米EC大手Amazonは、米国のチケット販売会社大手Ticketmasterが確固たる支配力を握るチケット販売業界に風穴を開けるべく、米国内のイベント会社と交渉していると伝えられている。

このロイター通信が伝えた情報によると、AmazonはTicketmasterと提携を試み交渉してきたが顧客データの管理をどこが行うかという問題で折り合いがつかず、提携には至らなかったという。その結果、Amazonは単独でチケット販売業に進出することに決めたのだ。

Ticketmasterは米国において数多くの主要なイベント会場でのチケットの販売を独占的に行っているため、イベント会社と強固な関係を結んでいる。そこにAmazonが割って入り、新たな販売ルートを確立すべくイベント会社を説得するのは一筋縄ではいかないだろう。Amazonはこの提案の懐柔策として、イベント会社に対しスポンサー料として数百万ドル相当のオファーをしているとのこと。

また他の情報によると、少なくともAmazonはあるスポーツリーグのチケット再販事業の話をもちかけるべく、eBay子会社のチケット再販サイトStubHubのような会社にアプローチしているとも言われている。

英国において、自社のチケットオンライン販売会社Amazon Ticketsを通じたコンサートや、ウエストエンドでのショーのチケットオンライン販売で成功を収めているAmazon。いくつかのイベントにおいては、Ticketmasterの売り上げを超えている。英国では通常各イベント会場で複数のチケット供給業者が参入しているため、米国とは事情が異なるのだが。

 

※当記事は「Mobile Marketing Magazine」の8/11公開の記事を翻訳・補足したものです。