世界のEC市場は依然として拡大傾向、越境EC市場規模は2020年に1兆ドルに迫る | EC業界ニュース・まとめ・コラム「eコマースコンバージョンラボ」
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越境EC
2018/07/12

世界のEC市場は依然として拡大傾向、越境EC市場規模は2020年に1兆ドルに迫る

経済産業省通商白書2018を公開。世界各国でEC市場の拡大傾向がみられ、今後も年平均14.9%の成長率で拡大し2026年には約9.7兆ドルにまで拡大すると推計。また、各国のEC市場拡大に呼応した越境EC市場の成長も見られ、携帯電話の普及やオンライン決済方法の多様化も成長を促進させているが、日本や韓国といった物理的な店舗網が充実している国ではEC利用者数は他の上位国に比べて相対的に少ないという事情が考慮されている。

 

EC市場規模、2026年には約9.7兆ドルに拡大か

2016年における世界のBtoC EC市場規模は、対前年比122%の約2.4兆ドルとなった。今後も年平均14.9%の成長率で拡大し、2026年には約9.7兆ドルにまで拡大すると推計されている。

地域別にみると、2016年時点でアジア太平洋が世界最大のEC市場規模を誇り、中でも中国は世界全体の4割を占める世界最大のEC市場国となっている。中国の成長率は2位のアメリカと比べても高く、今後も世界のEC市場を牽引するとみられる。また、人口成長の著しいインドにおいてもEC市場の急速な拡大が見込まれ、2024年には日本を抜いてアジア太平洋で第2位、世界で第4位のEC市場規模となる見込みだ。

また、各国のEC市場のポテンシャルについては、現在の世界最大の市場規模を誇る中国がEC化率においてもリードしている。これに次ぐのはイギリスや韓国。成長率でみても10%前後と安定的な成長が期待できる。また、アメリカやドイツ、日本等のその他の先進国も市場規模が大きく比較的高いEC化率であり、成長率でみても平均して5%~10%程度の成長が見込まれている。

とはいえ、注目すべきは新興国だ。市場規模こそ小さいものの、物流や通信といった社会インフラの整備が急速にすすんであり、今後高い成長を期待することができる。

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各国のEC市場拡大に呼応する越境ECの成長

各国におけるEC市場の拡大に呼応する形で越境ECの市場規模も拡大している。世界の越境EC市場規模は2014年に2,360億ドルとなり、その後も拡大を続け、2020年には9,940億ドルに上る見込みだ。また、越境EC利用者数は2014年時点では約3億人程度だが、2020年には約3倍の9億人を超える見通しとなっている。

また、西欧諸国では海外のECサイトから商品を購入する割合が50%となっており、イギリスやドイツなどEU内のECサイトに加え中国やアメリカのECサイトの利用も盛んだ。

こうした世界におけるEC市場拡大の背景には、従来パソコンを通じた取引に加えて、携帯電話の普及がある。2000年における携帯電話の保有数は、世界の人口100人当たり12台程度に過ぎなかったが、2016年には人口とほぼ同数の携帯電話が保有されている。

さらに、忘れてはならないのがオンライン決済の手段が多様化していることだ。2015年の世界におけるオンラインの決済手段はクレジットカードやデビットカードによるカード決済が42%を占めていたが、2020年にはEウォレットやその他の決済」手段がその重要性を増す見込みだ。

途上国においては銀行の店舗網が充実していない地域も多く、クレジットカードの保有が困難な所得層が多いことから銀行口座を介さない決算手段としてモバイルマネーと活用が進んでいる。特に、サブサハラアフリカ地域では、携帯電話の普及に伴ってモバイルマネーが代表的な決算手段となりつつあり、モバイルマネーの口座保有率はクレジットカード保有率の4倍を超えている。

一方、中国においては銀行口座やクレジットカードと紐づけを行うことで携帯電話などで決ができるアリペイ(支付宝)Wechat Pay(微信支付)といった電子決済手段が電子商取引市場の成長を支えている。

 

物理的な店舗網が充実している日本や韓国は、EC利用者が他の上位国より少ない

UNCTADがECの環境整備の状況などに基づいて、各国・地域のBtoCのECを指標化、ランキング形式で公表している。上記のランキングのトップ10は高所得国が占めており、インターネット利用率、口座保有率、サーバーの設置台数、郵便配達信頼度の各分野においてほぼすべての国が9割以上の達成率を実現している。

実際に上位にランキングされている国は総じてオンラインショッピングの利用率が高いことが伺える。

一方、物理的な店舗網が充実している日本や韓国においては、オンラインショッピングの利用者数は他の上位国に比べて相対的に少ないという事情も伺われる。また、ランキングを途上国に絞った場合、韓国、香港、シンガポール、マレーシア、タイといったアジア諸国が上位を占めているが、途上国ではまだオンラインショッピングの普及率は低水準にとどまっており取引の信頼性の確保など課題があると考えられる。

なお、世界におけるオンラインショッピングを商材別に見入ると、世界平均で半数以上(55%)の人が衣類などのファッション関連製品についてオンラインでの購入を行ったことがあると回答しており、書籍・音楽・文具(43%)の購入も多い。食品などの非耐久消費財に関しては、保存期間が短いことからオンラインでの購入が敬遠される傾向にあるものの、韓国やイギリスでは37%の人が生鮮食品の購入実績があると回答している。

なお、現在は取引が少ない分野においても、今後の電子商取引市場の成熟によって取引規模が拡大する可能性があると指摘する。

 

今回の通商白書2018から、EC市場の規模はますます拡大していくとがわかる。同時に越境ECの成長についても指摘されており、国内のみならず、海外向けにECサイト展開するのがメジャーになる日が来るかもしれない。