Googleからの流入が落ち込み、LLMの利用が伸びる中、発見可能性はもはやランキングだけではなく、指標、構造、そして権威性に左右されるようになっている。


オーガニックトラフィックが減っているのにインプレッションが増えている場合、AIがトラフィックを発生させることなく貴社コンテンツを引用している可能性が高い。両方が減少しているなら、そもそも無視されているということだ。いずれにせよ、マーケティング戦略の基盤となっていた検索行動は変化しており、トラフィックの回復を待つだけでは戦略とはいえない。

これが、2026年に直面する現実である。米国のB2B向けデジタルマーケティング会社、KEO Marketingは以下の点を明らかにしている。

  • 2024年から2025年の間に、B2Bサイトの73%が大幅なトラフィック減少を経験し、平均で前年比34%の減少となった。
  • その影響は一様ではない。コンテンツが主に情報提供型の場合、より深刻な打撃を受けている可能性が高い。AI Overviews(AIによる概要)の導入以降、一部の業界ではオーガニックトラフィックが15%から64%減少した。
  • ニュースパブリッシャーは特に影響が大きく、2025年11月までの12か月間でGoogleからの流入が全世界で33%減少した。

これらは通常の変動ではない。人々がオンラインで情報を見つける方法そのものが構造的に変化しており、Webサイトのトラフィックを基盤としたビジネスモデルを根底から揺るがしているのだ。


オーガニック検索による発見方法の変化を引き起こしている要因は何か?

オーガニッククリックが減少している背景には、二つの重なり合う理由がある。それぞれに異なる対応策が必要であるため、両方を理解する必要がある。

  • Googleは長年、フィーチャードスニペットやナレッジパネルを通じてゼロクリック行動を設計してきた。これらのSERP機能(検索結果ページ上に表示される追加情報)は、検索結果ページ上で直接クエリに回答するため、回答を得るためにクリックする必要がない。10年前にはクリックなしで終了していたのは検索の約25%だったが、現在では65%を超えている。また、AI Overviewsは、現在デスクトップ検索の約16%、モバイル検索の約41% に表示されており、この傾向を劇的に加速させている。
  • ますます多くのユーザーが、従来型の検索を完全に迂回している。現在、米国の成人の約52%がAIツールを定期的に利用し、米国の就業者の約28%が仕事でAIを活用している。ChatGPTや他のLLM(大規模言語モデル)に質問すると、通常はどのWebサイトも訪問することなく回答が得られる。貴社コンテンツがその回答に使われている可能性はあるが、貴社にはトラフィックもアトリビューションも入ってこない。


AEO
を測定する際に考慮すべき指標は何か?

従来のコンテンツマーケティングのKPI(重要な指標となるインプレッション、クリック数、CTR、セッション数、直帰率、ページビュー)では、ブランドの発見可能性を測定できなくなっている。これらは自社サイト上の行動を測定するものであり、トラフィックの大部分をその手前で遮ってしまうAIの回答における自社のパフォーマンスを測るものではない。

AIでの可視性を測定する上で、最も重要なとなる5つの指標は以下の通り。

  • AIの回答における引用は、LLMがクエリに回答する際、自社コンテンツがどれだけ直接引用されているかを測定する指標である。引用があるということは、次の3つのことを意味する。
     - 自社コンテンツが関連性を有している
     - LLMが効率的に解析・取得できるよう構造化されている
     - 貴社ドメインが信頼される十分な権威性を有している
  • ブランド言及は引用とは異なる。LLMは、レビューサイト、フォーラム、サードパーティの記事、競合他社のコンテンツから情報を引き出し、自社コンテンツを引用せずにブランド名を言及することが多い。引用を伴わない言及は、Web全体では自社について話題になっているものの、自社コンテンツが情報源ではないことを示している。この違いを理解することで、どこに投資すべきかを判断できる。
  • シェア・オブ・ボイスは、特定のカテゴリーに関連するプロンプト群において、自社と競合他社の引用や言及の頻度を比較する。
  • ブランドセンチメントは、AIの回答が自社を好意的・中立的・否定的のいずれとして扱っているかを追跡する。
  • AI由来のトラフィックは、どれだけのトラフィックがLLMからのリファラルによって発生しているかを測定する。初期データによれば、このトラフィックは他のソースと比較して3~5倍高いコンバージョン率を示しており、たとえボリュームが小さくても追跡する価値がある。

現在では、LLMにプロンプトを手作業で入力しなくても、これらの指標を大規模に追跡できるツールがいくつか存在する。それらを検討してみる価値はある。

しかし、主要なLLMに対してターゲットクエリを入力し、自社がどこに、どのように登場するかを追跡するというシンプルなベンチマークであっても、まったく測定しないよりははるかに良い。


AEO
向けにコンテンツをどのように最適化すべきか?

AI 検索で可視性を獲得するために、まったく新しいコンテンツ戦略が必要になるわけではない。 ただし、もはや効果のない手法を手放し、これまで以上に重要性が増している原則に注力する必要がある。


E‑E‑A‑Tは依然として基盤である

E-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)は、AI Overviewsが登場する以前からGoogle SEOにおける主要なシグナルであり、AIエンジン最適化(AEO)においてもその重要性は変わらない。LLMは、真の専門性を示し、他の権威ある情報源から信頼されているサイトを優先する。

信頼できるサイトからの引用を獲得し、明確な専門知識を有する執筆者によるコンテンツを公開し、テーマを深く具体的に掘り下げている場合、 そうでないコンテンツよりも一貫して高い評価を得られるだろう。これは、他の要素がどれだけ最適化されていても変わらない。


構造と明確さは必須条件となっている

LLMは、質問に直接答える箇所を特定することでコンテンツを取得する。そのため、明確な質問と直接的な回答を中心にコンテンツを構成し、構造化された箇条書きを使い、難解な段落を避けるほど、ナラティブ(物語のような文章)の文の中に回答を埋もれさせるよりも、はるかに取得されやすくなる。

これは、人間の読者にもLLMの検索システムにも読み取りやすい情報アーキテクチャを作る必要があるということを意味する。既存コンテンツにQ&Aセクションを追加したり、記事全体を明確な質問と回答の組み合わせで再構成したりすることは、今すぐ取り組める最も効果の高い改善策の一つである。


人間が執筆し、主導するコンテンツには測定可能な優位性がある

Googleの最新のコアアップデート以降、大量生成されたAIコンテンツはランキングと引用頻度が87%低下し、キーワード最適化されたコンテンツは63%減少した。LLMはAIの文章パターンを検知し、そうしたコンテンツの優先度を下げるようになっている。

2025年に感じた、「AIで大量に生成しなければならない」というプレッシャーが、現在のパフォーマンスデータに表れている品質問題を生み出した。最強の戦略は、量より質を優先することである。AIを活用するなら、最終コンテンツの生成ではなく、下書きや編集に限定すること。また、AI検出ツールや人間の編集者によるレビュー工程を追加し、汎用的な表現や不自然な口調を排除すべきである。


AI引用では最新性が重要

回答エンジンは情報源を選ぶ際に、公開日や更新日を確認する。そのため、2022年公開の、構造化された権威ある記事であっても、2025年に更新されたバージョンの方が優先されることがある。

高トラフィックのページや主要コンテンツに古い情報が含まれていないかを確認し、最新のデータや事例で更新しよう。これは、多くのチームが見落としているが、すぐに成果につながる改善策である。


売り込み調の文章は引用されない

製品の主張やブランドを前面に出した表現で始めるなど、コンテンツが宣伝的である場合、回答エンジンはより客観的な情報源を優先し、そうしたコンテンツの優先順位を下げることが多い。

だからといって、製品やブランドについて触れてはいけないわけではない。中立的な第三者の視点で書くことが重要である。つまり、トレードオフを認め、背景情報を提供し、事実そのものに語らせるということ。リスト形式の記事や比較記事は、この点で特に効果的である。

AIシステムは、構造化され、客観的に比較された情報に反応する。たとえ一方の選択肢が明らかに優れている場合でも、それは変わらない。


自社チャネル以外では、どのようなコンテンツがAEOに強いのか?

LLMが言及するブランドを決定する明確なパターンが一つある。LLMは、自社コンテンツだけでなく、複数の情報源にまたがる合意を探るのだ。自社ブログにしか登場しないブランドは、オウンドアセットは少なくとも第三者メディアでの露出が強いブランドに負けてしまう。

だからこそ、外部コンテンツのエコシステムを戦略的に構築することが重要になる。G2CapterraGoogleなどのレビューサイトは、AIのトレーニングに頻繁に利用されている。Reddit(米国発の掲示板型SNS)やその他のフォーラム上のユーザー生成コンテンツ(UGC)も大量にインデックス化されている。サードパーティの記事、チュートリアル、YouTube動画、ニュースレターでの言及など、これらすべてが、AIが回答を生成する際に引用されるためのマルチソースの合意を形成するのだ。

加えて、コンテンツパートナーシップには集中的な注目が必要である。関連メディアで記事やニュースレター掲載をスポンサーすると、二つの成果が得られる。検索以外からのリファラルトラフィックを生み出し、AIの可視性を高める信頼された外部からの引用も得られるのだ。オーディエンスがキュレーションされた、人間によるコンテンツを求めるにつれて、ニュースレターの読者数は増加している。YouTubeからの引用は特に強力で増加傾向にあり、ChatGPTは権威ある動画クリエイターを引用する傾向が確認されている。

目標は、言及を人工的に作り出すことではない。 信頼できる外部ソース全体で、貴社ブランドについて一貫したストーリーを語ることだ。 そうすることで、LLMはそのストーリーに繰り返し出会うようになる。パートナー、レビューサイト、サードパーティコンテンツ全体での一貫性が、AIにおける貴社のシェア・オブ・ボイスを相乗的に高めるのだ。


コンバージョン率の高いランディングページを作るには?

オーガニックトラフィックが30%以上減少している今、貴社サイトにたどり着く訪問者は、これまで以上に価値が高く、意図を持って行動している。だからこそ、主要なランディングページにおけるコンバージョン最適化がより重要になっている。

原則はシンプルだ。1つのオファー、1つのメッセージ、そして最小限のコピー。

各ランディングページには、1つのCTA(行動喚起)と1つの主張だけを配置すべきだ。複数のコンバージョン目標がある場合は、1ページで全部を達成しようとするのではなく、複数のランディングページを作るべきでなのある。

ヘッダーには、提供価値の全体像を明示すること。補足ポイントは簡潔にまとめよう。訪問者がスクロールせずとも、オファーを理解し、行動に移せるようにする必要がある。

これは、ブログやソートリーダーシップのコンテンツとは異なる。それらは詳細な情報、十分な情報源、そしてLLMに取得されやすい構造が求められる。両者は目的が異なり、求められる基準も違う。コンバージョン重視のランディングページは、ニュアンスや長文を展開する場所ではない。


要点

トラフィックの減少は、自然に回復する一時的な後退ではない。ユーザーはWebサイトをクリックする代わりにAIから回答を得るようになっており、その行動はさらに強まっていく。クリック獲得のためのランキングにのみ依存したコンテンツ戦略では、もはや十分ではない。

その代わりに求められるのは二重の使命だ。回答エンジンに引用されるよう最適化すること、そしてLLMが継続的に貴社を言及する理由となる外部でのブランドプレゼンスを構築すること。 これらの目標は、貴社が本来一貫して取り組むべきだったことと一致している。つまり、明確で、権威性があり、構造化された、真の専門知識に基づいたコンテンツを発信することだ。

AI主導の発見で勝つブランドは、基本を着実に実行しているブランドである。つまり、真の信頼性を築き、信頼できる外部からの言及を獲得し、アルゴリズムではなく読者のために文章を書くブランドである。

それは常に正しいアプローチだった。AI検索が、それを単に必須にしたに過ぎないのだ。


※当記事は米国メディア「MarTech」の3/9公開の記事を翻訳・補足したものです。