今年のブラックフライデー(11月27日)は、過去最大のオンラインショッピングの日となった。そして、サイバーマンデー(11月30日)は、それを越えるかもしれない。

 

先月、一部の業界専門家に、経済の不確実性やオンラインショッピングの快適性の向上がこのホリデーシーズンのトップ記事になるかどうかを尋ねた。オンラインショッピングの統計数値が急上昇していることから、答えは出たようだ。しかし、対面式実店舗への来店数は、2019年と比較して50%以上減少している。

 

10月、米国のソフトウェア会社AdobeのDigital InsightsのディレクターであるTaylor Schreine氏は、インタビューで次のように語っている。「何が起こるかを正確に予測することは非常に困難だ。私の頭の中で最大の問題は、個人の雇用と可処分所得の状況がどれほど悪化するかということである」。

 

ブラックフライデーに発表されたリリースで、Schreiner氏は次のように述べている。「今年、消費者ショッピングのオフラインからオンラインへの移行が継続し、力強い成長が見られる。従来のブラックフライデーでよく購入されていた新しいコンソール、電話、スマートデバイス、テレビなどの従来のブラックフライデーでよく購入されていた商品だけでなく、以前は店頭購入していた食料品、衣服、アルコールなどのブラックフライデーではあまりに購入されなかった商品がオンラインショッピングカートに入っている」。

(この記事に出てくるデータは、米国のWebサイトへの約1兆回の訪問に関するAdobeの分析に基づいている。)

 

感謝祭の記録 

今年の感謝祭の日には、オンライン販売が前年比20%以上増加し、50億ドルを超える記録的な消費者支出を記録した。これらの取引のほぼ半分が、スマートフォンで行われた。これも、もう1つの記録と言える。また調査データは、オンライン購入のカーブサイドピックアップを提供している小売業者のコンバージョン率が大幅に向上していることも示している。これには、迅速で安価な配送を提供することがますます困難になっていることが背景となっている。

 

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ブラックフライデーも同様 

感謝祭の翌日であるブラックフライデーも記録が破られ、オンライン販売は、前年比で同様に増加した(21.6%)。消費者は約90億ドルを費やし、米国の歴史上2番目に大きなオンラインの出費日となり、その40%は、スマートフォン経由で支出された。

ある統計では、Small Business Saturday (11月28日(土)/中小規模、地元小売業者のセールイベント)に大きな期待を抱いていた。金曜日の小企業の売上高は10月の通常日と比較して500%超増加し、土曜日の収益は、同比較でほぼ300%増加した。

 

サイバーマンデーの結果はどうなる? 

Adobeは、サイバーマンデーが米国史上最大のオンラインショッピングの日となり、消費者支出は108億ドルから127億ドルに達すると予測している。

 

留意すべき理由 

多くの消費者は、健康面と経済の危機が継続、もしくは悪化しそうな状況においても、オンラインショッピングを取り入れ続けているように見える。これらの数字は、今年のeコマースエクスペリエンスに多額の投資を行ったブランドと、新しいeコマースイニシアティブを開始したブランドが構築した知恵を明確にしている。しかし残念なことに、調査結果の数値はK字型回復とも言え、一部の消費者による支出の増加は、決して全体の繁栄を示しているわけではない。

 

※当記事は米国メディア「Marketing Land」の11/30公開の記事を翻訳・補足したものです。