ドイツの反トラスト監視機関である連邦カルテル庁(FCO)は、ドイツでのAmazonの活動に関する調査の拡大を発表した。これは、Amazonを対象としたドイツの競争法改正を考慮した再調査であり、Amazonのマーケットプレイス販売者に対する価格統制と手法が適切かを調査するものである。
法改正の適用
FCOは、ドイツのeコマースにおけるAmazonの活動について2つの公開調査を行っている。Amazonをより効果的に監視するための手段を新法に盛り込むため、これらの調査は現在拡大されている。2022年7月、FCOは市場全体の競争においてAmazonが特に重要な意義を持つと判断している。これにより新しい法律がAmazonに適用される。
「我々の新しい法律はAmazonの慣行に効果的に介入することができる」
FCO長官のAndreas Mundt氏は「我々は、Amazonが自社のマーケットプレイスで積極的に活動し、Amazonの小売り事業と競合する販売者のビジネスチャンスを阻害しているか、またどのように阻害しているかの両方を調査している。Amazonは、eコマースにおいて最も重要なマーケットプレイスを運営しており、その分野の重要なポジションを占めている。そのため同社は、自社のプラットフォームでの競争について、広範囲に及ぶルールを設定することができる」と語った。また、「我々の新しい法律は、まさにそのようなルールを設定する権限を制限することを目的としており、Amazonの反競争的行為に対してより効率的に介入できるようになる」と述べた。
価格統制とブランド審査
FCOはまず、マーケットプレイスの価格統制メカニズムについて調査することから始める。FCOによると、Amazonはマーケットプレイス上のパートナー販売者による価格設定をアルゴリズムで制御している、とのこと。このため、顧客は販売者からの商品オファーを見つけにくくなっている。
「Amazonは、サードパーティ販売者が販売する商品について、メーカーと協定を結んでいる可能性がある」
2つ目の調査は、FCOが「ブランド審査」と呼ぶ、マーケットプレイスの販売者が不利益を与える可能性があるAmazonの手法に焦点を当てる。例えば、Amazonは販売者が特定の製品をマーケットプレイスで販売できるか否かについて、メーカーと協定を結んでいる可能性がある。
Amazonに対する欧州の調査
Amazonに対する調査はこれが初めてではない。2022年の夏、英国のCompetition and Markets Authority(競争・市場庁)は、英国内でのAmazonの支配的地位に対して調査を開始した。2021年12月には、イタリア市場当局のAGCMが同社による市場優位性の濫用について罰金を科している。
※当記事は欧州メディア「Ecommerce News」の11/18公開の記事を翻訳・補足したものです。