企業向け業務管理システム開発・提供の株式会社アイルは、年商10億円未満から100億円以上までの、700社を超える中堅・中小企業にて、受注業務を担当する734人を対象に、企業間取引における受注業務の実態を調査し、「受注業務の実態に関するアンケート調査」を公開した。その一部を紹介する。
85%以上が転記作業を伴うアナログ手段で受注し、約4割がFAXを主に利用していた。
また、FAXによる対応において、転記作業が負担になっていることがわかった。
BtoB ECの導入率は14%で、前向きに検討中が約28%と、4割以上がデジタルシフトの傾向だった。
BtoB EC導入における不安は、検討有無にかかわらず「得意先に使ってもらえるか」が最多だった。
また、単価設定や商品管理など、複雑な商習慣を懸念する声もあがった。
BtoB EC導入済み企業の4社に1社は、得意先利用率50%以上という結果になった。一方で20%以下も目立ち、得意先への利用促進の取り組み方や業種により差がある。
企業間取引のEC化により、1人あたり1日計算で、約8割が1~2時間以上業務を短縮していた。
EC化による効果は「入力作業の軽減」が最多となった。
今回の調査で、「業務のデジタル化」の重要性が高まる現在も、調査対象にあたる中堅・中小企業の85%以上に、FAX・電話などに依存した「アナログ業務」が根付いている実態が浮き彫りになった。一方で、企業間取引をECで行うBtoB EC(Web受発注システム)導入企業の約8割が、入力作業をはじめとした業務時間を削減できていることも明らかになった。業務効率に課題を感じながらも、未だ過半数がアナログな受注方法である背景には、得意先のEC利用への不安や、複雑な商習慣の懸念などがあるようである。
しかし、「企業間取引のEC化における不安」で最多の「得意先の利用」に関しては、4社に1社は得意先のEC利用率が50%以上という結果が出ている。また、単価設定や商品管理といった複雑な業務をEC化する難しさへの懸念が多く見られるが、アイルの提供するBtoBに特化した「アラジンEC」のように、コストを抑えながらカスタマイズによりEC化に対応できるケースもある。
BtoB ECが業務効率化に貢献している結果を明らかにできた一方で、BtoB EC導入済み企業における得意先のEC利用率や、2割が業務時間の削減にいたっていない結果も踏まえ、アイルは、システムベンダーがBtoB ECの可能性や活用方法を啓蒙し、サポートしていく重要性を再認識する調査結果となったとしている。