Facebook動画はYouTube並みの収益化の枠組みを構築できるのか、動画アルゴリズムの変遷から紐解く | EC業界ニュース・まとめ・コラム「eコマースコンバージョンラボ」
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公開日2019/06/13

Facebook動画はYouTube並みの収益化の枠組みを構築できるのか、動画アルゴリズムの変遷から紐解く

Facebookは、ライブラリ内コンテンツの視聴時間を伸ばし、広告によってその視聴時間を収益化する取り組みを始めている。

Facebookが最初にニュースフィードに動画を導入したのは2013年であった。同社は、当時YouTubeが独占していた動画分野に初めて参入した大手プレーヤーとなった。それは、Snapchat storiesや、Instagram Liveが登場する前であり、Facebookによる積極的な動画への挑戦が業界を変えたと言えよう。

その6年後となる今、Facebookは、動画の収益化において次のステップに入ってきている。ライブラリ内動画コンテンツを、広告主に対してより魅力的なものにしようとしているのだ。しかし、依然として課題はある。Facebookは、オーガニックなアルゴリズムによる成功をもう一度実現し、コンテンツクリエイターやパブリッシャーにインセンティブを提供し、コンテンツのアップロードを推奨することができるだろうか?言い換えれば、Facebookプラットフォームで制作したコンテンツによって、収入を得ることが可能になるだろうか?

 

これまでの歴史

Facebookが動画に参入する1年前、YouTubeは、ページビュー数による動画のランク付けをやめ、視聴時間を重要視するようになった。このアルゴリズムの変更により、クリエイターは、よりオーガニックなトラフィックを獲得できるようになり、その結果、収益化可能なコンテンツインベントリが増え、YouTubeの収益性がさらに向上した。

 

Facebookも動画の再生回数をカウントしていたが、何を再生回数として数えるかという定義は全く異なっていた。同社は、再生時間が3秒間あれば1回とカウントしていたのだ。このカウント方法は激しい論争の的となったが、Facebookは、それを「動画を視聴しようとする意志」があることを示していると主張していた。この主張をもとにFacebookは、2年未満で0から40億のデイリービュー数獲得を記録したのだ。このニュースを受けて、YouTubeはついに、動画視聴に関する測定基準(再生時間約30秒で1ビューとカウント)を公開し、「意図的、かつ露骨なビュー数の割増カウントによって、Facebook以外の全員が損害を受けている」と、Facebookを強く批判した。

 

それにもかかわらずFacebookは、動画コンテンツの広告の有望な可能性を示し、クリエイターは、それに応じて自分たちの動画を最適化し始めた。2016年には、Facebookは、1日に1億時間もの動画が視聴されていることを公表。GoogleのCEOは、それに対して、YouTube視聴者が、1日に何億時間ものビデオを見ることを投資家に発表している。

 

視聴意図はエンゲージメントと同じではない

Facebookのビュー数がYouTubeに追いついた後に、Facebookは、より効果的に動画商品を収益化するような変更を加え始めた。ビュー数は増加していたが、視聴時間不足が原因で、収益化可能な広告インベントリはビュー数に追いついていなかった。そのため、YouTubeが5年前に実行したのと同じように、Facebookはアルゴリズムをアップデートし、視聴完了率よりも視聴時間を重視した。また、FacebookはYouTubeと同じように、動画サービスであるFacebook Watchと動画投稿者向けコミュニティサイトFacebook for Creatorsを立ち上げた。これは、クリエイターをプラットフォームに呼び込むための、Facebookの最初の大きな投資となった。

 

しかし、Facebookは動画商品の収益化推進に関して、YouTubeよりもはるかに多くの課題を抱えている。Facebookは、ソーシャルメディアプラットフォームとして、ネットワークとコネクションを重視している。2018年には、フィード内のパブリッシャーとブランドのコンテンツよりも、友達や家族の投稿を優先するというアルゴリズムの変更が加えられた。これにより、パブリッシャーとブランドのリーチは、大幅な打撃を受け、自社のコンテンツを視聴させるためには、料金を支払う必要性が生じた。

 

しかし、Facebookはクリエイターを呼び込み、広告主に対して動画インベントリをより魅力的なものにするための努力を続けている。同社は最近、BuzzFeedCondéNastComplex Networksなどのパブリッシャーにオリジナルコンテンツ制作を委託した。その一方で、先日、自社プラットフォームでのコンテンツ作成と収益化のベストプラクティスの概要を公表している。

 

スタート当時は課題が多かったものの、Facebookの動画は有望であると言えよう。複数のプラットフォームにわたり、YouTubeネットワークであるFullscreenが提携するクリエイターネットワークを調査したところ、トップクリエイターコンテンツのFacebookでの視聴時間は大幅に伸びている。ブランドやエンターテインメント企業のチャネルでは、動画の視聴数が14%増加し、ロングフォームコンテンツにおいても、同様に急増している。5〜10分尺の動画では、昨年の視聴数は12%増加した。

 

最近の発表のとおり、Fullscreenのデータは、Facebookがライブラリ内コンテンツ表示を強調し、ユーザーの動画コンテンツの視聴時間を伸ばし、その視聴時間を広告によって収益化する取り組みを強化していることを示している。これは、本質的にはYouTubeが2012年にすでに学んでいたことである。最終的には、収益化可能な動画が、1つのフォーマットとして、現在ニュースフィードを管理しているものとは別の配信アルゴリズムに従う可能性を示している。

 

実際我々が経験しているFacebookプラットフォームの変化が、この可能性を裏付けている。Facebookによるクリエイターへの継続的な投資、そして最も重要なのは、YouTubeが行ったのと同様の取り組みを、Facebookが独自のやり方で実行しようとしている点である。

 

結局のところ、ブランドがFacebookを活用するチャンスを活かすためには、YouTubeで実行すべきことと同じことを行う必要があるのだ。つまり、人々が視聴したいと思うユニークなコンテンツを制作することである。ブランドが人々が見たいと思うようなコンテンツを制作すれば、オーガニックな視聴率と収益化を促進する真のチャンスを得ることができるのだ。それは、広告主の夢なのである。

 

※当記事は米国メディア「Marketing Land」の5/30公開の記事を翻訳・補足したものです。

 

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