デンマークに親会社を持ち、日本国内でCMSの提供を行っているサイトコア株式会社は、ソフトバンク株式会社の子会社であるSBペイメントサービス株式会社(以下「SBPS」)のオンライン決済サービスを採用し、サイトコアのEC機能「Sitecore Experience Commerce」(以下「SXC」)を7月11日から日本で本格展開を開始した。

 

新たに展開が開始された機能「SXC」は、ECで顧客一人一人の情報に基づいたショッピング体験を演出するためのクラウドベースの「エンタープライズECプラットフォーム」だ。この「SXC」は、以下の3つの特徴がある。

①「SXC」はECサイトだけではなく、企業のコーポレートサイトとの連携も可能で、ユーザーが、サイト内でどこを閲覧しているのかを追跡、分析し、一つの動作環境で各コンテンツの顧客体験を提供することが可能。

②スマホアプリやPC、店舗内端末等から、簡単な操作のみで容易に設定が可能な店舗機能や商品情報・在庫の管理機能やカスタマイズ可能なカート機能、アカウントの作成、チェックアウト機能、ERPなどのバックオフィスシステムとの連携に必要な機能を多く備えている。

③柔軟性の高いエンタープライズレベルの「PaaS(Platform as a Service)」である日本マイクロソフト株式会社が提供するクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」上に展開でき、複雑な設定や構成、新機能の追加といった作業時間を短縮。「Microsoft Azure」の「PaaS」では、運用上必要なOSやサービスにおけるセキュリティー更新プログラムの適用が自動化されているため、システム全体の可用性が高くなる。加えて、自動拡張機能が働き、大幅な損失につながるECサイトでのトラフィックの急増においてもダウンを防ぐことが出来る。

 

 

また、今回連携を行ったSBPSのオンライン決済サービスには以下の3つの特徴がある。

①Visa、Mastercard、UnionPay(銀聯)の国際ブランドのライセンスを保有し、決済代行や加盟店審査や管理業務、決済サービスの提供までワンストップで行うことができる。

②「SXC」では、SBPSのクレジットカード決済と連携し、SBPSが提供する決済画面を呼び出して決済を行う「リンク型」を採用しているため、EC事業者の開発工数や運用工数を最小限に抑えられる。

③SBPSの決済サービスを導入した事業者向けに集客支援や不正検知・保証サービスを無償で提供。

 

ECが一般化するなか、ECサイトを訪問し商品を購入する顧客の行動履歴や購買履歴のデータは非常に重要となっている。そんな中、今後サイトコアは「日本のECサイトにおいて顧客が購入した時点で終了する売買の業務処理だけではなく、「SXC」を通してECサイトで取得できる多様な履歴データを活用し、オンライン上でもより良い顧客体験を演出する環境を作り、事業者の売上拡大を支援していきたい、また、SBPSの豊富な決済手段を「SXC」で利用できるようマルチペイメント展開も予定している」と述べた。

 

EC機能のみでなく、サイトの運営に必要な決済サービスにおいては、SBPSと連携することで、「SXC」を導入するEC事業者に日本のEC市場のキャッシュレス需要にマッチした決済サービスを提供し、決済の側面からも顧客体験を向上させることが出来る。こうすることで、新規だけでなく、生涯顧客獲得に繋げることが出来るだろう。