株式会社ジャストシステムはマーケティングリサーチキャンプにおいて、「動画&動画広告 月次定点調査(2018年6月度)」を公開。動画広告に特に興味を持たない人が最も多いほか、動画専用SNSではYouTubeが圧倒的に利用されており、約7割強の人がスキップ可能型の動画広告を見ていることが判明した。

 

動画広告を「見かけても視聴しない」人が増加傾向に

動画広告の視聴状況に関して、1年前と比べて「動画広告を見かけて自らの意思で一定時間視聴した」人は減少傾向にあった。性別、年齢に関係なく、動画広告を見かけても視聴はしないという人が最も多かった。

また、動画広告のエンゲージ状況に関して動画タイプごとに、質問をしたところ、最も購買やクリックなど何らかの行動に繋がった動画タイプは、インターネットのページの左右などバナー形式で表示されるもの(8.4%)であり、2018年4月度の同調査と同様の結果であった。

 

<参考>

動画広告はテレビCMよりも不快感を持つ人が多い

 

全てのタイプに共通して「動画広告を見かけたが特に興味は持たなかった」という回答が4割~6割で最も回答が多いものの、「何らか行動に繋がった」という回答は一年前と比べて増加傾向がみられた。

また、動画を投稿したり、視聴したりできる動画専用SNSの利用状況に関して、YouTubeの認知度が81.1%とずば抜けて高く、それ以外はいずれも半数以下にとどまった。

 

YouTubeの動画広告、多くの人が閲覧するが広告対象への印象にあまり関与しない

YouTubeの動画広告の閲覧状況に注目してみよう。まず、YouTubeで動画再生前や再生途中・後に表示され、5秒待つとスキップできる動画広告、スキップできない動画広告、スキップできないが6秒以下の短い動画広告のそれぞれに関する閲覧状況に関して尋ねたところ、過半数以上の人が全てのタイプの動画を閲覧した経験があり、特に「5秒待つとスキップできる」タイプの動画広告は約50%の人が「よく見かける」と回答した。

約7割強の人見たことがある「5秒待つとスキップできる動画広告」。動画広告視聴後の行動について尋ねたところ、動画広告をきっかけに商品、サービスの検索をしたという回答は約1割程度であり、「動画広告を5秒でスキップしなかったことがある(38.1%)」「最後まで動画広告を見たことがある(35.0%)」という回答が多かった。

また、「動画広告をきっかけにそのブランドに良い印象を抱くか」という問いに関しては、「あてはまる」と「ややあてはまる」を合わせて2割弱に留まり、「あまりあてはまらない」「あてはあまらない」合わせて5割程度で、10代以外の年代で「あてはまらない」という回答が最も多かった。逆に、「動画広告をきっかけにそのブランドに悪い印象を抱くか」という問いに対しては「どちらともいえない」という人が全体の32.0%であり、「あてはまらない(23.1%)」「ややあてはまる(15.9%)」が続いている。

動画広告に対して、特別良い印象を抱くこともないが、悪い印象を持つわけでもないということが伺えるが、同様に「動画広告を見た後、そのブランドに興味を抱くことがあるか」「動画広告をきっかけにそのブランドのことを他の人に紹介することがあるか」質問したところ、どちらの回答も「あてはまらない」が最も多かった。

2014年12月の回答と比較すると大きな変化はないものの、動画広告をきっかけにそのブランドに興味を抱かないと(あてはまらない)という回答が増加していることがわかる。

 

調査結果より、最も購買やクリックなど何らかの行動に繋がった動画タイプは、インターネットのページの左右などバナー形式で表示されるもので、動画広告全体では、「何らかの行動に繋がった」という回答が1年前よりも微増していた。一方、YouTubeのスキップ可能型広告に関しては、2014年と比べて動画広告からあまり影響を受けないという人が増加したことが分かる。既に動画広告は目新しいものではなくなっており、何かしらのインパクトが必要な事に間違いはないだろう。