世界的EC企業Amazonは、インドにてしのぎを削るFlipkart社に対抗するため、技術力とインフラの強化のための投資を続けている。米国に本拠地を置く同社は既に、インド市場への50億ドル規模の投資を決定。「我が社のインドチームは、顧客と販売者のために迅速に動いている。これはインドEC業界の第一歩。我々はテクノロジーとインフラへの投資を続けていく」と、Amazonの創設者兼CEOのJeff Bezos氏は語る。世界長者番付第2位の同氏は、「Amazonインドは、国内で最もアクセスが多く成長が著しいマーケットプレイス」と強調した。

2013年にインド進出を開始した世界最大規模のEC企業Amazonだが、インド市場においては、Tiger Globalの支援するFlipkart社との強烈なリーダーシップ争いを強いられている。これは、インドへの膨大な支出によってAmazon社の国際事業の損失が4倍近くの4億1,000万米ドルに膨れ上がったことが大きな原因である。

同社は消費者への迅速な配送を確実にするため、フルフィルメントセンターの設立に積極的に投資してきた。現在、インド10州に34の倉庫を保有している。

一方、バンガロールに本拠を置くFlipkart社は、中国大手インターネットサービス企業の持ち株会社Tencentや、Microsoft、およびeBayから14億ドルもの資金調達を果たし、オペレーション強化に資金を投入していく。両社の争いは今後更に激しくなっていくだろう。

Bezos氏によると、「Prime」(迅速な配達やビデオストリーミングを提供する会員サービス)の契約数を、9ヶ月前のサービススタート以来75%増やしたという。

また出店者の販売は今年既に26%上昇。同社のコンテンツをテレビ画面で楽しめる「Fire TV Stick」も発売を開始した。

Amazon社はそれでもインドへの投資を止めなかった。シアトルに本社を置く同社の売上高は23%増の357億ドル、純利益は前年同期比41%増の7億2,400万ドルとなった。

一方3月期の国際事業の営業損失は4億8100万ドル。前年同期は1億1,100万ドルであった。これらはその59%にあたる北米事業からの5億9600万ドル、10%にあたるAmazon Web Services(AWS)からの8億9000万ドルという、同四半期の営業利益に起因している。

 

※当記事はインドメディア「DNA India」の4/28公開の記事と4/28の記事を翻訳・補足したものです。