Googleは複数の大手メディアと協力して、不正なデジタル広告を探知するプロジェクトを開始しているという。実際には存在しない広告スペースを広告主に売り出す「スプーフィング広告」の増加を受けて、Googleも対策に乗り出した。

 

Googleが「スプーフィング広告」対策を始動

NBCUCBSThe New York Timesなどの大手メディアの協力の下、Googleは不正なスプーフィング広告を削減していくためのテストを実施している。

今回のテストの対象となるスプーフィング広告は、広告の掲載希望者に、実際には存在しない広告スペースを購入するように騙すことをいう。

 

増加している「スプーフィング広告」

近年増加している広告として、広告主と広告会社の間で、複数のデジタルプラットフォームを通じて、広告掲示に関する詳細な設定ができる運用型広告、いわゆる「プログラマティック広告」が増えている。

プログラマティック広告は広告表示対象を限定できるため、効率的な広告運用が期待される。しかし一方で、設定が詳細すぎるために、広告主が掲載を希望した場所に適切に広告が表示されているかをその都度チェックすることは難しい。これが不正なスプーフィング広告を見抜くことを難しくしており、その数が増えているのだという。

 

Googleがテスト中の「ads.txt」は、各デジタル広告代理店の透明性を確認できるもの

Googleは増加するスプーフィング広告対策として、IAB(Interactive Advertising Bureau)が管轄するads.txtというプログラムをテスト中だ。このプログラムを使えば、広告主は各デジタル広告代理店の透明性を確認でき、架空の広告スペースを購入してしまうことを防ぐことができるのだという。

対策プログラムのテスト中、Googleは何千もの広告スペースが、実際には存在していないことを発見したという。

 

広告形態の多様化に伴い、その透明性と妥当性がますます問われるようになってきたデジタル広告。実際には存在しない広告スペースを広告主に売り出す「スプーンフィング広告」を始めとした不正広告の数が増加する中、Googleの対策が注目されている。

 

※当記事は英国メディア「Mobile Marketing Magazine」の7/24公開の記事を翻訳・補足したものです。