B2B企業の47%がAIの導入を理由にマーケティング部門の人員を削減しており、その多くは解雇を発表するのではなく、補充を行わないという形で実質的な人員削減を進めている。

 

Wynter(B2B企業向けに市場調査プラットフォームを提供する米国企業)の最新レポートによると、B2B SaaS企業のほぼ半数が、AIの導入を理由にすでにマーケティング部門の人員を削減または縮小したと回答している。驚くべき点は、こうした削減のほとんどが解雇という形をとらなかったことだ。各社は空いたポストへの補充をひっそりと停止し、自然減によって時間をかけてチームを縮小させていった。

 

出典:Wynterのレポート「B2BマーケティングにおけるAIの活用実態」

 

レポート「B2BマーケティングにおけるAIの活用実態(How B2B Marketing Actually Uses AI)」によると、B2Bマーケティング担当者の60%が、AIの影響を最も受けやすいマーケティング機能として「コンテンツ制作とコピーライティング」を挙げた。また、シニア社員がAIツールを活用して実務を処理するようになるにつれ、若手マーケティング担当者への圧力が強まっていることも明らかになった。

 

出典:Wynterのレポート「B2BマーケティングにおけるAIの活用実態」


このレポートでは、中・大規模のSaaS企業に所属する取締役、副社長、マーケティング責任者100名を対象に、AIがマーケティングチームにどのような変革をもたらしているかについて調査を行った。データから浮かび上がった最も顕著な傾向の一つは、経営幹部の雇用安定性と、それより下位の役職の将来展望との間にギャップがあることだ。

 

回答者の94%が、「今後24ヶ月以内に現在の役職がほぼ同じ形で存続する」と回答。そのうち半数が「間違いなく存続する」と答え、さらに44%が「おそらく存続する」と回答した。

出典:Wynterのレポート「B2BマーケティングにおけるAIの活用実態」


同時に、回答者はAIによって縮小されると予想されるマーケティング機能をいくつか挙げた。「コンテンツ制作とコピーライティング」が60%で最も多く、次いで「デザインとクリエイティブ」が37%、「プロダクトマーケティング管理」が26%%、「ジュニアおよびエントリーレベルの職種」が20%、「マーケティングオペレーション」が19%、「アナリティクス」が18%となった。

 

複数の回答者から、かつては複数の若手社員や外部委託業者を必要としていた業務を、ベテランのマーケターがClaudeなどのAIシステムを活用してこなしているという声が寄せられた。ある回答者は、経験豊富なマーケターなら「Claudeを使えばわずか数時間で」若手社員と同等の成果を出せると述べた。また別の回答者は、若手チームの拡充ではなく、AIに精通したベテラン社員の採用に重点を移していると説明した。

 

このレポートでは、この傾向を「下からの圧縮」と表現している。つまり、シニアマーケターは現状維持される一方で、エントリーレベルの求人機会は減少しているという状況だ。長期的な影響としては、マーケティング業界は次世代の上級人材の確保に苦慮することになるだろう。なぜなら、採用人数が減り、採用された人材も初期キャリアで必要な経験を積むことができないからだ。

 

レポート全文はこちらから。(登録不要)

 

 

※当記事は米国メディア「Martech」の5/29公開の記事を翻訳・補足したものです。