デジタルビジネス支援を行う、海外SaaS商社の株式会社ギャプライズは、2025年5月国内ネット通販事業者のECサイト表示速度ランキングを発表した。



LCPについて

 

LCPとは、Largest Contentful Paint(最大視覚コンテンツの表示時間)の略で、Googleが定めたCore Web Vitals(ウェブの重要指標)の1つを指しており、ウェブページを開いてから、画面の主要な部分(一番大きな画像や見出しのテキスト)が表示されるまでの時間を測定したものとなっている。つまり、LCPの値が小さいほど、ページの主要コンテンツが素早く表示され、ユーザーにとって読み込み速度が速く感じられるということだ。さらに、Googleは、LCPの基準値を定めており、ページの読み込み開始から2.5秒以内にLCP要素が表示されればユーザー体験は良好で、4秒を超えるとユーザー体験が低いと判断される。また、ルノー社の改善事例によるとLCPは1秒未満までその改善効果が得られることがわかっている。

 

 

ランキング結果

 

全体的な状況としては、調査対象となった275サイトのうち、約73.6%(201サイト)がLCP2.5秒以内を達成していたことから、前回から引き続き多くのECサイトが表示速度の重要性を認識し、積極的な改善に取り組んでいることが明らかとなった。

また、今回の調査で特筆すべきは、トップ10のサイトすべてがLCP(Largest Contentful Paint)1.1秒以下を達成していることで、「あみあみオンラインショップ」を筆頭に、「タマゴ基地」、「資生堂パーラー」といった各業界を代表するサイトが、驚異的な表示速度を実現していた。上位のサイト以外にも、「ほぼ日刊イトイ新聞」と「蔦屋書店」において、LCPの大幅な改善が見られ、「ほぼ日刊イトイ新聞」はLCP1.228秒から1.068秒、「蔦屋書店」も1.275秒から1.097秒へと改善し、いずれも1.1秒の壁を突破していた。これらの結果からコンテンツ量やビジュアル要素が多いこれらのサイトにおいても、表示速度の最適化が進んでいることが明らかとなった。

一方、大手アマゾンも、ページ表示速度の改善に向けた継続的な取り組みが見られ、アマゾンのLCPは、2月は1.857秒 、3月は1.708秒 、4月は1.671秒 、5月:1.646秒と、直近3ヶ月連続で改善しており、確実にパフォーマンスの最適化が進められていることが伺えた。

 

 

Core Web Vitalsの新指標 INPで優秀なTOP5社

 

2024年3月より導入されたINP(Interaction to Next Paint)を見ていくと、1位は前月4位だった「タマゴ基地」の0.078秒で、「タマゴ基地」は前々月にもINP0.088秒で4位となっており、常に高いパフォーマンスを保っているようだった。

INPは、ユーザーの操作に対するウェブページの応答性を測定する指標であるため、LCPと併せて分析することで、より総合的なサイトパフォーマンスの評価が可能となる。そのため、自社サイトのパフォーマンス改善を検討する際は、INPとLCPを含むすべてのコアウェブバイタルの指標を総合的に分析し、改善策を立案することが重要だといえる。

また、各企業のスコア改善は、「JavaScriptの実行最適化、イベントハンドラーの効率化、レンダリングパフォーマンスの向上」といった取り組みによって実現されていると考えられ、LCPだけでなくINPにおいても、継続的な改善と新たな技術導入の重要性が明らかとなった。

 

 

株式会社ギャプライズについて

 

ギャプライズは2012年以降、世界各地から革新的なテクノロジーを見出し、提案し続けることで差別化を目指してきた。また、2023年にはGoogleオプティマイズサービス終了に際し、公式推奨される3つのABテストツールを国内で唯一取り扱い、2024年2月からはサイトスピード改善ツールを複数取り扱うサービスを開始するなど、特定のテクノロジーの紹介にとらわれない、クライアントのニーズに応じた多様な選択肢を提供できるSaaS商社としての取り組みを実施している。ギャプライズは先進テクノロジーの導入やコンサルティング業務を通じて、市場分析、認知や獲得を目的としたオンライン集客、サイト内ユーザー体験の最適化、コンテンツ管理、プロジェクト管理、AI技術など幅広くクライアントの課題解決を行いながら、ビジネス成長を加速するための伴走を続けていくとのこと。