フランスの活動家らは、欧州で急速に拡大している中国発のファストファッション大手SHEINに対する立法・規制措置を強く求めている。活動家たちは、SHEINが地球に及ぼす影響を懸念している。「2ユーロのTシャツや9ユーロのドレスの背後には、環境と人権を破壊する耐え難いオペレーティングシステムが存在する」と彼らは述べている。

このグループは政治団体「Place Publique」が主導している。フランスの経済大臣Bruno Le Maire氏に宛てた書簡の中で、彼らはSHEINによって促された過剰消費を強調している。同社が製造する合成衣類は、大量のマイクロプラスチック繊維が海洋に流れ込み、汚染を引き起こすといわれている。


マイクロプラスチック繊維は汚染の原因となる


「このモデルの繁栄を許せば、現在、世界の温室効果ガス排出量の2%を占めるファッション業界の温室効果ガス排出量は、2050年までに26%に急増する可能性がある」と、Place Publiqueは大臣宛ての書簡で述べた。


侵害と虚偽の申し立て

活動家らはまた、社会的権利の侵害、搾取的な労働条件、ウイグル人奴隷が収穫した綿花をSHEINが使用していることなども強調している。さらに、SHEINのウェブサイトにおける虚偽の主張や、インフルエンサーを操ろうとした疑惑についても言及している。

活動家らは、フランスにおいて、ただちに立法・規制措置を講じ、街頭やソーシャルネットワーク、メディアで過剰消費を促す広告やマーケティング戦略の規制を求めているという。


活動家らは即時行動を呼びかける


1日に1,000点以上の新商品をリリースするブランドのウェブサイトは、上場廃止またはブロックされるべきである。SHEINは1日あたり8,000点もの商品をリリースしていると報告されている。


欧州におけるSHEIN

昨年の夏以降、SHEINは欧州をターゲットにしている。同社は5月にダブリンに欧州本社を開設した(冒頭の写真)。同月、SHEINは、SHEINブランドのアパレルサプライヤーに加え、ローカルビジネスや国際的なサードパーティセーラーを受け入れるグローバル統合マーケットプレイスを正式に導入。Shein Marketplaceは現在、ブラジルと米国で稼働しており、欧州諸国を含む他の市場も追随する予定である。

※当記事は欧州メディア「Ecommerce News Europe」の6/12公開の記事を翻訳・補足したものです。