2018年5月25日の一般データ保護規則(GDPR)施行により、企業はEU消費者のCookieで収集されたWEBサイト上の行動データであるオーディエンスデータの43%が使えなくなる可能性があるという。

 

米のマーケティング会社 Vibrant Mediaの調査によると、(GDPR施行にあたり)企業は、Eメールデータベースへのオプトイン率の低下やユーザーの希望する通信手段選択の見直し、または設定の遅れ、同意を得るためのウェブサイトへの低いトラフィック率、GDPRコンプライアンスに適切な対応ができているかという不安といった問題に苦悩しているとのこと。

 

GDPR施行によって直面する問題にもかかわらず、メディアバイヤーの48%は、GDPRの違反に対する制裁を課すことは難しいだろうと考えている。また、GDPRによって最も影響を受けると考えられるマーケティング戦略「プログラマティック広告(データに基づいた広告枠の自動買い付け)」へのメディア代理店による支出削減は止まらない。メディアバイヤーの42%は、「GDPRの影響により、プログラマティック広告への支出が減っている」と回答している。

 

Vibrant Media のCEO、Doug Stevenson氏は、「GDPR施行により、企業は自社のマーケティング戦略の再考を強いられている。消費者にとって、これは好ましい変化だ。代理店幹部は、消費者の43%が企業への不随意なデータ提供についてオプトアウトを選ぶだろうと予測。しかしそれは同時に、消費者との信頼関係を築くための絶好の機会でもあり、より積極的で透明な企業との関係へのオプトインにつながる」と語った。

さらに、「2018年5月25日以降、データに依存するマーケティングキャンペーンのリーチは、大幅に縮小するだろう。必要な規模を維持するために、企業はデータに依存せず、消費者ターゲットを絞ったマーケティング戦略を展開する必要がある。メディアバイヤーの68%が、Vibrant Mediaの調査員に対し、GDPRに対応したコンテンツターゲティング広告キャンペーンにより重点を置く考えを示したのは、恐らくそのためであろう。Cookieのような消費者データに頼ることなく、記事の内容に関連する広告を表示し、消費者の興味に基づいてターゲティングすることが必要だ」と続けた。

 

※当記事は英国メディア「Mobile Marketing Magazine」の5/25公開の記事を翻訳・補足したものです。