AIによって、動画は非常に簡単に制作できるようになり、ブランドはそれを活用している。


動画の制作にAIを使用しているブランドは41%で、2024年の18%から大幅に増加していることが新しいレポートによって判明した。

米国に本社を置き、B2Bマーケティング向けの動画配信プラットフォームを運営するWistiaが1,400万本以上の動画と1,300人の専門家を対象に行った調査データに基づいた「2025 State of Video Report(2025年版、動画の現状レポート)」を発表した。このレポートには、動画のエンゲージメントおよび予算の傾向も記載されている。

同レポートは、動画制作でのAI使用が急増した理由に、AIツールへのアクセス性が向上し、マーケターが効率的に品質の高い動画を制作できるようになったことを挙げている。

このレポートには次のような内容が記載されている。

  • AIユーザーの60%以上が字幕の作成にAIを活用している、または活用する予定である。2021年以降、字幕での利用は572%増加している。
  • よく利用されるAIの機能は、音声吹き替え(38%)および言語翻訳(31%)である。
  • AI は主に、脚本作成、ブレインストーミング(集団でアイデアを出し合う手法)のような制作前の企画や、字幕、吹き替え、ビジュアルのような制作後の編集に使用されている。

動画制作におけるAIの活用方法
出典:Wistiaの2025 State of Video report(2025年版、動画の現状レポート)


動画エンゲージメント指標と傾向

このレポートによると、短尺動画やハウツーものの動画が最も効果が高いことが分かった。同レポートによって判明したエンゲージメントは次の通り。

  • 1分未満の短い動画は、平均エンゲージメント率が最も高く(50%)、1~3分までの動画(46%)、3~5分の動画(45%)が続いている。
  • 全般的に、動画エンゲージメントは2024年に4年ぶりの低水準となり、3~5分の動画が最も急減(10%)した。
  • ハウツー動画は、短尺動画であれば82%、5~30分の長尺動画でも58%と、常に高いエンゲージメントを達成している。
  • 60秒未満の短尺動画の冒頭4分の1に配置された行動喚起(CTA)は、40%近い視聴者をコンバージョンしている。
  • リードジェネレーション(見込み客獲得のための手法)フォームの使用は減少しているものの、動画のコンバージョン率は前年比11%と増加しており、適切に配置されたCTAの重要性が強調されている。

 

動画の予算と課題

今回のWistiaのレポートでは、多くの企業が動画への投資を増やしていることが分かった。

  • 企業の57%が動画への予算を増額しており、削減している企業は5%しかいない。
  • 動画制作を推進する主な要因は、企業の目標・目的(60%)と製品・サービスの発売(52%)である。
  • 動画作成の主な課題は、企業の規模・リソース(58%)、コスト(38%)、技術的能力(25%)となっている。


※当記事は米国メディア「MarTech」の3/26公開の記事を翻訳・補足したものです。