企業がどの程度の新型コロナウイルスの影響を受けているかにかかわらず、顧客は、現在危機と戦っている。企業は、彼らの生活における自社の役割を変化させる必要があるのだ。

 

現在、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、経済は不況下にあり、この状況の終わりはまだ見えてこない。我々は、不確実で恐ろしい毎日を過ごしていることは間違いない。そして、”当たり前”だと思うことは、一日、あるいは一時間単位で変化しており、多くのマーケティング担当者がその変化に対応しようと懸命に取り組んでいる。

決まった戦略はないのだ。

企業が、どの程度新型コロナウイルスによる影響を受けているかにかかわらず、その全ての混乱は、変化をもって対応する必要があるだろう。顧客は間違いなくなんらかの影響を受けており、彼らの生活における企業の役割をそれに適応させる必要がある。現時点で今の状況を最大限に活用するアイデアを紹介しよう。

 

全てのブランド向けのアドバイス

・長期的な戦略を維持しながら、短期的には迅速に動く

現時点では、通常のキャンペーンを中止するか、メッセージやオファーを修正する必要がある。しかし、この状況がいつまで続くかわからないので、長期的戦略にすぐ戻れるよう準備しておく必要もある。上記を行ってすぐ、ほんの数か月で通常に近い状態に戻る可能性もあるのだ。元々の事業計画に戻す準備をしておかなければならない。

 

・随時、自分が「何をしているのか」を社内で共有する

マーケティングの多くが変化するので、新しい計画や実行しているマーケティングについて必ず社内で共有することが大切だ。マーケティングは、特に今後数週間の間に精査されるので、透明性を保ち、難局にどううまく対処するか、そのために何をしているかを共有すべきである。

 

・メッセージやコミュニケーションの流れをチェックする

今のコミュニケーションの流れやメッセージが、現状と関連性があるか、そして適切であるかを確認すること。状況に合っていて、正確な状況を届けられるように、企業メッセージは一時的に変更する必要がある。

 

減速しているブランド向けのアドバイス

現在の状況のせいで多くのビジネスを失っている企業の場合、今が本当に困難な状況にあることはよくわかる。乗り越えるのは簡単なことではない。ビジネスを継続するためのキャッシュフローがあり、スタッフが確保できる場合、この時間を最大限に活用するためにできることがいくつかある。

 

・プロジェクトに焦点を合わせる

プライベートの余った時間を、家庭のプロジェクトを充てるように、仕事でも空いている時間を同じように使うことができる。ウェブサイトを再構築したり、クリエイティブを新しくしたりする時かもしれない。状況が落ち着いて、再び効率よく働けるようになったときに最適化できるようにするには、テックスタック(複数のテクノロジーを組み合わせて活用する)の更新が必要になるかもしれない。新しいスキルをレベルアップする必要があるチームもあるだろう。活動が再開すると、マーケティングはさらに忙しくなるので、この時間を賢く使って整理しておこう。

 

・顧客とのつながりは維持するが、コミュニケーションを取りすぎない

自社の中心となる製品やサービスが、現在の状況ではそれほど役に立たない場合、顧客とのコミュニケーションの頻度をかなり減らすべきだ。多くの人が自宅待機していて、収束する日を心待ちにしている現状では、エディトリアル・コンテンツ的なものがあるなら、今こそそれを利用するべきである。例えば、休暇用のパッケージとして売ろうとしない、特定の都市の旅コンテンツなどだ。

 

・ロイヤルティと誕生日のオファーを拡張、延長する

自由に出歩ける状況になったら、ロイヤルティポイントや誕生日特典のオファーを確実に行おう。自宅待機や隔離など所定の場所に避難している間に、上記が期限切れにならないようにしてほしい。店頭でしか利用できないオファーは、自宅で楽しみたい顧客のために、オンラインでも利用できるようにする。

 

平常時より忙しくなったブランドに対するアドバイス

目下、高需要の企業は、どうにか需要に応えていくことに専念する時間以外はほとんどないだろう。以下の2つだけを推奨する。

 

・顧客に対し、見込みを伝える

配送の遅延、在庫が限定される商品、コンタクトセンターや店舗の営業時間の短縮などサービスの変更について、コミュニケーションをとる。

 

・人材の採用を手伝う

マーケティング担当者は採用活動に活かせる特別なスキルを持っているので、採用マネージャーの採用や、オンボーディングフローの最適化をサポートすることができるだろう。これはマーケティングにとって重要な活動に思えないかもしれないが、顧客エクスペリエンスの崩壊を最小限にするために重要な役割を果たすことは、ブランドのロイヤルティと長期的な支持者を築くのに役立つ。

 

この困難な時期にベストを尽くしてほしい。どんな状況にいるにせよ、厳しいことに変わりはない。健康を維持し、この状況を乗り越えたいものだ。

 

※当記事は米国メディア「Marketing Land」の4/2公開の記事を翻訳・補足したものです。