ラテンアメリカのドラッグストアチェーンであるRaiaDrogasilは、ブラジルの2,500店舗にロケーションベースのマーケティングテクノロジーを導入した。Cloud4Wiプラットフォームは、企業がWi-Fiネットワークを利用することで、ロケーションベースマーケティングを活用し、デジタルカスタマージャーニーにおけるオフラインギャップを埋めることができるよう設計されている。3カ月前にこのテクノロジーを導入して以来、同社は110万人の顧客登録を達成し、収益が235%増加した。

 

同プラットフォームにより、RaiaDrogasilは、顧客が店舗のゲスト用Wi-Fiネットワークに接続すると、自社のキャプティブオンボーディングポータルを提示することができる。このポータルを通じて、顧客は名前、メールアドレス、電話番号、CPF(パーソナル・トレーニング・アカウント)などの個人情報を共有し、同社のCRMプラットフォーム「Salesforce」と同期させることができる。そして、顧客がスペシャルオファーへのリンクが貼られたSMSを受信すると、それをモバイルアプリで起動し、オンラインまたは店舗で購入することができる。全てはLGPD(ブラジルのデータ保護法)に則っている。また、記録の重複を防ぎ、適切なデータハイジーン(衛生管理)を維持するために、Cloud4Wiは新規Wi-Fi契約者が新規顧客か既存顧客かをリアルタイムでチェックする機能も備えている。

 

店舗やネットでのやりとりはすべて、オンラインと店舗をつなぐ360度顧客プロファイルに記録され、顧客が両者を利用する際に、関連性が高くパーソナライズされたオファーをターゲットに提供することが可能になる。店舗に入ると、既存の顧客は自動的にゲストWi-Fiに接続され、過去の購入履歴やネットの閲覧履歴に基づいたお得な情報を受け取ることができる。

 

このキャンペーンは、導入後3カ月間で75%のSMSオプトイン率を達成し、2,200件の個人間取引を実現させた。また、SMSメッセージ1,000通あたりの平均的な収益は、390.45ブラジルレアル(6.80ポンド)だった。

 

RaiaDrogasilデジタルマーケティングマネージャーのAretha Cursino Rodrigues氏は、「キャンペーンを設計する前に、まず顧客を効果的に取り込み、データを共有してもらう仕組みが必要だと考えていた」と述べている。「また、LGPDに準拠し、顧客一人一人の同意のもとでデータ共有を行う必要があった。現在では、店舗に入ると既存の顧客は自動的にゲストWi-Fiネットワークに接続され、我々はその顧客を識別して、過去の購入履歴やオンライン閲覧履歴に基づいて最適なタイミングでお買い得情報を送信することができるようになった。また、新規顧客には、カスタマイズされたオンボーディングエクスペリエンスを提供し、同じオファーを受けることを選択できるようにした。Cloud4Wiの緊密なパートナーシップとガイダンスなしには、これを実現することはできなかっただろう」と続けた。

 

※当記事は英国メディア「Mobile Marketing Magazine」の10/25公開の記事を翻訳・補足したものです。