- 祝祭シーズンにおけるGMVの伸びは、eコマース企業の年間平均売上成長率の2倍
- eコマース大手の事業者は10月のディワリ祝日(ヒンドゥー教徒の新年を迎える祝祭)に多額の予算を投じたシーズンセールを発表
- eコマース企業は祝祭シーズンセールに関連する150万件以上の雇用を創出
多額の売上が期待されるディワリ・ショッピングへの準備が進められているインド。eコマース企業も祝祭シーズンの売上を最大化するために在庫の確保を進めている。Flipkart(インドのeコマース企業)とAmazonの両社は、多額の予算を投じるセールを9月29日の週にスタートすると発表した。
インドのコンサルティング会社のRedSeerによると、2018年祝祭シーズンにおけるeコマース業界のGMVは、年間全体の成長率が対前年比約35%であったのに対し、77%増を記録したという。言い換えれば、祝祭シーズン売上の伸びは、eコマースサイトの年間平均売上の倍以上ということになる。
これらの数字は、eコマース大手事業者が祝祭シーズンの準備のために行った大規模な投資を肯定するものである。9月初め、Amazonは、主に中小企業や家具職人の中心地であるラージャスターン州から160万点の商品を追加し、家具と装飾品カテゴリを拡大したと報じられた。同様にFlipkartも、オフラインエクスペリエンスを提供するFurniSureストアをオープンし、家具カテゴリを刷新している。
さらにAmazonは、大規模なオフィスや施設にキオスク実店舗を設置して、配送のピックアップ・スポットとして機能させている。同社は、期限内に大量注文に対応するため、こうしたピックアップ・ポイントの設置を決定した。
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Alibabaが支援するeコマースプレーヤーPaytm Mallは、カタログのさらなる充実化を図り、おもちゃ、収集品、ファッション、自動車アクセサリー、ギフト、装飾品など、100万点を超える商品を追加。報道によると、Paytmの小売部門は祝祭シーズンに販売商品を宣伝するために、3億インドルピーを投資予定であるとのことだ。
マーケットリサーチ会社Forresterの別の調査レポートは、eコマース企業が今年の祝祭シーズンにおいて、約48億ドルの売上を生み出すと予測。9月の初め、Flipkart GroupのCEOであるKalyan Krishnamurthy氏は、同社の売上がインド経済減速の影響を受けていないと発言している。
同様に、Amazon IndiaのトップであるAmit Agarwal 氏は、Amazonの提供サービスにおいていかなる低迷もないと発言。「当社は、現在のインドの経済低迷などの短期的状況に気を取られることなく、長期的な目標にフォーカスしている」と語った。
RedSeerのレポートは、買い物客数の大幅な増加を指摘。昨年の祝祭シーズンでは、買い物客数が5倍に跳ね上がった。そして、その大部分は、Tier 2(人口100万人以上400万人未満の都市)およびTier 3(人口50万以上100万人未満の都市)の買い物客であった。
「2018年の祝祭シーズンの売上実績は、シーズンセールが、すべてのカテゴリにおいて、顧客数の対前年比増加を実現できることを示した。特にBharat(インドのヒンドゥー社会)においては顕著である」と、RedSeer Consultingの創設者兼CEOであるAnil Kumar氏。「祝祭シーズンの大幅な成長傾向は、2019年にも継続し、オンライン小売事業者は、大規模なセールイベントに向けてかつてないほど準備万端である」。
eコマース企業もこの傾向を認識しており、サービス提供エリアをTier 2およびTier 3都市に拡大し、サービスのローカライズプロセスに取り組んでいる。Amazonは、同社ウェブサイトのカスタマーサービスにおけるヒンディー語のインターフェースをローンチ。Flipkartは、2月に(配送元の地域拡大を図る)”リーチ・プロジェクト”を開始し、Tier2およびTeir3の都市をサービス提供マップに追加した。
さらに、祝祭シーズンは、eコマース企業の雇用も急増させている。Flipkartは最近、5万人を雇用したと報告。さらに、祝祭シーズンの間接的な雇用が、昨年と比較して30%増加すると予測されている。
一方Amazon Indiaは、ムンバイ、デリー、ハイデラバード、チェンナイ、バンガロール、アーメダバード、プネ、および他の多数の都市において、9万人以上の直接的な臨時雇用機会を創出したと報告している。
※当記事はインドメディア「Inc42」の9/26公開の記事を翻訳・補足したものです。