2015年 マーケティングの生命線は集客に - ECとネット広告のこれから | EC業界ニュース・まとめ・コラム「eコマースコンバージョンラボ」
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トレンド
2014/10/16

2015年 マーケティングの生命線は集客に - ECとネット広告のこれから

良いECサイトの運営には、良い集客が欠かせない。

今回はECサイトの顧客獲得方法を精査しコンバージョンを増加させるために、「集客」という観点からECマーケティングのこれまでを追い、これからのトレンドを考えていく。まずはモール型ECサイトと自社ECサイト、そして5年ごとの年代に区切りマーケティングトレンドを見ていく。

(本稿はflipdeskを提供する株式会社Socketの寄稿記事となります。また、小規模ECサイトを運営する事業者向けに書いており、独自研究を含む内容であることを前提としてください。)

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モール型ECサイト

 

モール型ECサイトとは、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどのECモールに出店したECサイトだ。

2014年現在 ECモールには、流通量1位の「楽天市場」(1997年公開)に続き、流通量第2位「Amazon.co.jp」(2000年公開)、流通量第3位「Yahoo!ショッピング」(1998年公開)などの種類がある。どれも日本を代表するECモールである。

 

モール型ECサイトのトレンド

 

モール型ECサイトのトレンド

2000年~2010年:モールの隆盛

集客力に長け、キャンペーン連動で売上を伸ばすことが容易なモール型ECサイトは、2000年~2010年ごろの長きにわたり流通量を伸ばしてきた。楽天スーパーセールやAmazonタイムセールなどに代表されるセール集客の効果は絶大で、ECモール側がセールのためにテレビCMを打つこともあり、出店者(ECサイト)は売上を大きく伸ばすことができた。

しかし年々、ECモールの出店料・手数料は増加の一途をたどっている。モール型ECサイトは、集客をモールに肩代わりしてもらうかわりに、高い手数料を払い続けてきたのである。手数料の増加が利益を逼迫し、小規模なECサイトが増え続ける手数料をペイできていないのが現状である。また、集客ノウハウや顧客情報の蓄積がほとんど得られない点も問題視されてきた。

 

<参考>

楽天と独自ドメインの店舗を運営する際の決定的に違う6つのポイント

 

2010年以前はモール中心の市場経済だったが、2014年現在は顧客獲得の観点から、自社ECサイト(独自ドメインの店舗)を持つという流れが主流になりつつある。

 

2015年:SHOPLIST(Crooz)に注目

自社ECサイトへの移行が進む中、モール型ECサイトで特筆すべきは「SHOPLIST.com」(2012年公開)である。これはファストファッションがメインのECモールで、傘下のCROOZ blogと連携し流通量・売上ともに伸ばしている。同サイトは低価格帯のアイテムを中心に掲載し値段のお手頃感を打ち出しているほか、CROOZ blogなどで活躍するモデルを起用した商品写真を掲載するなど、ECモールとしての付加価値も高いのが特徴と言える。

さらにCROOZ blog(若年層女性中心のスマホ向けブログポータル)からの集客も期待できる点がポイントである。CROOZ blogはSHOPLIST.comが対象とする潜在顧客層と合致するため、非常に親和性が高い。

今後はSHOPLIST.comのように、モール型ECサイトは高付加価値なものが今後増えていくだろう。

2015年最注目のECモール、SHOPLIST.com

 

 

自社ECサイト

 

次に自社の独自ドメインで展開するECサイト(以下自社ECサイト)について取り上げる。先にも触れたが、従来であればECモールに出店していたECサイトを、独自ドメインで展開し自社で運営しようとする動きが活発だ。

自社ECサイトには、「オーガニック検索からECサイトへの流入を増やすための動き」と、「リスティング広告によって流入を増やす動き」、2つのトレンドが存在した。後述するが、自社ECサイトにおける集客は広告がメインである。

※ Googleで「カバン」を検索すると、以下のように「検索流入」と「リスティング広告」が表示される。

Googleにて「カバン」を検索した結果

 

まずはオーガニック検索結果からの流入について取り上げる。

 

 

自社ECサイトのトレンド:オーガニック検索結果からの流入

 

オーガニック検索結果からの流入(以下検索流入)は、GoogleやYahoo!Japanなど検索エンジンからの純粋な流入を指す。検索流入はSEO対策の歴史だった。

自社ECサイトのトレンド:オーガニック検索結果からの流入

 

 

2000年~2010年:SEO時代

ユーザの入力したキーワードに対して「最も合致したECサイトである」と検索エンジンに判断してもらうため、「SEO」(検索エンジン最適化)の手法が長い時間をかけて磨かれてきた。2000年初頭には流入顧客を増やすために、ECサイトのSEOに特化したコンサルティング業者等が現れた。

いわゆる「ブラックハットSEO」が蔓延したのもこの時期である。ブラックハットSEOとは、検索エンジンに禁止されている、もしくは推奨されない手法でSEO対策する行為を指す。掲載順位が容易に上がったように見えるが、突然検索順位が下がることもある危険な手法であった。ブラックハットSEOには、以下のような手法が存在する。

ブラックハットSEOの手法
  • ワードサラダ……意味のない単語をちりばめたサイトをつくり、リンクすること
  • 隠しテキスト……ユーザに見えない形で重要なテキストをページ内に配置すること
  • クローキング……検索エンジンのクローラーに、違うページを見せること
  • キーワードスタッフィング……HTMLタグのaltやtitle属性にキーワードを詰め込むこと
  • コメントスパム……他のWebサイトへコメントを書き被リンクをもらうこと
  • 隠しリンク……ユーザから見えない形でリンクを張ること
  • 相互リンク・リンクファーム……各サイト間でリンクを張ること
  • 有料リンク……リンクを売買すること
  • 関連検索ワードの削除・操作……検索エンジンにサジェストされる言葉を操作しようとすること

<参考>
ブラックハットSEO大全(全13回)(Web担当者Forum)

ここに上げたような施策は、検索順位が下がるだけでなく検索エンジンから掲載削除されてしまうこともあるため、十分に注意したい。そのような中、ブラック、もしくはグレーな手法を使って順位を上げないと明言する、ホワイトハットSEOも登場した。

 

2015年:コンテンツマーケティングの台頭

ここ数年、検索流入を増やすための手段として「コンテンツマーケティング」が最重要視されている。たとえば弁護士・法律事務所の検索サイト、弁護士ドットコムはオウンドメディア、弁護士ドットコムニュース(2012年公開)を立ち上げ、検索流入を飛躍的に増大させることに成功した。

 

<参考>
ヤフトピ砲がガンガン飛んでくる!最強オウンドメディア「弁護士ドットコム」に聞くトピックス運営方法とは?

ECサイトでのコンテンツマーケティング成功事例厳選4選から学べること

ECサイトのメディア化によって得られる3つのメリットと3つの注意点

 

 

Twitter、FacebookなどのSNSが一般に広く認知されてきたが、コンテンツマーケティングは検索流入だけでなく、シェアによるSNS流入も見込め、まさに一石二鳥の手法だと言えるだろう。読み物に近くユーザの興味を惹きやすいコンテンツを拡充し、検索流入を増やすコンテンツマーケティングの流れは、これからも主流であり続けるだろう。

 

 

自社ECサイトのトレンド:広告からの流入

 

手数料を払えば集客してくれるモール型と違い、自社ECサイトにおける集客は広告がメインである。オーガニック検索流入も見込めない初期であれば、広告なしでは集客力がほぼゼロと言っても過言ではない。

自社ECサイトのトレンド:広告からの流入

 

 

2000年:リスティング広告の誕生

2000年前後はリスティング広告が栄えた。「リスティング広告」とは、検索エンジンでユーザが検索したワードに関連する広告を検索結果に表示する広告で、その特徴から「検索連動型広告」とも呼ばれている。2014年現在、PV1位の「Yahoo!プロモーション広告」(2004年開始)、PV2位の「GoogleAdWords」(2000年開始)で国内ほぼすべてのリスティング広告を二分している。

リスティング広告は、出稿側となるECサイトが表示をコントロールできることが検索流入との一番の違いである。広告料金さえ払えばユーザを呼び入れることができ、ECサイトの集客に大きく貢献してきた。

 

2010年:ユーザの行動にもとづく広告の登場

2010年前後はリスティング広告以外にもさまざまな広告の仕組みが登場した。

リターゲティング広告」は、一度は流入したもののコンバージョンしなかった顧客に、サイト外からさらなる流入を促す仕組みである(※ ここではコンバージョン=商品購入や会員登録などを指す)。ユーザの行動を追跡するため、「行動ターゲティング広告」とも呼ばれる。

ECサイト訪問客に対してクッキーを付与し、そのクッキーを持った状態で別の広告枠があるサイトを訪れた場合、リターゲティング用の広告を表示する。これによりコンバージョンに至らなかった顧客へ再流入を促すほか、別の商品を勧めたり会社名を覚えてもらえるなどの副次的効果もある。

DSP」(Demand-Side Platform)が登場したのもこの頃だ。DSPとは、広告出稿者(ECサイト)側のための、広告を最適なユーザに表示させる仕組みである。先述のリターゲティング広告や、オーディエンス広告(ユーザの属性を指定して広告で狙い撃ちすることができる)などを統合・自動化し、最適化しようとする試みである。リスティング広告のようにキーワードごとに細かい設定をすることなく、設定次第ではほぼ自動で最適な広告を配信でき便利である。ただし、DSPは比較的高価な利用料を支払う必要があるため、小規模なECサイトではDSPを使わず手動で個別にて出稿するほうが広告料が安くなることが多い。

DMP」(Data Management Platform)も2010年前後のトレンドだ。DMPは広告主となるECサイト側の収益を最大化するため、自社や外部のデータを管理・分析する仕組みである。DMP事業者を利用すれば、ECサイト側がデータを集めずとも、さまざまなデータを統合し管理してくれる。特に、ECサイト事業者側では多様化したインターネットユーザの趣味趣向をすべて汲み取ることはほぼ不可能であり、より効率の良い広告表示にはDMPの存在が必要不可欠となってきた。

プライベートDMP」もマーケティングトレンドの一環として取り上げなければならない。先ほどのDMPに名称が似ているが、それとはまったく別モノである。DMPは基本的に他社(DMP事業者)に管理を依頼するものだが、プライベートDMPは各企業が独自にDMPを構築することである。従来的なCRMを発展させたもの、と解釈すればわかりやすいだろう。外部のマーケティングデータを自社のデータに組込み管理することで、より良いマーケティング活動ができると考えられている。

DMP、プレイベートDMPともに、顧客を狙い撃ちすることができる有効手段ではあるが、導入にはコストがかかり、小規模なECサイトにとっては導入障壁がやや高い

 

2015年:行動ターゲティングの進化

サイト外からの流入を広告によって増やす手法がこれまでのトレンドだったが、集客の一環として、サイト内でのコンバージョンレートを上げるターゲティングSP」(ターゲティング・セールスプロモーション)という手法が登場した。

flipdesk」は一度ECサイトを訪れた顧客にクッキーを付与し、再度の訪問時クーポンを発行したりチャットでのアフターフォローを行うなどの仕組みを備えている。DMPと違い、小規模な事業者やECサイトも気軽に導入できるのが特徴である。

 

flipdesk

 

 

BASEStores.jpなどにより小規模なECサイトでも気軽に運用できる環境が整うなか、集客を最大化するための取り組みはますます進化していくだろう。

 

 

まとめ

 

今回は「集客」の観点から、おおざっぱに2000年~2015年の自社サイト・ECモールのマーケティングトレンドを概観してきた。インターネット広告は、テレビCMや新聞広告などの4マス広告などと違い、誕生当初から「最適な顧客」へ選択的に広告を表示できることが強みとされてきた。この流れはDSPやDMPの誕生により、ますます加速し最適化されてきたと言えるだろう。しかし広告が高機能化されるにつれ高価格帯のものが増え、小規模なECサイトが導入を躊躇してしまう状況にあるのも事実だ。flipdeskに代表されるようなターゲティングSPの動きには今後一層注目すべきだろう。

この記事でECマーケティングトレンドを振り返り、自社のECサイト運用体制を振り返ってみてはいかがだろうか。

 

※ 今後、「マーケティングトレンド・集客」にひきつづき「接客」「追客」についても掲載予定です。

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記事監修: 株式会社Socket 代表取締役 安藤祐輔
著者: 仁田坂淳史

編集者。雑誌編集、Webメディア立ち上げを経て、株式会社Socketでは広報を担当。
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