール広告担当者の私にとって、ほとんどスパムメール同然のような物に見える 。 私のような同業者でさえ不快に思うのだから、一般の人はより不快に思うはずだ。多くの人はメールリストからこのようなメールを削除する事は不思議ではない。
希望の小さな光
しかし、稀にマーケティング担当者から新しい方法を考えて作られたEメールを受け取ることがある。例えば私の顧客情報を利用し、私の興味に関連するだけでなく、そのブランドが新鮮で魅力的に思えるような内容だ。
しかしそのようなメールは滅多になく、ほとんどのメールは過去20年の間に顧客へのアプローチ方法を何も学ばなかったかのような、面白くないものばかりだ。
2018年、Eメール広告を改善する9つの方法
1. 一括大量送信への依存を減らす
この手法を完全に止める必要はない。ただ頻度を少し減らし、この手法では顧客とのコミュニケーションをとることや、お金を稼ごうとする事をやめてみてはどうだろうか。
場合によっては、細分化しないでEメール広告を送信することが理にかなう事もあるし、時々そうしないといけない状況もあるに違いない。しかし、2018年は何が何でもEメール広告の質を向上しようと決意する必要があるのではないか。
私たちには変わる力があるはずだ。2018年のホリデーシーズには、劇的な変化や質の高いメールが増えるだけでもいい。どんな改善でも賞賛に値する。
2. イノベーションを一つずつ追加し、Eメールマーケティングプログラムをゆっくりと着実に変え始めよう
1月から少しずつ変化を加えていき、変化を重ねて継続し実行することで、2018年の今頃、その成果はすばらしいものになっているだろう。
3. 過去に収集し蓄積された顧客データを活用する
この実行には、マーケティング部門を超えた緊密な関係を構築する必要があるが、顧客データを駆使して、顧客の趣味や興味に合うメッセージを作成してみてはどうだろうか。
4. 各々の顧客に合わせたマーケティングを提供する
多くの人を単一と見なし同じ内容のメールを送る代わりに、パーソナライズ化し、Eメールを自動化、データを統合、そして最適化されたメッセージを送る事で、一人一人に合ったメッセージを大量に送信する事が出来るだろう。
5. Eメールのやり方を根本的に変える
Eメールの操作は容易になったが、良いEメールを送る事は相変わらず難しい 。顧客データを利用してパーソナライズされたメッセージを作成したり、テンプレートを改善してすべてのデバイスで読み取り可能にしたりするなどの努力次第で、より良い結果が得られるものだ。
しかし、私たちの多くはその努力を怠っている。
一括送信に頼り、100万通か500万通のEメールを一斉に送っても気にしない企業があることを私は知っている。また、Eメールを低コストの宣伝チャネルとみなし、それ以上向上させる動機をもたない企業は、改善する事に関心がない所で努力することは難しいことも知っている。
あるアナリストの説明によると、Eメールがデジタルマーケティングの課題において重要度が低いとされるのは、「”ある程度は機能している”という認識により、問題意識が低い事」が起因しているとのこと。つまり質の悪いEメールを送っても、ある程度は稼げてしまうことが、今日のEメールの問題なのだ。
質の低いメールでも売り上げに結びつくならば、努力して質を上げれば更なる売り上げがみこまれるということ。改善するべき理由はシンプルなのだ。
6. 新しいEメール戦略を導入してみる
ホリデーシーズンの間に少しだけ時間を割き、2018年に向けて何か新しいことができるか考えてみよう。5分でも良いから、実際に新しいやり方を導入している人のケーススタディを考察し、自身が試せそうなやり方を見つけるのも手だ。
小さな変化を積み重ね、イノベーションを一つずつ追加していけば、一年後には大きな変化をもたらしているだろう。
7. ベストを尽くしているかどうか自問自答してみる
プロモーションのEメール広告、顧客とのメールのやりとり、トリガーメール(プログラムされた自動返信のメール)の内容をチェックしてみよう。受取人やブランドにとって価値のあるものや意味のあるものにするために、何か一つ有意義な変更をすることはできないだろうか。
- 販促のために役立つサードパーティのベンダーを見つけられるだろうか?
- 顧客データを活用してメーリングリストを分割し、より細分化したバージョンの一斉送信メッセージを作成して、異なる顧客セグメントにアピールすることができないだろうか?
- 顧客の行動に関するデータを反映したトリガーメッセージを作成できないだろうか?誰かがXをしたときにYをやる事が多い場合、Yアクションを促すトリガーメールを作成することができるはずだ。
8. ベンダーや技術パートナーと協力する
ESP(Eメールサービスプロバイダ)のアカウントエグゼクティブやマーケティングオートメーションプロバイダーと最後に話したのはいつだろうか?担当者に「プログラムを強化する必要があるので、何か出来る事がないか?」と問いかけてみてはどうだろう。彼らは喜んで成功のために手伝ってくれるはずだ。ぜひ大事な次なる一歩のために、彼らの協力を求めるべきであろう。
9. デジタルマーケティング担当者がEメール広告は最大の武器である事を再認識する
以上が2018年にすべきことだ。そうすれば、Eメール広告は全てのデジタルマーケティングの中心なるはずだ。
覚えておいてほしい。ゾンビはのろのろしている人を始めに攻撃する。身の動きが早い方に属していれば、あなた自身も、あなたのEメールプログラムも、どちらも救う事が出来るのだ。
※当記事は米国メディア「Marketing Land」の12/22公開の記事を翻訳・補足したものです。