ドイツを拠点に展開するファッションeコマース大手Zalandoの利払い前利益が、昨年に比べて半分以上減少した。同プラットフォームの昨年の売上高は、2021年の34%増に対し、3%とわずかに増加した。厳しい1年を経て、同ファッション大手は、2023年に収益が縮小する可能性があると予測している。

 

Zalandoは3月7日、年次財務数値を発表した。同社は、パンデミック後の景気減速により、数百人の雇用を削減すると発表したばかりだ。さらに、このeコマースプラットフォームは今夏、マーチャント向け手数料を引き上げる予定だ。

 

EBITDAが半分以下に減少

この一年で、ZalandoのEBIT(調整後利払い税前利益) は1億8,460万ユーロにまで減少した。これは、前年の4億6,840万ユーロと比較して60%減となる。売上総利益は1,680万ユーロに落ち込んだ。これは、莫大な数字を記録した2021年の2億3,450万ユーロとは対照的である。

 

売上高は3%増加

「バスケットサイズは低迷しているが、注文数は増加した」

AVL(Above the line/メディア広告施策)においては、ZalandoのGMV(流通取引総額)は147億ユーロとわずか3.2%の微増。同プラットフォームの収益は103億ユーロにまで落ち込んでいる。これは、前年比0.1%の微減である。

一方、Zalandoの顧客ベース(リピート顧客層)は4,800万人から5,100万人に増加。平均バスケットサイズ(トランザクションごとに購入された商品の増減を表す指標)は小さいものの、2022年の注文数も増加した。

 

2023年に縮小の可能性

「中期的には2桁成長に回帰するだろう」

 何年にもわたり成長を続けてきたZalandoの数字は、パンデミック後に打撃を受けることとなった。2023年には最大でも4%の成長、または1%の縮小をも見込んでいる。同ファッション小売業者は、ロイヤルティプログラムであるZalando Plusの顧客拡大に注力するとしている。Zalando Plusの顧客は、平均的なユーザーの3倍の金額を費やしているのだ。

 

「私たちの長期的な野望は変わらない」と共同CEOのRobert Gentz氏。「中期的には、2桁の取引量増加に回帰すると確信している」。

 

※当記事は欧州メディア「Ecommerce News Europe」の3/7公開の記事を翻訳・補足したものです。