ロシアEC企業協会(AITC)によると、2016年ロシアのEC市場の営業収益は前年比21%増、160億ドルで、この値は2017年、前年比25%増、200億ドルに達する見込み。

現在、ロシアでおよそ1.02億人がインターネットを利用している。そのうちの4,600万人は定期的にオンラインで商品を購入する。また、そのうちの半分以上は25歳~34歳である。さらに、このうちの51%は女性、46%はモスクワに在住している。また、2016年ロシアの輸入EC売上高が37%増、そのうち、中国からの輸入は51%のシェアを占めている。ヨーロッアは24%、アメリカは12%だ。

しかしロシアでは隅々までECが浸透しているとは言いにくい状況もある。例えば、ロシアでは64%のオンライン消費者の平均客単価が26ドルに過ぎず、21%は60ドルに達するが、その値は世界的に見ても高くはない。さらに、消費者はオーダーごとに21ドルの送料を負担する必要があり、物流システムの発達が遅れており、かなりECの浸透を妨げていると考えられている。また、ロシア本土のECサイトのUIは先進国に比べて古く使いにくく、表示速度も遅いケースが目立つ。

現在、ロシアではMacy’sASOSなどの小売業者がいるが、GAPDebenhamsMarks&Spencerなどの世界的に大きなメーカーはまだ正式にロシアでの商品販売を行っていない。

また、ロシアへの商品の持ち込みにもハードルが存在している。これまで毎月売上高が1,000ユーロ、商品重量31キロ以下の事業者は免税であったが、2018年にこの値は500ユーロ、2019年、200ユーロまで下がることが予定されており、それを超える場合は30%の関税を払う必要がある。そのため今後、Amazon、 eBay、AliExpressなどでロシア人が購入する際の商品価格は今よりも高くなる可能性が指摘されている。

 

※当記事は中国メディア「電商報」の10/20公開の記事を翻訳・補足したものです。