昨年の広告市場規模が4億7,900万ドルであった米国のPodcast、2012年には10億ドルを超えると予測されている。

オンライン広告の動向調査や法整備を行うIAB 社と、会計監査、ビジネスコンサルティングなどを総合的に手掛けるPwC社の調査によると、2018年、米国の広告出稿主はPodcast広告に対し、前年同期の3億1,400万ドルから53%増となる史上最高額、4億7,900万ドルを費やしたとされる。同レポートではさらに、米国内におけるPodcast市場の総収益は、2021年までに倍増し、10億ドルに達すると予測されている。

 

PwCの2018 Podcast広告収入研究

 

なぜ関心をもつべきなのか

Podcastを聞いたことがあるという12歳以上の米国人は51%。そして22%は一週間以内に聞いたと答えた。リスナーのうち78%は、ブランドによるスポンサーシップは気にしないと答えている。Podcastは、スマートスピーカーや自動車に組み込まれたオーディオ優先のテクノロジーと組み合わせることで、何百万人もの潜在的な顧客に向けたマーケティングプラットフォームとして機能すると広告主は認識し始めている。

 

また、このレポートでは、すべてのPodcast広告のうち、トラッキングしたダイレクトレスポンス広告(広告媒体を通して、最終的には直接消費者からの電話注文やハガキの返送等により商品やサービスを販売するマーケティング手法)の割合が、2016年の73%に対し、昨年は51.6%まで減少している。この減少時期は、ブランデッドコンテンツキャンペーンや、ブランド認知度向上を目的とする広告が出現した時期と一致しており、Podcastは、固有のコードやURLによるトラッキングを必要としないキャンペーンにおいては、より効果的な広告媒体といえる。

 

さらにレポートからわかること

・広告収入の半分以上は、消費者に対して直接商品やサービスを販売するD2C(Direct to Consumer)小売業者(22%)、金融サービスプロバイダー(21%)、そして企業対企業で取引が行われるB2B(Business to Business)(14%)の広告バイヤーからのもの。

・2018年に配信されたPodcast広告は、固定の広告があらかじめ埋め込まれているタイプが大部分(51.2%)を占めていたが、ダイナミック広告挿入型も2017年の41.7%から48.8%に増加した。

・Podcastのホストによって配信された広告は、広告タイプのおおよそ3分の2を占めており、Potcastコンテンツ制作段階であらかじめ埋め込まれ提供された広告よりも好まれている。

・2018年においては、1,000視聴あたりの広告費設定が依然として主要な価格モデルであり、コンバージョン1件あたりの広告費設定は、もはや重要ではなくなった。

 

 

※当記事は英国メディア「Marketing Land」の6/3公開の記事を翻訳・補足したものです。