画像共有SNSアプリInstagramは2017年1月11日(水)、一度に複数の画像や動画を投稿でき24時間でその投稿が消えるという「Story機能」の画面上に、企業のビデオ広告を掲載できるようになると発表した。Story機能は5ヶ月前のローンチ以来、1日あたり1億5千万人もの利用を記録している。
また企業向けの「Instagramビジネスツール」では、各Story投稿へのリーチ数(投稿を閲覧したユニークアカウント数)、インプレッション数(投稿が閲覧された合計回数)、返信、最終閲覧などの確認が可能。
今回の発表によると、5つのStory投稿のうち1つに対し、閲覧者に対するビデオ広告が入ることになるInstagram社によると70%のユーザーがこの企業をフォローするとのこと。
クライアント企業との提携
Instagram社はこのストーリーの新機能を、クレジットカード会社Capitol One、化粧品会社のMaybelline New York、自動車メーカーBuick、オンライン映像ストリーミング配信事業会社Netflix、オーストラリアの航空会社Qantas、イタリアのファッションECサイトYooxなどを含む30の企業らと共に試験運用を行う予定。
コミュニティ主導型の民泊マーケットプレイスAirbnbは、昨年発表した新サービス「Trips」のローンチ時からInstagramのStory機能をマーケティングに利用。旅行者と旅行先の情報に詳しい人が共通の興味をもとにつながっていく様子を、15秒の動画広告で描いた。
Airbnbはアメリカに住む25歳から44歳までの幅広い男女をターゲットにしており、Instagram社は彼らとの取り組みで得られた情報を、今後のキャンペーンのターゲティング等に活用していくとのこと。
Snapchatの陰で
Instagram社はスマートフォン向け写真共有アプリSnapchatを参考にしていると調査会社Pund-ITの主席アナリストCharles Kings氏は言う。というのは、Snapchatは既に独自のプラットフォームへの動画広告機能「SnapAds」追加に成功していたのだ。Kings氏は「人はまとまりがある話、ポイントを押さえた簡潔なストーリーを好む」と加える。
広告には、静止画5秒以内、動画は15秒以内という制約があり、テレビ広告の約30秒間という枠に比べて圧倒的に短い。従って広告を打つ側は、セールスポイントを簡潔に伝える必要がある。「Instagramユーザー、特にStory機能を使う人にとって、求める情報にすぐアクセスできる事は重要。Storyに埋め込まれた広告はそういったユーザーの欲求をうまく利用することができる」とコンサルティング会社Stratecast/Forest & Sullivanのプロジェクトマネージャー、Michael Jude氏は言う。
Instagram社は昨年の秋、ユーザーエンゲージメントを深めるために新機能「Boomerang」を発表した。これは撮影した写真を編集し、ミニビデオを作成できるというサービス。それと同時に「Mentions」という新機能も発表。投稿に他のユーザーをプラグすることができ、ユーザーがそのポストに対して関連しているリンクを追加することもできるというものだ。感謝祭の直前の発表となったこれらのInstagram新サービス。発表にはやはり「Story機能」が使われていた。
※当記事は米国メディア「E-Commerce Times」の1/11公開の記事を翻訳、補足したものです。