「スタートアップの90%が起業後120日以内に失敗する」というのは、よく知られた”統計”である。しかし、このように始動したてのeコマース会社がそれほど短期間で失敗に至る理由は何だろうか。eコマースのスタートアップが失敗する原因のトップ10を見てみよう。

 

スタートアップの90%が設立後120日以内で失敗するというのは有名な見解かもしれないが、そもそもこれを裏付ける確固たる証拠はない。実のところ、European Commission(欧州委員会)の統計では、EU内においておよそ81%の会社が設立初年を生き延びていることが示されている

 

なぜeコマース会社は失敗するのか?

とはいえ、最初の一年間さえ存続できないeコマース会社はいくつもある。それはなぜか?デジタルマーケティングエージェンシーのMarketingsignalsは、eコマースのスタートアップが失敗するトップ10の原因を突き止めるべく、イギリスで失敗したスタートアップのオーナー1,253人を対象に調査を実施し、結果を分析した。

 

最も重要な原因は、オンラインマーケティングが不十分な点と考えられる。検索エンジンのランキングで上位に表示されないという視認性の欠如もまた一因だ。調査対象会社の37%は、自社の失敗は、競争力の欠如、配送問題、そして、オンラインマーケティングに起因するだろうとのこと。そして35%は、自社がオンラインでの露出を十分に達成できず、視認性がなかった点が失敗につながったと回答した。

 

多くのeコマースのスタートアップにとって「資金不足」が重要な問題

前述の項目とほぼ同数の回答者は、オンラインで販売しようとした商品やサービスの市場がほとんどなかったためにeコマースビジネスが失敗したと回答。そして32%は、会社が存続できなかった非常に重要な理由が「資金不足」であったという。

 

「提供しようとする商品の市場があることを確認せよ」

MaketingsignalsのマネージングディレクターであるGareth Hoyle氏によれば、オンラインプレゼンスを持ち、Google等の検索エンジンで視認性を有することは、成功したいと考えるeコマースのスタートアップにとって注力すべき重要な分野であるとのこと。「ビジネスオーナーは、事業を始める前にしかるべき準備をしっかり行っておくことが非常に重要だ。これには、検索エンジンにおける安定した視認性やオンラインマーケティング戦略のみならず、そもそも自社製品の市場があるかどうかの確認も含まれる」。

 

以下は、eコマースのスタートアップが失敗したトップ10の原因である:

 

※当記事は欧州メディア「Ecommerce News Europe」の7/22公開の記事を翻訳・補足したものです。