アメリカのスーパーマーケットチェーンWalmartは、35ドル以上の購入で2日以内の配送無料サービスを2017年1月31日より開始した。会員登録・年会費不要で“Amazonプライム会員”と差別化を図る狙いがあると見られる。
このサービスはベビー用品からペット用品、介護用品、電化製品、食料品、日用品、健康・美容製品に至るまでの、あらゆる人気商品を網羅する。
この新サービスでは、より多くの消費者が利用できるよう最低購入価格を50ドルから35ドルに引き下げ。また、年会費49ドルでAmazonプライムのような配送サービスがうけられるShippingPass会員に登録の必要もなく、Walmart.comでのオンライン注文が2日間無制限で送料無料となる。
「2日以内の無料配送は今日のEC業界では当たり前。そこに配送料を請求するのは理にかなわない。これは顧客の利便性を高め、我々の成長を加速する第一歩になるだろう」と話すのはWalmart U.S. eCommerce社長兼CEOのMark Lore氏。
米国では4,600店舗以上でオンライン購入した商品の同日店舗受け取りが行われており、オンラインでの食料品購入は600以上の店舗で行われている。今年はさらに店舗数を拡大する予定だ。
大手小売企業はオンライン業界でも長年存在感を示してきた。Walmartは、デビットカードやクレジットカードを持っていない顧客が商品をインターネットで購入し、その支払いを実店舗で行うことができるという現金払いサービスPay With Cashを2012年より開始。数ヵ月後には、より関連性の高い結果を表示する検索エンジン「Polaris」を立ち上げている。
技術の高度化はWalmartにももたらされ、2016年夏には独自のモバイル決済システムを全国のWalmart店舗に導入した。これにより顧客はiOS、Androidのスマートフォンやタブレットをスワイプするだけで、クレジットカードやデビットカード、プリペイドカード、ウォルマートギフトカードなどの多岐にわたる支払い方法をどのレジでも選ぶことができるようになっている。
世界最大級の小売業者であるWalmartは2016年8月、30億ドルでアメリカのEC企業Jet.com社を買収したと発表。同社のウェブサイトに手を加え、デジタルネイティブの“ミレニアル世代”の支持を得ようとしている。
※当記事は米国メディア「Entrepreneur」の1/31公開の記事を翻訳・補足したものです。