世界175ヵ国で80万以上のアクティブストアが運営されているマルチチャネルコマースプラットフォームを運営するShopify Inc. の日本法人Shopify Japan 株式会社は、毎年グローバルカンファレンスとして行っている「Unite」の日本版「Post-Unite Japan 2019」を8月6日に開催し、2018年に達成した成長数字と2019年の新機能等をまとめたデータを発表した。

 

2018年の日本国内でのShopifyの成長率は、ストア運営数が2017年に比べ100%増を記録、Shopifyを利用するマーチャントの流通総額は同じく100%増を記録した。

▲Shopify Japan カントリーマネージャーのマーク・ワング氏

 

 

今年度はShopifyに以下の4つの新機能が追加されることも併せて発表された。

 

1.全く新しいオンラインストアのデザイン体験を提供

新しいオンラインストアデザインのアップデートにより、ストアのレイアウトや雰囲気をさらにコントロールできるようになり、公開前のデザインの保存とプレビューがより簡単になる。また、マーチャントはコードを編集せずとも、オンラインストアの外観をカスタマイズ可能だ。更にShopify内でビデオおよび3Dモデルにて製品を表示する機能を導入したことで、オンラインで店頭にいるような購買体験を提供できるのだ。

一方、パートナーは、サブスクリプション支払いソリューションをShopifyのチェックアウトに直接統合できるようになり、サブスクリプション対象の商品や、サービスを購入したときに購入者がチェックアウトフローで、Shopifyから離脱しなくなる等のカスタマイズが可能になった。

 

2.海外の買い物客にリーチする新しい方法

言語機能として中国語、デンマーク語、オランダ語、フィンランド語、ノルウェー語、スウェーデン語、韓国語、タイ語を含む11の新しい言語が導入された。ShopifyのTranslations APIは、製品、コレクション、ブログ投稿などで翻訳された購入者向けコンテンツのデータを蓄積して活用出来ることで、マーチャントは複数の言語で一貫したショッピング体験を消費者に提供することが可能となった。また、Shopify Paymentsを使用すると、すべてのマーチャントが複数の通貨で販売し、現地通貨で支払いを受けることもできる。

 

 

3.注文プロセスの管理や顧客体験改善を支援する新しいバックオフィス配送機能の導入

新しい配送機能により、さまざまな商品・製品特性や場所ごとに配送料と配送方法の設定が可能になる。フルフィルメントAPIと注文編集機能によって、プロセスを可視化し、どうやって配送しているかの情報を細かく把握、管理することが出来る。

 

4.強力なアプリを構築するための最良のツールを提供

Shopifyでよく使われる機能のライブラリがGraphQLで利用出来、開発者はその速度と効率を活用して、マーチャント向けにより高速で安定したアプリを構築が可能となる。続いて、Shopify App CLI(コマンドラインインターフェース)を使用すると、開発者はすべてのアプリ構築手順を1つのコマンドにラップして数秒でアプリを作成でき、今まで手作業で作っていたアプリの構成が自動生成出来るようになった。また、Shopify App Bridgeでは、デスクトップ、Shopify Mobile、Shopify POSなどのアプリをShopifyに直接埋め込み、マーチャントにシームレスなユーザーエクスペリエンスを提供する。今までウェブとPOSで別々のライブラリを使用していた組み込みアプリが、これ1つで開発できるようになり学習コストが低減した。

 

4つの機能が増えたことで、簡単な操作で店頭にいるような顧客体験を提供し、11の言語機能が導入されたことでより多くの顧客を獲得することができるようになる。さらに、新たな配送機能により、マーチャント(EC事業者)はいつどこで、どのように配送されているのかの把握が可能になるだろう。今後のShopifyの更なる成長に期待したい。