日本郵便は6月20日から、急成長するフリマアプリやオークションサイトと連携し、個人間取引(C2C)に特化した新たな配送サービスを開始する。

e発送サービス」と呼ばれるこの新たなシステムでは、送り状への手書きの記載が省略されるほか、料金の決済がC2Cサービス上で完了できることなど、消費者の多様な配送ニーズに応える具体策が盛り込まれている。

物流業界ではヤマトが既に対応しているC2C向けのサービスを遅れること2年~1年半で追随した格好だ。

 

送料が安くなり、配送プロセスが簡略化される

e発送サービス」の対象となるのは、「ゆうパック」と「ゆうパケット」を利用した配送。配送料は各C2Cサービス運営者(下図ではECサイトと記載)が一部を負担し、独自の配送料金を設定するため、消費者は割安で利用できる。また、料金決済はECサイト上で完結するため、配送料金を現金で支払う必要はない。

また、日本郵便は送り状発行用端末「ゆうプリタッチ」を開発し、発送者が手書きで送り状を書く手間を省くサービスも提供する。各C2Cサービスが発行したQRコードをかざすことで、自動的に送り状を印刷することができる仕組みだ。この「ゆうプリタッチ」は約1,000局の郵便局に設置されるほか、ローソンの店頭端末「Loppi」などでも送り状の発行・差出が可能となる。「ゆうプリタッチ」設置郵便局は年内に約5,000局に拡大される予定だ。

 

 

5つのC2Cサービスと連携する

e発送サービス」は現時点でフリマアプリの「フリル」、「メルカリ」、「モバオク!」のほか、オークションサイトの「ヤフオク!」「ラクマ」の合計5つのC2Cサービスでの導入が予定されている。各サービスにおける「e発送サービス」の導入時期や連携内容等の詳細は、それぞれのサービスサイトで発表される。

また、C2Cサービスごとに付加サービスがあり、「メルカリ」に関しては出品者と購入者がお互いに個人情報を明かさずに配送ができる「プライバシー配送」、荷物の受け取り場所をコンビニエンスストアや郵便局、宅配ロッカー「はこぽす」に指定できるサービスも提供する。

 

C2Cサービスは急速に普及している

インターネット上のフリーマーケットアプリやオークションサイトなどの個人間取引であるC2Cサービスは、スマートフォンの急速な普及や、個人間で手軽に商品の売買ができる利便性などにより、成長を遂げている。

これまで発送者の負担となっていた手書きの送り状や、配送時の配送料金の現金支払いなどの手間を省く「e発送サービス」は、事業者のシステムと連携することでユーザーの利便性向上を図っている。C2Cサービスにおける出品から配送までのプロセスが簡略化されたことにより、ますます取引の利便性は向上される。

 

<参考>

激動するフリマアプリ市場のこれまでとこれから - メルカリは世界を獲れるのか