英国のモバイル市場調査会社Mobilesquaredによると、2019年末までに全世界のモバイル通信事業社168社を利用する10億1,000万人が、RCS(音声通話やショートメッセージサービスなどを代替する目的の高機能なサービス。Rich Communication Services)メッセージングを利用することになるだろうと予測されている。2023年末までには486社のモバイル通信事業社が参加し、32億3,000万人の利用見込み。

 

報告書によると、RCSのビジネス版であるRCSビジネスメッセージング(RBM)をすぐに利用する、と答えたブランドや企業は5.7%に過ぎなかったものの、RBMのサービス開始から3年で65.8%に増加するだろうとのこと。

2019年のRBMの支出は1億8,414万ドルだが、RCSを利用するブランドや企業の増加に伴い、2023年には180億4,000万ドルに急増すると予測されている。ユーザー1人あたりの平均利用額を見ると、西ヨーロッパは2023年に1ユーザーあたり月額1.37ドル、オセアニア1.11ドル、東ヨーロッパ0.63ドルと続く。最も利用額が少ないのはカリブ海地域で平均利用額は0.25ドル。北米は0.26ドルで、中東は0.27ドルと上昇する。

 

Mobilesquaredの主任インサイトアナリスト、Nick Lane氏は「我々の調査によると、RCSとRBMの採用と使用は今後数年間で着実に成長し、2020年には加速するだろう」と語った。さらに「RCSはSMSの有効性とFacebook傘下のスマートフォン向けインスタントメッセンジャーアプリWhatsAppの機能性や、豊富なアプリとの組み合わせを認識するブランドによって成長を促される」とも。

 

「RCSにつては、バルセロナ上海LAで2018年に開催されたMobile World Congressで注目された話題にもかかわらず、業界内ではこのRCSについての理解はあまり進んでいない。RBMを利用した結果、コンバージョン率が50~60%上昇したという米国のファーストフードチェーンSubwayや、他のブランドも自社の成功について報告し始めた今こそ、ブランドがRCSでリワードを提供する時が来た」と続けた。

 

※当記事は英国メディア「Mobile Marketing Magazine」の11/15公開の記事を翻訳・補足したものです。