視聴行動分析サービスを提供するニールセン デジタル株式会社(以下、ニールセン)は、PCユーザーのEコマースサイト利用状況を発表した。
この調査は日本全国に4万名以上のオンライン視聴者パネルを構築するNielsen NetViewから得られるオンライン視聴測定ログ情報と、調査対象の性別、年齢、所有商品などといったライフスタイル情報を融合したNetView Lifestyle Powered by Video Research Interactive(以下NetView Lifestyle)から得られるライフ別利用状況をもとにしたものだ。
2017年4月におけるPC経由のEC利用者TOP3の状況は、1位が「Amazon」で1,342万人、次いで「楽天市場」の1,211万人、「Yahoo!ショッピング」の974万人であるといい、先に挙げた3サイトとPC利用者全体の割合を比較している。
PC経由のEC利用者75%が購入したい商品をインターネット上検討する
購入したい商品をインターネット上で比較・検討する割合に関しては、PC利用者全体では75%、上位3サイトの利用者の85%前後が、購入したい商品をインターネット上で比較検討すると回答している。
また、商品の購入検討時にインターネットで調べる情報を見ると、どのサイトの利用者でも60%程度が「商品のスペック、仕様、材料など」を調べており、販売サイトや評価サイト上にある商品の口コミに関しても同様の割合で調べられていることがわかる。一方で、欲しいと思った商品の類似商品の検索はあまりする傾向になく、目星をつけた商品に関する詳細情報が主に調べられているといえるだろう。
<参考>
【米国】Googleに替わり、Amazonが検索エンジンになっている
商品購入時、積極的にECを利用するのはPC利用者全体の38%
EC利用者の商品購入時の購入や行動意識については、どのサイトの利用者でもほぼ半数がECを利用すると回答しているが、PC利用者全体でみると38%にとどまっている。
ニールセンのエグゼクティブアナリストの中村義哉氏は
「弊社の過去のプレスリリースでも何度か触れていますが、PCの利用者数は一定数で推移しており、利用する目的としてショッピングが上位となっています。そこで今回、改めてPCユーザーの商品購入時の行動を見てみると、商品を購入する際にネットを利用して比較検討し、特に商品のスペックや口コミを調べることが、当たり前の行動となっていることが確認できました。」
と調査を評価したうえで、4人に1人が購入している日常食品・飲料の購入において商品の原材料やアレルギー情報といった重要な情報は各店舗の商品掲載ページであることを指摘、ECとメーカーの協力が重要だとしている。
PC利用者の7割以上が欲しい商品をインターネット上で検索するとしていながらも、商品購入時、積極的なEC利用がなされるのは約4割程度にとどまっている。さらに利用者の多くが主に検索する内容が、商品のスペックや口コミであるといったことから、実店舗でのように直接自分の目で商品を見ことができない分、信頼性の高い商品情報の充実がECの積極的利用につながると考えられるだろう。