新たな調査によって、消費者はマーケティングに付加価値をもたらすAI活用は受け入れているが、ありきたりで押しつけがましく、うわべだけと感じさせる広告には拒否感を持つ傾向があることが明らかになった。
マーケティングにおけるAIコンテンツについて、消費者の反応はさまざまである。有益で自分に関連性の高い広告やコンテンツは歓迎される一方、機械的で感情にとぼしい、または少し踏み込みすぎていると感じさせるマーケティングには、依然として多くの人がうんざりしている。
オーストラリアを本拠とし、オンラインデザイン公開ツールを提供するCanvaによる「2026年版マーケティングとAIの現状(The state of marketing and AI 2026)」レポートによると、消費者の70%は、AIが生成した広告は「魂が欠けている」ように感じるため、たいてい見分けられると回答している。また69%は、広告の未来は大量の「AI生成の粗悪なコンテンツ(AIスロップ)」で溢れかえるのではないかと懸念しており、65%は、AI広告は「あまりにも見え見えで笑える」と述べている。
こうした不満は広告だけにとどまらない。回答者の半数超が、AIが生成したSNS投稿、機械的にパーソナライズされたメール、コンピューター生成の商品写真、AIによる読み上げ、AIが書いた記事に対してイライラすると回答している。

出典:Canva「2026年版マーケティングおよびAIの現状(The state of marketing and AI 2026)」レポート
同レポートは、問題の本質はAIそのものではなく、ブランドによるAIの活用方法にあると指摘している。さらに、クリエイティブ戦略をしっかりと固めないまま大量にコンテンツを生産し続けることは、信頼を損ない、オーディエンス離れのリスクがあると警告している。
こうした懐疑的な見方は、すでに購買行動にも影響を及ぼしている。消費者の74%が、完全に人間が制作したと感じる広告のほうが購入につながりやすい、と回答し、87%が優れた広告にはやはり「人間らしさ」が必要だと述べている。

出典:Canva「2026年版マーケティングおよびAIの現状(The state of marketing and AI 2026)」レポート
同時に、消費者は、AIが生成するコンテンツはいずれ見分けがつかなくなる、とも考えている。70%が「企業が開示しない限り、広告がAI制作かどうかの判別は最終的に不可能になる」と回答しており、半数以上がその変化は「5年以内に訪れる」と予測している。
とはいえ、消費者がAIを全否定しているわけではない。
68%が「AIが広告をより役立つもの、関連性の高いものにするのであれば、AI活用を受け入れることができる」と答えている。本レポート全体を通じて、消費者は、不気味さや過剰な予測を感じさせるパーソナライズではなく、実用的、有益に感じられるパーソナライズには好意的な反応を示している。
若い世代ほどAI生成コンテンツに寛容である。Z世代とミレニアル世代では、70%が広告の制作方法よりも広告全体の「直感的なノリ(vibe)」をより重視する、と回答し、69%が「実際の人間が関与している限り、AIによる加工は気にしない」と述べている。

出典:Canva「2026年版マーケティングおよびAIの現状(The state of marketing and AI 2026)」レポート
明確なメリットを伴うパーソナライゼーションに対する消費者の反応も好意的だ。81%が「節約につながる広告に価値を感じる」と回答し、80%が「自国語での広告を好む」、77%が「地域に合った広告を求める」と答えている。
タイミングも影響する。65%が「適切なタイミングや文脈で表示される広告に好感を持つ」と回答している。
ブランドが消費者を失うのは、パーソナライズが押しつけがましいと感じられる場合だ。58%が「自分が欲しいものを先読みするために企業にAIを使用してほしくない」と回答。さらに52%が、検索する前から購買意向を把握されているかのような広告は「立ち入りすぎ」だと感じると述べている。
AI生成広告への信頼を高めるために何が必要かについても、消費者の意見は明確だ。53%が「ユーザーデータの保護が最も重要な要素」と回答。52%が「AIを使用した場合にはその旨を開示すべき」と考え、37%が「AI生成広告を完全に拒否できる選択肢を求める」と答えている。
レポートの全文はこちらで確認できる(登録が必要)。
※当記事は米国メディア「MarTech」の5/22公開の記事を翻訳・補足したものです。