TikTok広告は、Google・Metaに続く第3の広告としてECサイトとどのように柔軟に連携して成果を出していくことが出来るのか

 

多くの企業がオンライン広告を活用して運営を拡大させることが一般的になった今、Google広告やInstagram広告などのMeta広告など、既に実績のある選択肢と同じ、あるいはそれ以上の効果が期待できる媒体として存在感を強めているのがTikTok広告だ。しかし、TikTok広告の仕組みや出稿方法について十分に理解している企業はまだ多くなく、GoogleやInstagramなどの広告と比べると導入にハードルを感じやすいのかもしれない。

そこで今回は、TikTok広告の基本的な仕組みから具体的な広告作成の流れなどについて解説し、TikTok広告がECサイト事業者や広告代理店にとって有力な選択肢となり得る理由や、既存ECサイトとどのように連携することが出来るのかを整理していく。

 

 

TikTok広告がリーチできる顧客規模

 

これまでECサイトを運営する企業がオンライン広告を出す場合、中心となってきたのはGoogle広告や、Instagramを含むMeta系の広告である。しかし現在、日本市場で新たな顧客へとリーチできる広告媒体として存在感を高めているのがTikTok広告である。

TikTok広告が注目される最大の理由は利用者規模が大きいことだ。2025年11月にTikTokが発表した報告によると、日本におけるTikTokの月間アクティブユーザー数(MAU)が4,200万を突破した。2022年11月時点で2,120万人となっていたので、ここ3年で2倍の成長をみせている。

このように、TikTokはジャンル問わず多様なコンテンツを扱い、より多くの顧客に様々な形で興味を持たせる、ユーザーにとっての新たな発見の場として日常に溶け込んできているのだ。一方で、これまで広告媒体として中心とされてきたGoogleやInstagramについても、デジタル利用動向のデータから利用者規模の大きさが示されている。

上図のニールセンデジタルの調査によると、平均月間利用者数では最大手のGoogleが約8,476万人、Instagramが約6,107万人となっている。TikTok利用者数と比較するとその差はあるものの、TikTokが第三の主要な広告媒体として多くの利用者にリーチできる基盤を築きつつあることは明らかである。この背景も、広告戦略にTikTokを活用することが有力な選択肢になっている根拠の一つと言えるだろう。

更に、日本国内でTikTokに広告出稿を行っている企業数は既に48万社を超えており、TikTokは新たな広告の選択肢として注目されるだけでなく、実際に成果事例を積み上げながら実用性の高さを検証しつつあるのだ。

 

 

TikTok広告は何ができるのか

 

GoogleやMetaなどの大手広告媒体に次ぐ利用者基盤を持つTikTokに広告を出稿することは、単に新しい選択肢を増やすというだけでなくTikTokの特性を生かすことができる。広告の設計や活用の仕方そのものに特徴があり、既存媒体とは異なる効果が期待できる。ここでは、3つの切り口からTikTok広告の自由度の高さを整理していく。

 

アプリ内で購入手続きまで完結できる

TikTok広告の大きな魅力の1つは、アプリから離れることなく購入手続きまでを完結させられることだ。2025年6月にはユーザーがTIkTok上で気になる商品に出会えばそのまま購入まで進められる「TikTok Shop」の日本国内提供を始めた。おすすめフィード内等に流れてくるTikTok広告を見てほしいものがあれば、動画に直接タグ付けされた商品を簡単に購入することができる。特にコスメやアパレル、家電など動画との親和性が高いカテゴリで成果があげられており、「TikTok売れ」という言葉が生まれるほどだ。

 

外部サイトへ誘導できる

上記のTikTok Shopを活用したTikTokアプリ内で完結された購入手続きは便利な機能ではあるが、必ずしもTikTokアプリ内で決済まで完結させることを重視しない事業者も多いだろう。たとえば、これまで運用してきた自社のECサイトに顧客を集めたい場合や、既存の販売導線をそのまま活用したい場合である。そのような場合には、TikTok上の広告や投稿から、任意の自社ECサイトへ直接リンクさせて誘導することも可能である自由度も持っている。

 

投稿を広告として配信できる

TikTok広告の特徴のひとつは、すでに投稿している動画をそのまま広告として活用できる点にある。企業が日頃から商品紹介やブランド発信のために投稿している動画は、通常投稿のまま反応を見ることができる。そして、再生数や保存数などの反応が良かった動画を、後に触れる「Spark Ads」という仕組みで広告として指定すれば、その投稿を拡張する形で広く配信が可能になる。また、許可を得れば自社アカウント以外の投稿も広告として活用できる。たとえば、インフルエンサーによる商品紹介動画を広告として配信することも可能だ。あらかじめ広告用の動画を作り込むだけでなく、実際にユーザーの反応が良かった投稿を広告に活用できる点は、TikTok広告の大きな強みといえる。

 

 

TikTok広告から購入への導線パターン

 

TikTok広告の広告から購入への導線パターンはいくつか存在する。ユーザー視点でのUIの違いと、事業者視点での連携の難易度や既存サイトの活用方法には大きな差がある。まず大前提としてTikTok広告から購入への導線提供の際には、TikTok Shopへの出店は必須ではなく、多様な連携方法が可能である点を理解したい。

 

ユーザー視点

ユーザー視点で見ると、TikTok広告から商品を購入する際の導線は大きく2つのパターンに分かれる。

1つ目は、TikTokアプリ内で商品を発見し、そのままTikTok Shop内で購入手続きまで完結できるパターンである。もう1つは、TikTokから外部サイトへ遷移して購入するパターンであり、遷移先のサイトによって購入までに必要な手続きや操作が異なる。(詳細次章)

 

事業者視点

一方、事業者視点ではTikTok広告から購入への誘導方法にいくつかのパターンが存在する。まず、TikTok Shopでの購入を促すのか、既存のECサイト上での購入を促すのかによって大きく方法は異なる。

 

TikTok Shopでの購入を促す場合

このケースで最も導入しやすいのは、すでにTikTok Shopを利用している企業が広告を出稿するケースである。次は、既存のShopifyストアを運営している企業が、Shopifyのアプリを用いてTikTok Shopと連携する方法である。この方法は比較的簡単な操作で設定でき、Shopifyストア側に登録された商品情報などを自動的に反映・更新することが出来る。

また、WooCommerceなど主要なECプラットフォームとシステム連携APIが提供されているケースがあり、それを活用した連携も可能になっている。そしてそのような連携の手間やコストが見合わない場合には、新たにTikTok Shopへ登録して新規店舗として登録する方法もある。これらの方法はすべて、ユーザーがTikTokアプリ内で購入できる「TikTokアプリ内で購入完結」を実現するものであり、前提としてTikTok Shopの利用登録が必須となる。(詳細次章)

 

既存のECサイト上での購入を促す場合

このケースで最も導入しやすいのは、既存のShopifyストアへ誘導する方法であり、これもShopifyアプリから簡単な設定で利用できる。これ以外では、外部のECプラットフォームや自社サイトなどへ、任意のリンク先へ遷移させる方法となる。また、この方法ではTikTokのビジネスアカウントを登録していれば、任意のリンクを設定した動画の投稿も可能だ。この段階では広告費は発生せずに投稿動画として運用でき、さらに、その動画のアクセス数や反応が良い場合には、その動画を広告として配信することも可能となっている。(詳細次章)

 

このように、ユーザー視点ではTikTok広告からの購入への導線は2パターンだが、事業者視点で見ると広告とECサイトへの誘導の方法には複数の選択肢が存在する。いずれの場合も現時点では、Shopifyとの連携が非常に行いやすいため、Shopifyを使用している事業者は積極的にTikTok広告を活用することをおススメしたい。

TikTok広告をどのような目的で活用するのか、自社のEC運営状況や販売方針と照らし合わせながら、最適な導入方法を検討していきたい。

 

 

TikTok広告からTikTokアプリ内で購入完結

 

画像引用:TikTokショップ – ニュースルーム |TikTok

TikTok広告からTikTokアプリ内で購入を完結する場合の導線は、上の画像のように、広告をクリックすると、アプリ下部からTikTok Shopが表示され、その中で購入を完結することが出来る。この導線を実現するための、前章で触れた事業者側の4種の対応方法を個別に、より詳細に見ていく。

 

TikTok Shopに既に出店

TikTokアプリ内で購入まで完結させるには、TikTok Shopの開設が前提となる。そのため、既にTikTok Shopを利用しているん事業者は、手間はほとんどかからずTikTok広告を出稿することで、TikTok Shopへの購入を促すことが可能だ。TikTokには素材を選択するだけで自動的に広告を作成できる機能もあり、広告運用に不安がある場合でも比較的容易に始められる。また、商品登録などの準備がすでに完了していれば、新たに行う手続きも少なく、簡単にTikTok広告を開始できる。

 

Shopifyストアからアプリで自動連携

Shopifyを利用している事業者は、自社ECサイトとTikTok Shopを接続することで、商品情報や価格、在庫数などのデータを同期できる。これにより、Shopify上の情報を更新すればもう一方にも自動的に反映されるため、在庫や商品管理を別々に行う必要がない。連携の設定も単純で、ShopifyのアプリストアにあるTikTok公式アプリを導入し、必要な手順に沿って接続を行えば、計測タグ(TikTok Pixel)の設置や商品データの同期が進む。これまで運用してきたShopify側からの操作だけでTikTok Shop側まで包括的に管理できる部分があることも実務上の利点となる。あくまでTikTok Shop自体の開設は必要だが、その後のデータ連携と管理を効率化できる点が、Shopify連携の大きな特徴となっており、現時点では最も簡単に自社ECサイトとTikTok Shopを連携することが出来る手法と言える。

 

WooCommerce等 他のECプラットフォームとのシステム連携

TikTok Shopは、Shopifyだけでなく、ほかの主要なECプラットフォームとも連携できる仕組みを用意している。たとえば、WooCommerceやSalesforce Commerce Cloud、BigCommerce、Magentoといった広く使われているECプラットフォームとの接続が可能となっている。これらのプラットフォームでECサイトを運営している場合、商品情報や価格、在庫データをTikTok Shopと連動させることが出来るため、あらためて商品を一つずつ登録し直す必要がない。既存のデータを活用しながら運営を始められる点が実務上の利点である。さらに、AfterShipやSilk、SKUIQ、CEDCommerce、ShoppeDanceといった連携支援用のアプリも提供されている。これらを活用することで、データ同期や設定作業を補助でき、導入時の負担を抑えやすい。ただし、これらはShopifyアプリのような簡単な操作での連携をすることは出来ず、ある程度のシステム開発が必要となるものだ。また、上述のECプラットフォームはまだ日本ではそれほど使われていないものも多く、あまり現時点では有力な選択肢にはなりにくい側面もある。

 

既存ECとは別にTikTok Shopに新規出店

システム連携を行う手間が多く、また今後のTikTok Shopの活用自体が不透明な場合にはなかなか自社ECサイトとの連携を行うという判断をすることが難しいケースも多い。そのような場合には既存ECサイトとは別物としてTikTok Shopに新規出店をするというケースも出てくるだろう。既にTikTokのビジネスアカウントを保有している場合は、アカウント連携することでスムーズに運用を始められる。開設時には本人確認や必要書類の提出などの手続きは求められるが、手順自体はそこまで多くない。もちろん、TikTok Shopを開設するにあたっては、他のECサイトと同様に、ショップ情報の設定、商品情報の登録、価格や在庫の管理といった基本的な準備が必要となる。しかし、TikTokアカウントとTikTok Shopを紐付ければ効果的にTikTok内での認知拡大を狙うことができ、存在感を確実に高められるだろう。

 

 

TikTok広告から既存ECサイトへ誘導し購入

 

TikTok広告から外部のサイトへのリンクを設置することももちろん可能だ。そのため、TikTok広告から既存ECサイトへ誘導し購入を促すことも出来る。この導線を実現するための、前章で触れた事業者側の2種の対応方法を個別に、より詳細に見ていく。

 

Shopifyストアへアプリで誘導

TikTokとShopifyの連携は他のECプラットフォームと比べると現時点では非常に密となっている。前章で触れたアプリでの自動連携だけでなく、TikTok広告から既存のShopifyで構築されたECサイトへの誘導も非常に手軽に行うことが出来る。

ShopifyとTikTok Adsを連携させることで、商品名、価格、在庫が整合し、マーケティングはTiktok Ads Managerに保存される。これによりワークフローが効率化され、さらに広告コンテンツにShopifyの在庫や価格の最新情報を常に反映させることも可能だ。季節限定商品、ベストセラー、限定版など、TikTokで限定商品を宣伝したい場合には手動同期も行うことが出来る。

ShopifyとTikTok広告の連携は、比較的少ない手順で完了する。具体的には、ShopifyアプリストアからTikTokアプリをインストールし、TikTok広告マネージャーにログインしたうえでShopifyストアと接続し、データ共有を有効化することで設定が完了する。

この連携を行うことで、ユーザーはTikTokの動画広告から直接Shopifyの商品詳細ページへ遷移できるようになる。広告を閲覧したユーザーはそのまま商品ページに移動し、数回の操作で購入まで進むことが可能となるため、通常のECサイトへの直接的な訪問者に加えて、TikTok上の動画コンテンツをきっかけとした新たな閲覧を促すことが期待できる。

 

リンクでECプラットフォームへ誘導

Shopify以外のECプラットフォームを利用している場合は、主にリンクでECプラットフォームへ誘導する形になるだろう。

各ブランドはTikTokビジネスアカウント経由でオーガニック投稿に誘導先リンクをシームレスに追加することが可能となっている。すなわち、リンクによってTikTok広告から自社のウェブサイトへの新規ルートを作成し、より広い顧客へとリーチすることが可能である。

実際の導入先リンクの提示イメージは上図のようになり、外部リンクをクリック可能なCTAを使って動画再生画面内とコメント欄上部に追加することができる。また、導入先リンクの使い方について説明された公式ヘルプページより、この誘導先リンクは「前提としてTikTok Pixelに関連し、ビジネスアカウント認証をしている特定の利用者のみが使用」という条件が課されているが、この条件を満たせばどのECでも対応できる。まとめると、導入先リンクを使用するには、

  • 誘導先リンクを所有、つまりeコマースの利用者である
  • 認証済みビジネスアカウントを所有している
  • 購入完了データを取得するため、設定時に有効な計測タグ(TikTok Pixel)またはeAPIを支払い完了イベントと連携させている

の条件を満たすことが必要だ。

さらに、広告効果を高める手法には「Spark Adsウェブコンバージョンキャンペーン」の実行があり、誘導先リンクを設定した通常動画をそのまま広告動画として拡散することで集客を強化し、より多くの見込み客の獲得や売上最大化を目指すことができる。初めから広告として動画を配信することももちろん可能だが、導入先リンク付き既存投稿のうち広告として配信したときにも成果が見込まれるオーガニック動画をSpark Adsで広告にすることもできるのだ。

 

 

TikTok最新情報・機能

 

TikTok広告はここ数年で一気に拡大してきているため、機能面でも新しい機能が続々登場している。ここでは、ここ最近登場した機能をいくつか紹介していく。

 

GMV Max

「GMV Max」はその名の通りTikTok ShopにおいてGMV(流通額)を最大限拡大するための広告ソリューションである。

従来は、オーガニック投稿と広告からのトラフィックを統計的に把握しながら運用できないことがボトルネックとなっていたが、GMV Maxではオーガニックと広告を含むすべてのトラフィックを統合・最適化し、広告制作・配信・予算調整を自動化可能となっている。商品をより多くのユーザーに発見されるための機会を最大化するとともに投資対効果維持と流通総額増大を両立する。GMV Maxの特徴は、カート付きショート動画、ショーケース、ショップタブなどに対応する「Product GMV Max」 と、LIVEコマースに特化した「LIVE GMV Max」 の2つで構成されることだ。Product GMV Maxでは、TikTokに投稿された商品アンカー付き動画や商品カードのパフォーマンスデータをもとに、設定したROI目標に向けた広告の配信や停止などの自動運用を行う。コマース配信に特化したLIVE GMV Maxでは、視聴体験そのものが購買意欲に直結しやすいことを念頭に、LIVE配信ルームへの視聴導線の設計から、コメント・視聴・コンバージョンといった配信中におけるユーザー行動データの分析までを一気通貫で行い、LIVE配信の価値を最適化する広告配信を実現する。これらを兼ね揃えることで、TikTok Shopにおける運用負荷軽減と収益向上をともにサポートしてくれるのである。

 

TikTok Market Scope(TTMS)

2025年春から導入されたTikTok Market Scope(TTMS)は、広告、オーガニックトラフィック、検索、TikTok ShopなどのTikTok内のあらゆる仕組みに関してインサイトにアクセスすることのできるTikTok独自の測定・分析プラットフォームだ。

企業の戦略設計を立てるうえで重要な判断材料となる「どんなユーザーが反応したか」「どんな経路を辿ったか」「どの施策がより効果的であったか」などを把握し、広告単体ではなくオーガニック投稿など様々な要素から全体成果をまとめて分析できる。これによって、例えば、どれだけのユーザーを検討フェーズまで浸透させられているのかを基準値と比較することや、新たなオーディエンス層の特定ができるのである。大きく4つの機能を備えており、「オーディエンスとカスタマージャーニーを分析」、「ブランド認知を測定」、「商品販売戦略を策定」、「キャンペーンの成果を正確に把握」である。これまで把握できなかった商品発見から購入までのユーザーの行動をリアルタイムインサイトとして取得することで、ユーザーへの理解を深めながら、より精度の高い販促戦略の設計を叶えられる。

加えて、小売店パネルデータ「SRI+®」を保有する株式会社インテージと共同で検証が実施されたことも報告されている。TTMSでモニタリングできる、購買検討段階にあるユーザー「検討オーディエンス」が、ビジネス成果である実店舗購買にどのような影響をもたらすか調査された。その結果、20ブランド中17ブランドで検討オーディエンスの増減が売上の増減と統計的に関連したことが判明し、さらに、20ブランドのうち14ブランドで、検討オーディエンスの増加から6週間以内に店頭売上が反応し始める傾向が確認された。これは検討オーディエンスが 「売上変動の一部を安定的に説明する指標」であることを示し、世界中でも特に実店舗購買への依存度が高い日本のFMCG市場にとってTTMSが有効な測定指標の1つとして位置づけられる。

 

Smart+

2026年1月からは、AIを活用してTikTok運用型広告の最適化を行う最新ソリューション「Smart+」の提供が開始した

Smart+はターゲット層の選定や入札額の決定、さらに生成AIを活用したクリエイティブソリューション「TikTok Symphony」を活用したクリエイティブ製作を行う。広告主は、使用する動画や画像素材、予算、目標を入力するだけでキャンペーンを開始できる。配信開始後は、機械学習とAI予測を用いて、入札やターゲット層、広告の構成などを自動で調整し、設定した目標に向けて継続的に最適化を行う。これにより、広告管理にかかる工数を抑えつつ、反応の少ない配信に予算を使い続けてしまうリスクを減らすこともできる。さらに、配信方法を自動で調整することでユーザーごとに適した形で広告が表示されやすくなり、ユーザーにとっての新鮮さを保ちながら配信を続けやすい点も魅力だ。

 

 

導入事例

 

それでは、TikTok広告を活用し、実績を出している導入事例について4つ紹介していく。

 

ぞうねこちゃんねる

Cellestが運営する「ぞうねこちゃんねる」は、2025年8月~10月にTikTok LIVEで月間GMV2億円以上を売り上げている。2017年からライブコマースに取り組み、2023年からTikTok上でのLIVE配信を始めたがその時点では外部サイトへの遷移後の購入手続きを必要とする形で運用していた。顧客の購買手続き段階での離脱を減らすためにTikTok Shop導入によるアプリ内完結購入の仕組みを取り入れると、2026年2月時点で毎月1,000名以上の新規購入者が増加し続けている。TikTok Shopに用意されている、売上(ROI)を最大化するようにオーガニックトラフィックと広告トラフィックを最適化されたAI搭載の広告ソリューション「GMV Max」を活用し、2ヵ月間(2025年8月~10月)で延べ約2,000万回以上のインプレッション、さらにTikTok Shop上での広告のROI(投資対効果)67倍を実現した。

<参考>

月商2億円超の「ぞうねこちゃんねる」が明かす、TikTok Shop成長の方程式

 

兵庫県豊岡市とIZULCA共同LIVE配信

また、先に紹介した事例で活用されていたGMV Maxは、ほかの取り組みにおいても用いられている。たとえば、取扱商品数が限られる地方特産品のような商材では、固定の出店費や運営費がかからないTikTok Shopとの相性が良いとされる。こうした事業者が地域性を打ち出したLIVE配信を行う際にも、GMV Maxが活用されている。兵庫県豊岡市の事例では、2日間・各3時間という限られた時間でLIVE配信が実施された。その成果を高めるため、配信前から商品紹介動画や告知動画を投稿し、それらの動画をGMV Maxで最適化しながら集客につなげていた。特に中小企業や地域密着型の企業は、これまでBtoB取引を中心としてきたケースも多い。そのような企業がTikTokを通じて一般消費者と直接つながり、BtoC販売の販路を広げる動きも見られる。GMV Maxは、そうした取り組みを後押しする仕組みの一つとして活用されている。

<参考>

LIVE配信は累計10万視聴、売上500万円弱を達成!兵庫県豊岡市のTikTok Shop活用

 

マキアージュのリブランディング

資生堂の主力メイクアップブランド「マキアージュ」は2025年2月から実施したリブランディングにあたり、TikTokを利用したデジタルマーケティング戦略によりブランド認知が前年同期比で7.6ポイント、購入意向が4.8ポイント向上を獲得した。ユーザーが見たいタイミングで見たいコンテンツが表示される可能性が非常に高く、さらにクリエイターによる商品紹介も自然な文脈で届けられる点を魅力としてTikTokが選ばれた。広告ソリューションや分析ツールまでTikTok機能をフル活用し、中でも成功要因の1つはTikTok Market Scope(TTMS)の活用だ。TikTokのユーザーIDをベースに、ブランドに関連するコンテンツ(公式アカウント、UGC、広告出稿)に触れたユーザーを、認知(Awareness)、検討(Consideration)、購買(Conversion)の3段階で分類し、ユーザーの経由コンテンツを特定・可視化する。これにより、従来見えていなかった検討段階のユーザー行動や心理変化をほぼリアルタイムで捉えることができ、クリック率向上に加えてブランドサイト側でのスクロール率向上にも繋がった。

<参考>

ブランド認知は7.6ポイント上昇 「マキアージュ」のリブランディング、TikTok中心戦略で若年層獲得に成功

 

サイバーグリップのCV数改善

2025年11月にサイバーエージェントグループから広告代理店として設立されたサイバーグリップは、TikTokをはじめとするデジタルプラットフォームの運用型広告を、広告主のリスクが低くリソース最適化が可能な成果報酬型で提供している。この仕組みを実現するために利用されているのが、2024年秋にTikTokからリリースされた「Smart+」である。成果報酬型モデルでは広告成果がダイレクトに評価されるものであり、AI搭載ソリューションの活用によって運用パフォーマンスの安定性や効率を高めることで広告効果を広告主に還元することを実現した。メディアサイト関連の企業では、成果単価を維持したままCV数が128%改善し、不動産関連の企業ではCV数が150%改善、人材関連の企業でもCV数が117%改善している。

<参考>

サイバーグリップが進化させる成果報酬型モデル。AI活用で高める「TikTok広告のクリエイティブ供給力」

 

 

TikTok広告は、Google・Metaに続く第3の広告としてECサイトとどのように柔軟に連携して成果を出していくことが出来るのか

 

このようにTikTok広告は、TikTok Shopを活用した売上拡大だけでなく、既存ECサイトでの売上アップにも十分に貢献が可能な機能を多く有しており、Google・Metaに続く第3の広告プラットフォームとして十分なポテンシャルを秘めている。

そのため、TikTok広告経由の直接的な売上アップは、事業者にとって試してみる意義は十分にあるだろう。一方で、TikTok広告の更なる活用においては、認知拡大や集客なども含めて目的が多岐にわたるため、自社にとって何を重視するのかを明確にしたうえで、適切な手法を選び、上手く活用していくことが重要である。