株式会社フューチャーショップが運営するSaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」シリーズの2022年7月〜9月の流通額は446億円、昨対比104.77%だった。また今回、2年以上継続利用している店舗に限定した流通額・EC利用状況の調査も実施した。
2年以上継続利用店舗調査
2年以上継続利用している店舗に限定し、流通額を調査したところ、成長率は昨対比121.25%と大きく成長した。この背景には、リアル回帰が進み、実店舗での購入機会も増える中、futureshopシリーズを2年以上継続して利用されている店舗も+21.25%と、全体と比較し自社ECサイトの流通額が増加したからだとみられる。
続いて、母数となった店舗を対象に、10店舗以上ある業種別に限定して調査した結果、全体として外出機会創出や、イベントに関係する業界のEC利用が進んでいることが分かった。特に、昨対比2倍となった「ギフト」はイベント景品関連が好調で、「花・ガーデン・DIY」もプロ向けアイテムを取り扱う店舗が上位に目立つ結果となった。
そして、「バッグ・小物・ブランド雑貨」「ジュエリー・腕時計」「レディースファッション」など、外出機会増加に伴いアパレル・ファッションECの利用も増加している。リアル回帰が進み、百貨店でも衣料品購入が増加する中、実店舗とECの相乗効果が進み、実店舗で気になったアイテムを検討の結果ECで購入するなど、相互作用が強まったものと思われる。
EC利用状況調査
期間中、生活者のEC利用状況を調査した。調査対象は、2021年・2022年7月〜9月、各月の注文件数が100件以上の店舗の中から500店舗を無作為に抽出している。
<注文件数の変化>
対象店舗の注文件数は昨対比105%前後だったものの、9月の注文件数は調査期間中の他月と比較すると鈍化を見せている。これは、2022年9月は3連休が2回続いており、外出機会が増加したことで、リアル回帰を受けたものと思われる。
<購入単価の変化>
注文件数の変化とは異なり、件数が減っていた9月も継続して両デバイスとも上昇し、一貫して購入単価は高い傾向となっている。
<新規顧客利用状況>
新たに会員登録された顧客の利用を新規利用とみなし、各店舗の平均増加率を月ごとに調査した。なお、「会員機能を利用していない」、「会員を限定して販売している(社内向けにクローズドで販売、BtoBとして利用など)」、「期間中、futureshop omni-channel開始により実店舗の会員をECにも登録」している店舗は調査対象から除外している。
新規顧客利用増加率は、期間平均でみると111.55%だった。昨年までの爆発的な新規利用増加期間から新規利用が減少することもなく、継続して増加している。
<決済手段の変化>
利用された決済方法を「クレジットカード」「ID・QR決済、Apple Pay、PayPay、d払いなどのキャリア決済」「現金・その他決済」の3つに分け、各月の総注文件数を1とした結果が、グラフ1となっている。
今回の調査をみていくと、「クレジットカード利用」はほぼ変化なく、「現金・その他利用」が「ID・QR利用」に移行している流れは前回と変わっていない。また、各店舗別では、「現金・その他利用」を受け付けていない店舗も散見された。
さらに、決済方法を3つとも提供している店舗に限定して調査した結果、今回の調査対象店舗では、ID・QR利用がクレジットカード利用を全ての月で上回っていた。店舗ジャンル別にみると、「食品・スイーツ」はクレジットカード利用が最多、その他の店舗ジャンルではID・QR利用が最多だった。
「futureshop」について
フューチャーショップが提供する「futureshop」シリーズは、未来に向けたコマース戦略を創造するSaaS型ECサイト構築プラットフォームで、国内向けfutureshopはCMS機能commerce creatorで高いデザインカスタマイズの自由度と更新性を実現している。また、ロイヤルティマーケティングに取り組める豊富な機能を有しており、オムニチャネル対応には実店舗とECの顧客統合を行い、さらにきめ細やかなデジタルマーケティングを目的とした、O2Oを実践するポイント統合、実店舗在庫表示機能も備えた「futureshop omni-channel」が利用できる。