eメール戦略を再考するには、デリバビリティ(到達率)を向上させる要素を組み込み、eメール購読者のエンゲージメント強化のために最適化することが必要である。
管理設定された受信トレイに到達することは、より多くのマーケティングリソースを含む多層のプロセスであり、これまでよりもはるかに難しくなっている。悪意のあるeメールが増加したおかげで、インターネットサービスプロバイダー(ISP)がeメールのセキュリティを強化してきたからだ。
エンゲージメント強化のためには、サブスクライバー(定期的な案内のメール受信を許可しているユーザー)との信頼関係を確立することによって、ISPからの評価を上げることが重要だ。そのためには、Managed Inbox Optimization(MIO)が必要である。Managed Inbox Optimizationとは、積極的にデリバビリティを管理するプラクティスのこと。サブスクライバー・エンゲージメント強化のためにeメールの内容を最適化し、その結果を分析し、サブスクライバーやISPとの関係を維持、向上させ、確実にメールが受信トレイに到達するようにするのである。
ISPや他のサービスはサブスクライバーの受信トレイを管理している
ISPは、自社ネットワークを保護するため、スパム業者による新手の戦術と脅威に対応している。そして、その絶え間なく進化する対応方法に、マーケッターは頭を抱えている。それは、常に変化するアルゴリズムによって、画像やキーワードに“悪意のあるコンテンツ”としてフラグを立てられ、eメールがターゲットの受信トレイに届くことを阻止されてしまうからだ。
今やユーザーは、第三者のアプリケーションによって、自分の受信トレイの優先順位付けを自動化できる。また、Brand Indicators for Messaging Identification(BIMI)のようなeメールユーザーを支援するための新たな基準やプラクティスが開発中であり、マーケターにとっては、送信したメッセージが確実にサブスクライバーに届くためにこれまで以上に深く関与する必要性が生じている。
MIOはeメールマーケティングによい結果をもたらす
Managed Inbox Optimizationは、受信トレイへの確実なメール送信を目的とした、エンゲージメントの高いメール作成のための全ての要素デリバビリティに関する専門知識を組み込んでいる、マーケターにとって唯一の戦略である。英国のeメールマーケティング会社e-Focus Marketingのオーナー兼ディレクターであり、「E-telligence:Email marketing isn’t dead, the way you’re using it is」の著者でもあるKate Barrett氏は以下のように述べている。
「今日のデリバビリティの状況において、これらの要素は密接に関連している。つまり、ポジティブなエンゲージメントを促進することは、受信トレイの到達率を高めるということだ。もしも問題が生じてからその解決に取り組もうとしているのなら、すでに二番手にいるということである。競争に勝つためには、eメールマーケティングを積極的に評価、改善して成果をあげる必要があるだろう」。
同氏はまた、「eメールマーケティングにおいて、管理設定された受信トレイへの適切なアプローチがなければ、一通のeメールを作成し、実際にそれを発信するために費やす時間と労力はすべて無駄になる。サブスクライバーは、あなたが発信したeメールを見ることはないからである!受信トレイに、eメールを到達させ、そして、サブスクライバーに開封させ、行動を起こさせるチャンスを最大化することが非常に重要なのだ」と語った。
マーケターは自身のeメールプログラムの状態を知る必要がある
Managed Inbox Optimizationを始めるには、eメールマーケティングプログラムを総合的に見てみることだ。あなたのeメールメトリクス、サブスクライバーリストおよびセグメンテーション・プラクティスを評価してみる。メトリクスを見ることは、どこに改善の余地があるかを理解するのに役立つだろう。ISPとの関係に関しては特にそうだ。
Barrett氏はまた、以下の通り述べている。「eメールの受信トレイへの到達率に関して自社が現在置かれている状況と、到達率にプラスとマイナスの影響を与えている要因を、実際に理解することが重要だ。今自分がどこにいるかが分からなければ、今後、注意が必要な分野を特定しようとしながら、盲目のままで飛行していることになるからである」。
※当記事は米国メディア「Marketing Land」の8/1公開の記事を翻訳・補足したものです。