東南アジアは6億人を超える人口を抱え、小売業者にとっては無視できない市場に成長してきている。現在、同地域のEC売上高は小売業全体の3%に留まっているものの、今後は年間25%以上の成長率で成長していくことが見込まれている。
東南アジア市場のポテンシャルはこれだけではない。スマートフォンの利用者数は約2.5億人で、2020年は2.92億人まで増加する見込み。今年の年末には、スマートフォンの普及率は40%に達する見込みだ。
しかし、巨大な東南アジア市場では各国それぞれで、決済習慣が異なっており、それを理解することは、それぞれの市場特性を理解することに役立つ。
シンガポールはショッピングパラダイスとして、30%の消費者は少なくとも週に一回モバイル端末を利用してショッピングし、主にクレジットカードで支払いする。
インドネシアはオンラインで購入した商品についても主にATMから振込、コンビニで支払いを行う。それはオンライン決済に対する安心感がないからだ。さらに、インドネシアの海外取引の際の決済についても政府に監視されているため、自由に取引を行うことが難しく、閉鎖的である。
マレーシアでは現金とオンライン銀行を利用する傾向があるが、海外との決済については開放的である。海外企業はマレーシアからの決済をMOLPayを通じて処理。MOLPayは手数料無料で各国の通貨にも対応できる。
タイでも、マレーシアと同様で、主に現金とオンライン銀行で支払う。また、ソーシャルメディア上でのショッピングも盛んだ。インドネシアと異なるのはタイが海外取引の監視が少ない点と、海外の投資者の制約をほとんどしていない点だ。
フィリピンでは、電子マネー、オンライン振込、コンビニ支払いが主な決済方法である。銀行のカードも手数料無料で海外向け決済をサポートしていることが多い。
※当記事は中国メディア「雨果網」の3/19公開の記事を翻訳・補足したものです。