多くのAI製品が登場しているため、それらの動向を把握するのは難しい場合がある。今回はAIの最新情報についての総まとめを紹介する。

 

人工知能(AI)は、マーケティングテクノロジーのいたるところで芽吹いている。非常に多くの新しいAI製品が登場する中、それらをすべて把握するのは困難な場合があるだろう。そこで今回は、最近市場に登場したAI搭載のマーテック製品、プラットフォーム、および機能について、機能別にまとめて紹介する。

 

CRM(顧客関係管理)/パーソナライゼーション

  • Salesforce(CRMソリューションを中心としたクラウドプラットフォームを提供:米国)のEinstein GPT for Commerceは、ジェネレーティブAI 技術による独自のAIモデルとSalesforce Data Cloudからのリアルタイムデータ(顧客の属性データや買い物履歴など)を組み合わせ、Commerce Cloudで顧客のレコメンデーションを自動化・調整する。プリロードされた製品説明や、バックエンドで入力された製品情報を必要とすることなく、パーソナライズされた製品リストを生成する。

 

  • One AI(最先端のNLPを搭載したソフトウエア開発企業:米国)のCRM統合は、顧客とのやり取りから重要な情報を要約・抽出し、パーソナライズされたエクスペリエンスを最適化する。それにより、トレンドの問題や新たな競合他社、機能要求を特定し、競合他社の一歩先を行くのに役立つ。また、顧客とのやり取りから、エンティティ(システム上でデータとして取り扱うことができるよう抽象的にモデル化された、現実世界の対象物や概念)、感情、センチメントなどを識別できる。

 

カスタマーサービス

  • Intercom(顧客獲得と顧客の活性化を目指すカスタマー・コミュニケーション・プラットフォームを提供:米国)のAIチャットボットFin は、OpenAI(人工知能を研究する非営利団体)のGPT-4とIntercom独自の機械学習技術により、企業の既存のサポート記事のみを使って、顧客の質問に対して信頼できる正確な回答を提供する。人間との対話が必要な場合、Finは難しい質問を明確にして、サポートエージェントに引き継ぐことができる。

 

  • Verneek(顧客エクスペリエンスAIのパイオニア:米国)独自のジェネレーティブAIであるOne Quinは、音声アクティベーションまたはテキストでパーソナライズされた質問に回答する。これは、リアルタイムの消費者クエリと、構造化および非構造化された公開情報のコレクションを基にトレーニングされている。関連する公開情報で自動的に補強されたダイナミックな企業データに基づき、確実に質問に回答するよう設計されている。 

 

マーケットプレイス・インテリジェンス

  • Course5 Intelligence(AI、高度な分析、インサイトによりデジタルトランスフォーメーションを推進:米国)は、OpenAIのGPTモデルを、AIを活用した独自の市場インテリジェンスプラットフォームであるCourse5 Competeに統合。これにより、製品のマッチングとレコメンデーションが改善されると同時に、ユーザーのペルソナに沿った言語での会話モードを通じてインサイトにアクセスしやすくなる。

 

  • Market Logic Software (エンドツーエンドのマーケットインサイトプラットフォーム:ドイツ)のDeepSightsは、市場調査やインテリジェンスに関するビジネス上の質問に答えるようにトレーニングされたAIアシスタント。市場調査のインサイトを調査する質問のコンテキストを理解するように特別にトレーニングされている。DeepSightsは、Microsoft Teamsなどの標準的なアプリケーションに組み込むことが可能。

 

製品内容

  • ai(大手マーケットプレイスにおいて実用的なインサイトを提供し、パフォーマンスを最適化するクラウド型ソフトウェアプラットフォーム:米国)は、Walmartマーケットプレイス最適化システムにChatGPTを統合。ChatGPTは、最適化されたWalmart製品ページに関する同社のナレッジベースを使用してコンテンツを生成し、販売者が視認性、エンゲージメント、およびコンバージョンを改善できるようにする。

 

  • Salsify(コアコマース機能を統合し、ブランドのデジタルシェルフでの成功を支援:米国)の PXM(製品エクスペリエンス管理)を活用したOpenAI Acceleratorは、同社のコマース・エクスペリエンス・プラットフォームの一部である。ジェネレーティブAIを使用して、製品カタログ全体にわたる製品コンテンツの作成を高速化する。

 

広告の最適化

  • Baidu(検索エンジン提供企業:中国)のAI統合マーケティングプラットフォームMediaGo は、さまざまなシナリオやデータの変化に基づき、配信モード、広告配信戦略、アルゴリズムの最適化を自動的に調整。過去のデータとリアルタイムのデータの両方を分析してユーザーの行動を予測し、高精度で効率的な広告を実現する。

 

  • ChannelMix AI(マーケティング分析ソリューション提供企業:米国)は、テレビ、ソーシャルメディア、メールマーケティング、検索エンジンマーケティング、ダイレクトメールなど、複数のチャネルのデータをリアルタイムで分析し、最適なメディアミックスと予算を予測するシナリオを提供する。

 

 

※当記事は米国メディア「MarTech」の3/23公開の記事を翻訳・補足したものです。