10年前、eBayは中国で失敗、各商学部の教科書などの中で失敗のビジネス事例として取り上げられるなど汚名を着せられてきていた。しかし、今年に入りeBayは中国市場に戻り、浙江省の寧波(中国有数のビジネス街)と手を組んで、越境ECビジネスの成長をサポートすることとなった。eBayは寧波と協力し、中国現地のスタッフを育て、格安の中国製品が欲しい海外消費者の需要を満たす狙いがある。
そもそも寧波は2013年11月に保税区として越境EC輸入業務をはじめ、2017年2月7日、寧波は中国第一の越境ECビジネスの模範地域として、政府の政策優遇(輸入スピード、減税)を受けることになっている。寧波は保税区として、倉庫を建て、輸入した商品を在庫しておくことができる。それによって、早めに商品を調達、配送する事ができ、およそ80%のコストを節約できる。これは、中国の消費者にとって非常に大切なポイントとなっている。なぜなら、中国の消費者は国内に多く流通している偽物ではなく、海外の品質の良い製品を求めているからである。越境ECビジネスはその需要を満たすことができる。
2016年、中国消費者は越境ECの消費額は3,827億元(約6.1兆円)、前年比25%増となっており依然として継続的に成長が見込まれている。また、大手戦略コンサルティング会社のマッキンゼーのレポートによると、50%の中国の消費者は“一番高い、一番良い”という高級ブランド品が欲しいと考えている。2016年、越境ECサイト上、化粧品、アパレル、デジタル製品などを含む韓国の高級ブランド品は222.5億元(3,560億円)も売れた。
それに対して、海外の消費者にとって、高級ブランド品より、格安の商品を購入できることは重要である。越境ECサイトで、配達時間はそれほど気にせず、安い中国製の商品を購入したいニーズは高い。そのため、安い海外通販アプリWish.comは大人気となっている。
このような中国発の海外向けの取り組みをeBayは積極的に推進するために中国に戻ってきた。これは10年間のeBayが取り組もうとして失敗した流れとは逆の流れとなっており、失敗の教訓を生かした取り組みになるのか注目される。
※当記事は中国メディア「Ebrun」の2/24公開の記事を翻訳・補足したものです