北欧諸国のほぼ半数のオンライン小売業者は、北欧市場へのAmazonの進出を「脅威」だと捉えている。一方で4分の1強のeコマース事業者は、それを「好機」だと捉えているようだ。Amazonの北欧進出により、地元小売業者は、Amazonが確立した「マーケットプレイス」を利用し、より多くの顧客に自社製品を売ることが可能になる。

 

これは市場調査機関WBR Insights行ったeTail Nordic 2018 の調査結果によるもの。調査では、北欧諸国eコマース100社の役員クラスが対象となり、質問の中には、「現在Amazonがまさに北欧諸国に進出しようとしているが、それが自社のビジネスにどのようなインパクトを与えるか」というものもあった。

 

これに対し、およそ半数(46%)は「Amazonが業界を混乱させ、非現実的な基準を打ち立てるだろう」という否定的な回答をした。 また28%は、「北欧へのAmazon進出により、深刻な影響を受けるだろう」と回答。一方で、残りの26%は「既に確立されたAmazonマーケットプレイスを利用できる良い機会である」と前向きな回答を示したという。

 

Amazonと戦うのではなく、協調すべき

北欧のIT企業Ateaのデジタル開発者であるAllan Bo Christiansen氏は、今回の調査結果を非常に懸念している。「北欧のeコマース事業者は、Amazonと敵対するというよりはむしろ協調していくべきある。Googleが参入してきた時と同じように、私たちは顧客の期待に応えるために、サプライチェーンを見直し、最適化すべきなのだ。そして、顧客の購買意思がピークに達したときに、適切な場所で顧客と接点を持つためのソリューションを見出す必要がある」。

 

スイスのスポーツ用品販売企業Intersport Groupのeコマース部門のトップであるPeter Hvidberg氏は、「もし北欧の消費者がGoogleで検索するのをやめて、Amazonだけを利用するようになったら、我々は、そのための新たなビジネスモデルを見出す必要があるだろう」。

「Intersportは46カ国に6,000店舗を展開しており、確固たるプラットフォームを持ち、サプライヤーからの強いコミットメントを得ている。我々にとっては、Amazonは脅威にならない。Amazonが最大の脅威となるのは、小規模企業に対してであろう」と語った。

 

※当記事は欧州メディア「Ecommerce News Europe」の7/23の記事を翻訳・補足したものです。