Adobe Analyticsによると、米国の消費者の支出額は2,414億ドルにのぼり、前年比8.7%増となった。


2024年のホリデーシーズンは、eコマースの記録破りの予測通りとなり、実際にはさらにそれを上回る結果となった。Adobe Analytics(米国のソフトウェア企業Adobeが提供するアクセス解析ツール)によると、米国の消費者は2024年11月1日から12月31日までの間にオンラインで2,414億ドルを費やし、その支出額は2023年から8.7%増加した。

ホリデーシーズン前、Adobeは、eコマースの売上高が前年比8.4%増の2,408億ドルに達すると予測していた。


インフレ 

記録的なホリデーシーズンは、価格上昇によるものではなく、堅調な消費者支出の結果であった。Adobeのデジタル価格指数(インフレを測定する指標)によると、消費者物価は27か月連続で下落しており、11月は前年比2.6%減。同指数によると、アパレルは2024年11月に前年比でおよそ8%下落した。


モバイル取引

Adobeによれば、2024年のホリデーシーズンは、これまでで最もモバイル取引が活発であったとのこと。スマートフォンを利用したオンライン購入は全体の54.5%を占めた。 

さらに、「Buy Now, Pay Later(BNPL、後払い決済)」注文の 79.1%はスマートフォンで行われた。


ホリデーシーズンのモバイル売上シェア

画像提供: Adobe


AIエージェント

Adobeによると、生成AI搭載のチャットボットによって促進された小売サイトへのトラフィックは、前年比で1,300%増加したという。

Adobeが5,000人の消費者を対象に実施した調査では、生成AI搭載アシスタントを利用した回答者10人のうち7人が、役に立ったと感じていることが明らかとなった。


上位のカテゴリー

以下の3つのカテゴリーが、eコマース全体の半分以上(54%)を占めている:

  • エレクトロニクス:553億ドル、前年比8.8%増
  • アパレル:456億ドル、前年比9.9%増
  • 家具・家庭用品:292億ドル、前年比6.8%増

eコマースで最も成長したカテゴリーは食料品で、前年比12.9%増、売上高は215億ドル。2位は化粧品で、前年比12.2%増、売上高は77億ドルとなった。


注目する理由 

売上データによると、割引がホリデーシーズンの好調な業績に貢献したことは明らかである。たとえば、最も売れたカテゴリーであるエレクトロニクスは、ピーク時に最も高い割引率の恩恵を受けており、定価から30.1%の値引きとなった。

ホリデーシーズンを超えたより広い視点でみると、消費者が割引やモバイルショッピング体験を利用して、食料品や家具といった贈り物とは関係のないカテゴリーの商品を購入していることがわかる。ホリデーシーズンの買い物客は、ホリデーシーズンだけを念頭に置いて買い物をしているわけではないため、こうした傾向は年間を通じて当てはまることになる。

ホリデーシーズンに関するAdobe Analyticsの詳細なデータについてはこちら


※当記事は米国メディア「MarTech」の1/7公開の記事を翻訳・補足したものです。