卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」を運営する株式会社ラクーンコマースは、株式会社アドウェイズと包括業務提携を行い、中国の主要なBtoC向けECモールにて商品販売を行うスキームを構築した。

 

7月中を目途に、ラクーンコマースはスーパーデリバリーに出展するメーカーから出品商品を誘致し、アドウェイズは越境ECの物流と中国ECモールでの販売代行を担う。これにより日本の中小メーカーに、中国市場への新たな販路をワンストップで提供していく。また、今回の取り組みにおいてスーパーデリバリーに出展するメーカーには追加の費用や作業は一切発生しない。アドウェイズが出店する中国ECモールで注文が入ると、スーパーデリバリー上に注文データが入り、国内にある指定倉庫に商品を納品する仕組みだ。ラクーンコマースはスーパーデリバリーに出展するメーカーに当スキームを提案し、販売を希望するメーカーの商品データをアドウェイズに提供する。一方アドウェイズは中国ECモールにて商品掲載や顧客対応等のショップ運営、プロモーション、物流と販売実務全般を対応する。

 

株式会社ラクーンコマースは、企業間取引においてインフラサービスを展開する株式会社ラクーンホールディングスの100%子会社で、EC事業を担っている。メーカーと小売・サービス業などの事業者が取引できる企業間取引(BtoB)サイト「スーパーデリバリー」とその越境ECサイト「SD expor」、受注・発注を一元管理できるクラウド受発注システム「COREC」をメインに提供している。

 

株式会社アドウェイズは2001年設立した国内最大級のアフィリエイトサービス。「JANet」「Smart-C」の運営をはじめ、スマ―トフォン向け広告配信サービス「AppDriver」や全自動マーケティングプラットフォーム「UNICORN」を展開。また、アプリやコンテンツの企画・開発・運営など多彩な事業に着手しており、アジアを中心とした世界各国への海外への展開も行なっている。また、2004年に中国市場に進出し、2014年からは広告や物流を中心とする越境ECサービスにも注力しています。今年3月にアドウェイズが提供する海外配送の物流サービス「楽一番」をSD exportが導入し、企業の海外進出をサポートしている。

 

今回の提携は、中国向けの越境EC市場の更なる拡大に向けた取り組みと言える。

越境ECの市場規模は年々拡大しており、特に中国越境EC市場は大きく、経済産業省「平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」によると中国消費者による日本からの越境EC購入額は1兆5,345億円と拡大し続けている。ラクーンコマースはこのような大きな市場である中国へ積極的に展開するため、既に海外物流で取り組みがあり、中国での販売ノウハウを持つアドウェイズとの提携に至った。

 

今回の業務提携によって、スーパーデリバリーの87万点を越える日本の中小メーカー商品とアドウェイズの中国市場での販売ノウハウという両社の強みをかけ合わせることになる。これにより、さらなる両社の事業拡大とグローバル市場への展開が進むことだろう。