グローバルなeコマースはドル箱

グローバルなeコマースは巨額で儲かる市場であり、2024年のその価値は6.3兆ドルと見積もられている。この大市場は、すそ野を広げようとする企業にとって、類を見ないほどの成長の機会をもたらす。世界中のeコマース業界の総額は、2027年までに8兆ドルに成長すると予測されており、今こそブランドが、国境を越えて広がる、計り知れない可能性を引き出すときである。

国際的に事業を展開することで、「国内市場と比較して、顧客獲得コスト(CAC)が低くなる」という独自の利点への扉が開かれる。一方でブランドは、異なる文化規範に適応しなければならないという課題に直面するかもしれないが、平均注文額(AOV)が向上する可能性は、初期投資を上回る場合が多い。

しかし、さまざまな課題があるため、すべてのブランドがグローバルなeコマースの舞台に躍り出るわけではない。「ローカライズされた体験を作り出す」、「コンプライアンス規制に対応する」、「顧客体験(CX)へ投資する」などの問題によって、企業は国際市場への進出を躊躇(ちゅうちょ)してしまう。戦略をローカライズして展開し、配送体験の向上に注力するなど、これらの課題に積極的に取り組むブランドこそが、グローバルなeコマース市場で多くの買い物客を獲得することができるのだ。

 

即効性のある5つのローカライゼーション手法

活気のあるグローバルなeコマースの状況において、国際的な市場の可能性を引き出すには、微妙な理解と市場に特化したアプローチが必要である。次に説明する5つのローカライゼーションと配送体験手法を取り入れることで、企業は製品を国際的に販売する複雑さを乗り越える力を身に着け、グローバルでの成功を持続させる道を切り開くことができる。


1. SEOローカライゼーションによる検索性の向上

グローバルなeコマースのジャーニーは、ブランドと製品が海外の顧客から簡単に発見できるようにすることから始まる。標準的な検索エンジン最適化(SEO)の方法では、検索習慣や言語が異なる多様な市場で通用しないかもしれない。

各ターゲット市場の言語や検索トレンドに合わせて、Webサイトのコンテンツ、メタデータ、キーワードを最適化し、SEOのローカライズを優先することが不可欠となる。現地の言語で徹底的にキーワード調査を行い、戦略的にコンテンツに組み込もう。

地域固有のランディングページやローカライズされたURLを作成することで、検索の可視性がさらに向上し、海外のオーディエンスからのオーガニックなトラフィックが促進される。Googleのような検索エンジンは、ユーザーのクエリに対して最良の結果を表示することを目的としていることを認識しなければならない。したがって、言語、通貨、関連コンテンツをパーソナライズしてローカライズしたWebサイトは、この目標を達成する上で極めて重要な役割を果たすのである。


2. ローカルなストアページの最適化

ローカライズされたWebサイト体験を提供することは、海外の消費者を惹きつけ、コンバージョンを促進する鍵となる。統計によると、商品ページで通貨をローカライズしているサイトでは、コンバージョン率が40%上昇していることがわかった。

通貨、言語、画像は、現地の美学や文化規範に合わせなければならない。さらに、地域ごとのおすすめ商品、体験談、レビューを掲載することで、海外からの訪問者に対するサイトの関連性と信頼性を改善することができる。

ジオロケーション(ユーザーの位置情報を取得する)技術を使用して、訪問者の位置を自動的にリダイレクトすることで、ユーザーエクスペリエンスが向上し、購入プロセスが簡素化される。季節性、地域の祝日、商品の人気といった要因に基づいて地域限定の商品を提供するブランドは、注文コンバージョン率がかなり高くなることが多い。


3. 価格のローカライゼーションとテスト

ショッピングカート放棄の理由第一位である「追加コスト」や「想定外の手数料」に対処するために、包括的な価格設定のローカライズ戦略が必要である。これは単に通貨を変換すれば良いわけではない。そのためには、現地の市場力学、購買力、消費者の嗜好を反映した価格戦略の調整が必要となる。価格感受性を測定し、各地域の競争力指標を特定するための市場調査の実施が不可欠である。

需要、競合、為替変動に基づいて調整するダイナミックプライシング戦略を導入する。関税や消費税込みの価格をテストすることで、商品をさらに現地の期待に沿ったものにすることができるだろう。

さらに、地域特有の割引、プロモーション、ロイヤリティプログラム、特に地域の祝祭日に合わせたオファーをすることで、購買意欲を高め、顧客エンゲージメントを促進することができる。これらのアプローチを組み合わせることで、収益を最大化するだけでなく、国際市場での地位も強化することができるのである。


4. ローカル配送オプションの提供

オンライン買い物客の77%が、「不十分な配送オプションはオンラインでの購入を妨げる原因となる」と考えている。これは、想定外のサプライズや隠れたコストによるカート放棄を避けるためには、前もって消費税や関税を含めた明確で透明性のある価格表示をすることが不可欠であることを意味する。

また、便利な決済や、エコノミー、プライオリティ、エクスプレスといった複数の配送オプションを提供することで、購入プロセスを簡素化し、購入への障壁を取り除くこともできる。


5. ブランド化・ローカル化された追跡体験

リアルタイムの注文追跡は形勢を大きく変えるカギとなるかもしれない。というのも、買い物客の87%が「リアルタイムの注文追跡によって購入体験がより楽しくなった」と感じているからだ。顧客の体験というのは、Webサイトだけにとどまらない。ブランドの配送箱、メールでのコミュニケーション、追跡ページ、迅速なカスタマーサービスがあることで、消費者は安心して、また自信を持って返品し、再び買い物をしてくれる。

パーソナライズされた対応の良いカスタマーサポートを提供することは、国際的な消費者の信頼とロイヤリティを築くために不可欠である。消費者の母国語を使ってソーシャルメディアプラットフォームやフォーラムで交流することは、コミュニティの意識を生み出し、ブランドとのつながりを強化するのに役立つ。

 

管理サポートによってグローバルな機会をつかむ

グローバルな市場を制するには、ローカライゼーションへの入念なアプローチが必要である。しかし、企業がグローバル展開に着手するにつれ、包括的なソリューションの必要性と、知識豊富な国際的な専門家による実践的なサポートの必要性が明確になっている。

ローカライズされた成長戦略の策定および出荷やコンプライアンスの管理は複雑で、ブランドの成長の足手まといになりかねない。そのため、多くのブランドは、国際商取引の複雑さを解消するためにプロバイダの助けを必要としている。

オールインワンのグローバル配送と国際化ソリューションであるPassport Global™(本社:米国)は、国際事業展開のプロセスを簡素化し、加速するように設計されている。

このソリューションは完成状態で納品され、社内のロジスティクスとコンプライアンスサービス、パフォーマンスデータの完全な可視化、成長戦略のローカライズとストアのコンバージョンテスト、キャッシュフローの遅延を軽減する直接注文決済を行うことで、エンドツーエンドのサポートを提供する。これにより、ブランドは国際商取引を迅速に拡大することができる。

 

ローカライズされたグローバルeコマースのパワーを解き放つ

グローバルなeコマース市場は、国際的な事業展開に取り組む企業にとって無限の機会を提供している。ローカライズされた体験、コンプライアンスの遵守、戦略的なCX投資を通じて課題に対処することで、ブランドはCACを下げ、AOVを高める可能性を引き出すことができる。

SEOローカライゼーション、ストアページの最適化、価格戦略、配送方法、ブランド化されたトラッキング体験など、5つの重要なステップに従うことで、グローバルなeコマースの舞台での成功への準備が整う。

Passport Globalのオールインソリューションがあれば、グローバルな売上の急成長への道筋を考えられるだけでなく、簡単に達成できる。グローバル市場を受け入れ、効果的にローカライズし、国際舞台であなたのビジネスが花開くのを見守れば良いのだ。

 

Passportについて

Passport®は2017年に創業した国際的ソリューションプロバイダであり、ブランドが簡単にグローバル化できるよう支援している。Passportは、国際化テクノロジー、自社配送およびコンプライアンスサービス、ブランドの利益成長を支援する専門知識を持ち、1,000以上のあらゆる規模の企業が世界中の市場にシームレスにアクセスできるようにしている。会社、サービス、キャリアについての詳細はpassportshipping.comで確認できる。

※当記事は米国メディア「E-Commerce Times」の3/8公開の記事を翻訳・補足したものです。