中国のeコマース大手JD.comは、ヨーロッパ参入の準備を整えている。同社は以前からヨーロッパへの進出を目指していたが、2018年末までにヨーロッパeコマース市場への参入戦略を確定したい考えだ。

 

JD.comのCEO、Richard Liu 氏は、ドイツの新聞Handelsblattに(ヨーロッパ進出について)語っている(ドイツ語)。同社は、2018年中にドイツにオフィスを開く予定だが、「最終決定はまだ保留中だ。私は消費者や生産者、政府と話すためにここ(ヨーロッパ)へ来ることが多い。今年末までに、ヨーロッパ市場参入の具体的な戦略を立ち上げる」とLiu氏は語り、具体的な計画については何も述べなかった。

 

ヨーロッパで製品を販売

「ドイツ製品を中国で販売するだけではなく、ヨーロッパでも販売したい」とRichard Liu氏。「中国製品だけを販売する、というわけではない」と強調した。「別の製品も販売したいし、ヨーロッパ製の商品も取り扱うつもりだ」。

 

ヨーロッパでの足掛かりを得るための買収

ヨーロッパで成功を収めるため、JDは物流やオフライン小売業者に多額の投資をしている。また、買収によって、ヨーロッパのeコマース市場での地位を確立することも考えている。「良い機会があれば買収を実行するだろう」とLiu氏。しかし「現在、物流分野での買収予定はない」と付け加えた。「(ドイツの運送会社)DHLや(アメリカの運送会社)UPSのような企業との提携を考えている。それが私たちの第一選択だ」と語る。

現在JDはパリに事務所があり、ロンドンとミラノにもスタッフを配備。ケンブリッジには研究センターも備えている。2018年末までにドイツに事務所を開設し、ヨーロッパの他の都市でさらに事務所を開設する予定だと言われている。

 

※当記事は欧州メディア「Ecommerce News」の7/23公開の記事を翻訳・補足したものです。