罗森(ローソン)中国は上海で行列に並ぶ時間を節約し、消費者により良いショッピング体験を提供するために、自動会計サービスの導入を検討している。

無人会計サービスには、「火星兔」というサードパーティーアプリを利用。アプリを起動し、GPSから自動的に店舗情報を取得する。店内ではアプリで商品のバーコードをスキャンすることで、アプリ内のカートに入れることができる。アプリは自動的にキャンペーン価格や会員価格などの表示も可能。顧客はアプリ内のカートを確認後、AlipayやWechat Payで支払うことが出来る。

ここまでは無人であるが、最後にやはり人によるチェックは残っている。

アプリで会計した後に表示される認証番号を、店内の「スピーディーコーナー」にて店員に渡しスキャンさせれば、退店できる仕組みだ。

アプリでの会計後の、店員による番号スキャンにより、この取り組みは完全に無人コンビニを実現するものではない。ローソンの中国責任者によると、店員の人件費のコストより行列に並び、顧客に待たせるのが大きな問題となっているため、その解決のための施策だとのこと。

一般的にレジでは、店員により商品を読み取る時間に加えて、顧客の支払いにも時間がかかっている。顧客が現金で支払う場合は平均一人あたり30~40秒かかる。カードでは10秒。Wechat Pay、Alipayの場合はもっと早いという。現在、ローソン中国では30%が現金支払、非現金は60%~70%である。この支払い時間と商品の読み取り時間の短縮を狙ったものだといえよう。

技術がまだ成熟していないため、中国では無人コンビニを実現するはまだまだリスクが高い。2015年、華潤万家というスーパマーケットはVangoというレジ無人コンビニを開始した。しかし、最初の営業日、1.67万元の商品を販売したが、1.37万元の現金しか手元に残らなかった。損失は約18%にものぼった。しかし、ローソンの自動会計システムは店員のチェックがあるので、商品損失のリスクは低減することができるだろう。一方で、アプリの活用は顧客データを入手・活用ができるため、導入が進むと面白い取り組みになりそうだ。

 

※当記事は中国メディア「Ebrun」の7/3公開の記事を翻訳・補足したものです。