フランス仕込みの飾りパン専門店「LEBOIS」が、オーダーメイドECで“受注ミスゼロ”を実現する仕組み

 

記念日や誕生日の贈り物として、名前やメッセージを添えた「自分だけの一品」を求める動きは、ECの世界でも年々広がっている。もっとも、一点ずつ仕様の異なるオーダーメイド商品をオンラインで受け付けることは、注文の取りこぼしや行き違いと隣り合わせでもある。納期も希望も一件ごとに違う注文を、いかに正確にさばくか——これは、こだわりの強い商品を扱う小規模事業者ほど避けて通れない課題だ。

東京・中野でパン店を営み、25年目を迎えるboulangerie LEBOIS(ブーランジェリー ルボワ)は、まさにこの課題に向き合いながら、名入れ・メッセージ入りのパンをECで全国へ届けてきた。今回は、サイト運営から受注、接客、発送までを一人で担う森氏に、オーダーメイド商品をECで受け付ける仕組みづくりと、その運用の実際についてお話を伺った。

 

※この記事は、LEBOISが利用するECサイト構築サービス「イージーマイショップ」を提供する株式会社システムリサーチの協力のもとインタビューを行い、作成したものです。イージーマイショップに関するサービス資料は以下からダウンロード下さい。

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フランス仕込みの「飾りパン」を看板に、中野で25年

 

LEBOISは、2001年に東京・中野で開業したパン店だ。以来ずっと一店舗で営業を続け、取材時点で25年目を迎えている。

製造を担うご主人は、石川県羽昨市のパン店の三代目。専門学校を卒業後、フランスで3年間の修行を積み、帰国後さらに5年ほど勤めてから独立した。一方の森氏は美術大学の出身で、もともとはパン業界とは縁がなかったが、ご主人の勤め先にアルバイトとして入ったことがきっかけで一緒になったという。

 

同店を象徴する商品が、フランスの伝統的な飾りパン「パン・シュプリーズ」だ。直訳すれば「びっくりパン」。くり抜いたパンの中に、ハム&チーズ、ドライトマト&カマンベールなど4種類のサンドイッチが詰まっており、皮まですべて食べられるのが最大の魅力である。フランス修行時代、勤め先のオーナーと共に飾りパンに夢中だったことが原点になっており、オーナーと共に飾りパンのグランプリを受賞されるほどの実績の持ち主だ。そのような経緯から「日本でも絶対にやろう」と夫婦で決意し、帰国後に手がけ始めた。当時はまだ、国内でこうした飾りパンを扱う店はほとんどなかったという。

森氏自身、幼少期に京都で「器ごと食べられる和菓子」に出会って強く感激した記憶があり、パン・シュプリーズに「あの感動と同じものだ」と惹かれたと振り返る。もっとも、その製造は手間のかかる「プロの仕事」だ。

「パンは発酵でどんどん膨らんでいくので、クッキーのように待ってはくれません。その膨らみに合わせて飾り付けをしていくので、これは本当にプロの仕事だと、いつも見ていて思います」(森氏)

 

近年は、1歳の誕生日を祝う「一升餅」になぞらえた「一升サイズ」のパンも人気を集めている。これも、お客様からの「一升サイズで作ってほしい」という要望から生まれた商品だ。他社が類似の名称を商標登録しているため呼び方には配慮しているが、現在では通常のメッセージパン以上に注文が入ることもあるという。このほか、お正月用の「正月シュプリーズ」やガレット・デ・ロアといった季節商品も展開している。

 

 

通販は「お客様の声」から始まった

 

LEBOISがオンライン販売に踏み出したきっかけも、やはり顧客の要望だった。近所に住んでいた常連客が遠方へ転居した際、「どうしても食べたい」と声をかけられたことが出発点になっている。

「うちの通販は、もともとお客様からの声で始まったんです。近くに住んでいた方が名古屋へ引っ越されて、その方の要望に応える形で、最初はFAXでお受けしていました」(森氏)

そこから少しずつ販路を広げ、現在は北海道や沖縄を含む全国への発送に対応している。商品の性質上、配送はすべて冷蔵便だ。一件の要望から始まった通販が、いまでは全国の顧客とLEBOISをつなぐ柱の一つになっている。

 

 

「受注ミスをなくす」ために求めた機能

 

FAXから本格的なECへと移行する過程で、LEBOISはいくつものサービスを試してきた。最初に使ったのは導入社数が業界では最多と言われているサービスで、ほかにも無料カートや、配送会社が提供していたシステム(現在は終了)などを検討したという。当初は通常のパンも含めてすべての商品を売ろうとしていたが、手作りである以上、製造できる量には限りがある。何年か続けるうちに「たくさん注文を取れば売れるというものではない」と気づき、現在は強みである飾りパンに販売を絞り込んでいる。

そうして各社を比較した末にたどり着いたのが、イージーマイショップだった。決め手は、オーダーメイド商品ならではの受注管理機能である。お届け日の指定や、一日に受けられる注文件数の制限、何日先までの受注を受け付けるかの設定、注文時のカスタムオーダー——こうした機能は、当時、他のサービスでは十分に実現できなかったという。

「オーダーメイドの商品なので、お届け日のご指定や、一日に受けられる件数の制限ができることが必須でした。普通にカートへ入れられてしまうと、その後のやり取りが大変になってしまう商品なんです」(森氏)

コスト面と柔軟性も評価のポイントになった。基本料金が安く、独自ドメインの運用にも追加費用なく対応できる。森氏が自ら構築したWordPressサイト(テーマは「AFFINGER」)に、イージーマイショップのカートへ進むボタンを自然に組み込める点も大きかった。なお、レビュー機能は導入当時まだ実装されていなかったが、その後に追加された際、有料オプションではなく無料で使えたことに驚いたという。

さらに同店では、受注の漏れや重複を防ぐため、店頭受け取りの注文もできる限りシステムを通すよう案内している。手数料の都合で店頭受け取りには手数料をかけない設定にしながら、注文経路そのものはシステムに一本化することで、ミスの起きにくい運用を実現しているわけだ。

 

 

一人で担う受注・発送と、夫婦の分業

 

LEBOISのEC運営は、徹底して少人数で回っている。サイトの構築・更新、バナーやQ&A用画像の制作、受注管理、接客、そして発送まで——その大半を森氏が一人で担い、ご主人は製造に専念する。発送は配送会社が集荷に訪れる。夫婦それぞれが「作る」と「届ける」を分担する、シンプルな体制だ。

納期は最短で4日ほど。ただし飾りパンや一升サイズの注文は週末に集中しやすく、季節や時期によっては1ヶ月先まで予約が埋まることもある。通常のパンを焼くスペースを使って製造するため、効率を高めるにも限界がある。だからこそ、受注件数を機能でコントロールできることが、運用上の生命線になっている。

製造を一人で続けているのには、ご主人なりの理由がある。かつては職人を3人ほど雇い、規模を広げていた時期もあった。しかし、人に技術を教えるストレスや、作り手が変わると常連客から「味が変わった」と言われてしまうことを避けたいという思いから、現在は一人で作る形に落ち着いた。

「本人は、体のきつさよりも、人にお願いする気苦労がない方がいいと言うんです」(森氏)

 

 

現場から見える、機能への期待

 

日々ECを運営する立場だからこそ見えてくる、機能への要望もある。森氏がとりわけ強く望んでいるのが、レビューの仕組みの拡張だ。パン・シュプリーズはギフトとして使われることが多く、その感動をいちばん伝えたがっているのは、実は購入者ではなく「受け取った人」——プレゼントを贈られた相手や、パーティーで一緒に食べた参加者だという。

「パン・シュプリーズはプレゼントに使われることが多くて、本当に驚いて喜んでくれるのは、受け取った方やパーティーで召し上がった方なんです。でも、レビューを書けるのは購入された方だけ。受け取った方が直接書ける仕組みがあればと、いつも思っています」(森氏)

不正なレビューを防ぐうえで購入者に限定する設計には理解を示しつつも、たとえば商品に同梱したQRコードから、受け取った人がその場でレビューを書けるような形があれば——という現場ならではのアイデアだ。ギフト中心に販売する事業者であれば、同じ思いを抱く店は少なくないだろう。

操作画面についても要望がある。森氏と同年代以上の利用者から、「カートへの入れ方が分からない」という電話問い合わせが少なくないという。下へスクロールすれば操作できることに気づきにくい、というのが主な理由だ。この点はすでに「続きがあります」という案内が表示されるよう改善されており、森氏も手応えを感じている。そのうえで、より直感的に操作できる仕組みへと進んでいくことを期待している。生まれたときからスマートフォンに触れてきた世代と、近年になって使い始めた世代とでは、当たり前の感覚が異なる。その差にどう寄り添うかは、買い物のしやすさに直結するテーマだ。

集客に対する考え方も、同店らしい。森氏は「新規割引」よりも、何度も利用してくれるリピーターを大切にしたいと語る。初回だけを安くする施策には違和感があり、むしろ継続して注文してくれる顧客にこそ報いたい、という発想だ。実際に同店では、リピーターへひそかにパンやお菓子をおまけとして同梱するといった対応を続けている。

 

 

EC専門化への展望

 

LEBOISは、いま大きな転換点を迎えている。店舗が入るマンションの建て替えに伴い、年内(2026年内)に、現在の場所から徒歩10分ほどの杉並区にある自宅下の店舗へ移転する予定なのだ。移転後は店舗面積が小さくなるため、これを機に本格的にEC中心の事業モデルへとシフトしていく意向だという。店頭販売は「たまに買えるくらい」の規模にとどめ、空いた余力を保存のきくEC向け商品に振り向けていく考えだ。

その候補として森氏が挙げるのが、これまでECに十分載せきれていなかったグラノラやジャムである。とりわけグラノラは、材料がそのまま価格に反映されるため決して安くはないものの、根強いファンを持つ商品だという。

さらに、定期的に商品を届ける「頒布会」の形にも関心を寄せている。飾りパンという「待つ価値のある一品」を軸にしながら、日常的に楽しめる商品を組み合わせていく——その設計を、いま少しずつ描いているところだ。

あわせて、より分かりやすい新しいホームページへの作り替えも、店舗移転と同じタイミングで進めている。スクラッチでのHTML制作から始まり、WordPressへと移ってきたサイトを、「よくある分かりやすい形」へと整え直す。サイト構築もEC運営も自らの手で続けてきた森氏らしい、地に足のついた次の一手と言えるだろう。手仕事でしか生み出せない飾りパンを、いかに無理なく全国へ届け続けるか。LEBOISのこれからの歩みに注目していきたい。

 

 

LEBOISが利用している「イージーマイショップ」とは

 

株式会社システムリサーチが提供するイージーマイショップは、専門知識がなくても本格的なネットショップを構築・運用できるASP型のECサイト構築サービスだ。初期費用・月額費用が無料のプランから始められ、規模や業種を問わず幅広い事業者に利用されている。

最大の特徴の一つが、LEBOISの使い方とも合致する「オーダーメイド商品機能」である。名入れやメッセージ指定といった個別仕様の注文を受け付けられるほか、お届け日の指定や受注件数のコントロール、セット販売、定期購入・頒布会など、こだわりのある商品を扱う店舗が必要とする機能が一通り揃っている。クレジットカードやコンビニ決済を手軽に導入できる決済サービス「イージーペイメント」にも対応する。

実際、流通額の成長が大きい上位店舗ほどオーダーメイド機能の活用率が高いことも公表されており、一点ずつ異なる注文を正確にさばきながら全国へ届けるLEBOISの運用は、まさにこの強みを体現した一例と言えるだろう。手仕事の価値を損なわずにECへ載せたい——そう考える事業者にとって、参考になる事例ではないだろうか。

 

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