2017年から2022年にかけて、リテールバンク(小口金融機関)窓口への来店数は36%へ下落する一方、より多くの人々がスマートフォンのネットバンキングアプリや、安全かつレスポンスが早い銀行サイトを利用するようになると見られている。同期間のモバイル決済利用率は121%まで上昇する模様。

このデータは業界アナリストCACIの報告書によるものだ。2022年には一般的な利用者が年間に銀行支店に来店する回数が4回まで減少、デスクトップバンキング(デスクトップ端末を利用する銀行決済)も縮小し、モバイルバンキングが最も一般的な決済方法になると予測する。

ATM登場から50年を迎えた週に発表されたこの報告書は、この50年間にテクノロジーが銀行業界に与えた影響を明らかにしている。テクノロジーの発展により、銀行業界は、ここ2年以内に発表された報告書の予測を上回るスピードで変化している。デスクトップバンキングは、今後5年間で63%下落するとみられる。

銀行窓口への来店回数は減少するが、銀行窓口を利用する顧客割合はほぼ変化しないだろう。特に高齢層は、自己の財産を管理する上で銀行支店が重要な役割を担うと考えるため、依然として銀行窓口を利用するとみられる。

CACIのアソシエイトパートナーであるJamie Morawiec氏は「各銀行が次々と自社アプリに新機能を追加しているように、モバイルバンキングは、その迅速さと利便性によって広く普及している。全顧客にとって利用価値のあるモバイルバンキングサービスを提供するためには、どの顧客がどのように利用しているのかを理解することが鍵となる」と言う。

「しかし、2022年においても英国人口の過半数が銀行支店を利用するという予測は、銀行窓口がまだ重要な役割を担い続けているということを意味する。銀行や金融機関の支店は、適切なサービスを提供し続け、顧客のデジタル取引をサポートし、銀行窓口を利用する顧客の特定のニーズに答えなければならない」とも述べている。

同報告書によると、モバイルバンキングへの移行はすべての顧客層において同じスピードで起こるわけではない。今後数年間は“これまで銀行窓口に頼っていたがようやくモバイルバンキングを始めようとしている”顧客層の移行率が最も高いだろう。

高齢または低所得顧客層におけるモバイルバンキング利用者数は今後5年間で5倍になり、2022年までには50歳以上の利用者が全モバイルバンキングログイン数のほぼ3分の1を占めることになるだろう。

 

※当記事は英国メディア「Mobile Marketing Magazine」の6/28公開の記事を翻訳・補足したものです。