オンライン小売業者が無料返品サービスを提供すれば、オンライン買い物客のほとんどは長期的にみて、そのストアからより頻繁に購入を続けると言えよう。そして、84%もの買い物客は、返品に関してのエクスペリエンスに不満足だった場合、そのストアで二度と買い物をしないと言う。

これは、スウェーデン発のフィンテック企業Klarnaが、英国の2,000人の消費者を対象に実施した調査から導き出した結論の1つ。本調査では、オンライン買い物客の大多数が、今や返品はオンラインショッピングにおいて当然のことと捉えていることを示している。

 

簡単で無料の返品サービスが再購入を促進

買い物客がどの小売業者から商品を購入するか選択する場合、4人中3人が「簡単な返品」ポリシーが重要な要素であると回答。そして、満足度の高い返品プロセスは、小売業者の新規顧客獲得に役立つだけでなく、既存顧客のリテンションにも有効である。なぜならば、英国の消費者の78%が「長期的にみた場合に、無料返品サービスを提供する小売業者から頻繁に商品を購入する」と回答しているからである。

これは、調査対象者の86%が、「購入商品の無料返品が可能であれば、そのオンライン小売事業者へのロイヤルティーと、そのストアから再度購入する可能性が高まる」と回答していることからも示される。

しかし消費者にとって、無料であれば何でも良いというわけではない。実際、小売業者の柔軟な対応が望まれている。今回の調査によると、返品支払いについて柔軟な選択肢を提供する小売業者が競合他社の先を行くことができるとわかっている。

 

消費者は、複数の返品と支払いオプションを望む

ほとんどの買い物客(84%)は、返品方法として「店頭への持ち込み」「郵送」、または「配送業者による引き取り」から選択可能であることを望んでいる。そして、3人中1人は、「商品を実際に自宅で試した後に決済するかどうかを決めることができれば、より頻繁にオンラインで買い物をするだろう」と回答。

Klarnaが今年に実施した調査は、2017年にも行われており、調査結果の比較が可能である。比較すると、オンライン商品の返品は14%増加している。一方で、不良品を返品した消費者はわずか2年の間に12%から26%に増加している。

 

商品の返品理由

期待した通りの品質の商品でなかったので返品したという消費者は、6%から22%にまで増加。また、27%の買い物客は、サイズが合わなかったために返品している。届いた実物がオンラインのイメージとは違ったという理由での返品は、19%だった。

「小売業者がオンライン購入商品の返品を減少させるためには、オンラインストアでの商品紹介方法を改善すべきである。81%の買い物客は、『より鮮明な商品画像と詳細な説明が掲載されていれば、“誤った期待”を抱くことはなく、その結果として商品を返品する回数は減少するだろう』と回答している」とKlarnaは述べている。

 

※当記事は米国メディア「E-Commerce Times」の3/15公開の記事を翻訳・補足したものです。